【米政権交代】米町長と団体幹部がミシェル夫人に差別発言

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米ウェストバージニア州の町長と、連邦政府の資金提供を受けている団体のトップが、フェイスブックでミシェル・オバマ大統領夫人について人種差別的な内容を投稿し侮辱したと、騒ぎになっている。地元テレビ局によると町長は15日、引責辞任したという。
同州クレイ郡で慈善団体を運営するパメラ・ラムジー・テイラーさんはフェイスブックで、「上品で美しい、威厳のある女性がホワイトハウスにいるようになれば、すごく気持ちがすっとする。ヒールを履いた猿はもうたくさん」と書いた。
これに対して、クレイ町のベバリー・ウェイリング町長は、「パム、今のは最高」と返信した。
クレイ町は人口491人。2010年国勢調査によると、町にアフリカ系米国人の住民はいない。クレイ郡全体でも、住人9000人の98%以上が白人だ。
2人の投稿はたちまち広く拡散され、2人の解雇を求める署名には8万5000人以上が賛同した。
14日に最初に騒ぎを伝えた地元局WSAZによると、ウェイリング町長は15日、辞表を提出。米紙ワシントン・ポストなどによると、テイラーさんは「クレイ郡開発グループ」の責任者を解任された。同団体は州政府と連邦政府から資金提供を受けて、高齢者や貧困層の支援に取り組んでいる。
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同州クレイ郡で慈善団体を運営するパメラ・ラムジー・テイラーさんはフェイスブックで、「上品で美しい、威厳のある女性がホワイトハウスにいるようになれば、すごく気持ちがすっとする。ヒールを履いた猿はもうたくさん」と書いた。最初に地元局WSAZが伝えた。画像は同局のニュース画面より。
テイラーさんはWSAZテレビに対して、自分の投稿は「人種差別だと解釈されることもあり得る」と認めながら、「そのつもりはまったくなかった」と説明。肌の色ではなく人間としての魅力について個人的な意見を表現しただけだと述べた。また、名誉棄損で提訴も考えていると話したが、誰を訴えるつもりかは明らかにしなかった。
ウェイリング町長は報道陣に、自分のコメントで人種差別したつもりはなかったと表明。「ホワイトハウスが変わるから最高だという気持ちを表しただけです! これで気分を害した人がいるなら、本当に残念で申し訳ない! 私を知る人は、私が人種差別なんかしないことはよく分かっているはず!」と文書で発表した。
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選挙後にホワイトハウスで会談したメラニア・トランプ次期大統領夫人(左)と、ミシェル・オバマ大統領夫人
全国有色人種向上協会(NAACP)ウェストバージニア支部のオーウェンズ・ブラウン代表は、「こういう潜在的な人種差別を抱えている人たちがいるのは、残念だ」と発言。
「残念ながら、それが今のアメリカの現実だ。この州でそんな態度はあってはならない」
ウェストバージニア州民主党支部のベリンダ・ビアフォア委員長は、州の住民を代表してオバマ夫人に謝罪した。
「ウェストバージニアは本当にもっとましなところです。こういう過激な憎悪、人種差別的な理想にこそ、私たちウェストバージニア州民主党は今後も闘っていきます」と委員長は声明を発表した。
同州は大統領選で68.7%の過半数がドナルド・トランプ氏に投票した。