米財務省、エクソンモービルに罰金 国務長官がCEO時の制裁違反で

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米財務省は20日、米石油大手のエクソンモービルに、対ロシア制裁に違反したとして罰金200万ドル(約2億2300万円)の支払いを命じた。

財務省は、エクソンがロシア国営石油大手ロスネフチのイーゴリ・セチン社長と取引を行ったことが違法だったとしている。

エクソンは同日、罰金を「根本的に不公平」だとして、措置の撤回を求めてダラス連邦地裁に提訴したと発表した。

セチン氏は、ロシアのクリミア併合に対する米国の制裁措置で、2014年4月にブラックリストの対象に加えられていた。

財務省によると、エクソンは2014年5月にセチン氏との8つの契約書に署名したが、自主的な報告を怠った。同省は「悪質な事例」だとした。

エクソンは、当時のホワイトハウスの発表資料を引用しつつ、制裁対象となっているのは個人で、セチン氏のロスネフチでの役割は含まれていないと同社は理解したと主張した。

エクソンによると、財務省は数年にわたってエクソンのセチン氏との取引について処分を検討していた。

契約当時のエクソンの最高経営責任者は現在、トランプ政権で国務長官を務めるレックス・ティラーソン氏だ。ティラーソン氏が2013年に「ロシア友好勲章」を授与された際、同氏を推薦したのがロスネフチだった。ティラーソン氏はエクソン時代、経済制裁に反対していた。

しかし、経済制裁に伴いエクソンはロシアでの掘削停止に追い込まれた。

ティラーソン氏のロシアとのつながりは、ドナルド・トランプ米大統領によって国務長官に指名された際にも問題視された。

米政府は今年4月、対ロシア制裁に基づきエクソンに命じた掘削停止を変更しないことを決定した。

エクソンによると、制裁の影響で2014年末までに最大10億ドルの損失が生じたという。