大型トラックに38人、脱水などで9人死亡 米テキサス州

画像提供, EPA
不法移民と疑われる38人を乗せていたトラック(23日、米テキサス州サンアントニオ)
メキシコ国境に近い米テキサス州サンアントニオで23日、小売店の駐車場に停まっていた大型トラックのコンテナに不法移民と思われる38人が乗っているのが発見された。発見時にすでに子供2人を含む8人が死亡しており、さらに搬送先の病院で1人が死亡した。コンテナ内には空調も水もなく、外気温は最高38度に達していた。
警察や移民当局は、人身売買に関係した事件ではないかとみて調べている。移民局は、被害者たちの法的立場を確認しようとしている。
調べによると、大型小売店ウォルマートの駐車場に停めたトラック運転手が従業員に、水を飲ませてもらいたいと声をかけたことで事件が発覚した。
記者会見したサンアントニオ警察のウィリアム・マクメイナス本部長は「人身売買事件とみて捜査している」と述べ、運転手を事件への関与で訴追する方針を示した。
本部長によると、コンテナで発見された38人は、小学生くらいの子供から30代の大人までの年齢だという。発見時にすでに8人が死亡しており、28人が病院に搬送されたが、1人が搬送先で死亡した。
トラックを映したビデオ映像では、生存者を搬送する車両が映っている。複数人が徒歩で近くの林に逃げ込んだ可能性もある。
チャールズ・フッド消防長は、生存者の心拍数は130回以上に達し、体は触れると非常に熱い状態だったと話した。20人が重体だという。38人のうち少なくとも2人が小学生くらいの子供だという。
「この車両に閉じ込められていた38人全員が死亡しなかったのは、非常に幸運だ」と消防長は話した。
画像提供, EPA
現場から撤去されるコンテナトラック(23日)
テキサス州西部地区を担当するリチャード・ダービン連邦検事は、主犯特定に取り組んでいると話した。
「密輸業者の手にかかった被害者たちは、なすすべもなかった。(華氏)100度(摂氏約37.8度)以上の気温のなか、息苦しいコンテナに閉じ込められた、この人たちの苦しみを想像してもらいたい」と検事は声明で述べた。
「こわれやすい荷の安全などどうでもよいと思っている、非情な人身売買業者」の犠牲者だと検事は指摘した。
テキサス州サンアントニオの位置