ミルクシェイクを600キロ 末期がん女性の希望かなえようと

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ポメランツさんは地元クリーブランド・ハイツ地区にあるトミーズの、幸せな思い出が詰まったミルクシェイクの味が忘れられなかった
米オハイオ州の食堂が先月、ミルクシェイクを600キロ離れたワシントンの病院まで運び、末期がんの女性の最後の希望をかなえた。
すい臓がんのためワシントン市内のホスピスで療養していたエミリー・ポメランツさん(50)は、故郷のオハイオ州クリーブランド市内の食堂「トミーズ」で飲んだモカ・シェイクの味が忘れられなかった。
それを聞いた友人のサム・クラインさんがトミーズに連絡を取って相談したところ、長距離の出前が実現した。
モカ・シェイクがポメランツさんの元に届いた4日後の先月28日、ポメランツさんは亡くなった。
現在ワシントンに住むクラインさんもクリーブランド育ち。長年の友人のポメランツさんを見舞った際に、何か欲しいものはないか尋ねたという。
クラインさんはその時のことをフェイスブックの投稿で振り返った。「彼女は微笑みながら『トミーズのモカ・シェイクがもう一度飲めたらなぁ』と話した」。
クラインさんは食堂の代表メールアドレスに、問い合わせのメールを送ってみたという。
「数日後、トミーズのオーナーのトミー・フェローさんから電話が来て、フェローさんは『ええ、なんとか方法を考えてみます』と言ってくれた」
フェローさんは、食堂を開いてから47年間、こんな注文は受けたことはなかったと、地元テレビ局「フォックス8ニュース」に語った。
「できるかどうかも分からなかった」と話すフェローさんは、関係者が「ミルクシェイク作戦」と名付けて取り掛かったと話した。
フェローさんはモカシェイクをドライアイスの中に詰め、翌日配送のサービスに123ドル(約1万3600円)を支払った。
ポメランツさんは大好きなモカ・シェイクを見て大喜びだったとクラインさんは話す。
「もうここにはいないエミリーが、大勢の気持ちをなごませてくれている。それを彼女が知ったら、すごく喜ぶはずです」