ハリウッド・スターが次々と非難 セクハラ解雇の大物プロデューサー

ストリープ氏とワインスティーン氏 Image copyright Getty Images
Image caption ストリープ氏とワインスティーン氏は「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 」などで一緒に仕事をした。写真は2005年撮影

米ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏(65)が女性従業員に性的嫌がらせを繰り返し、自身の映画会社から解雇されたことを受けて、メリル・ストリープ氏などワインスティーン氏が手掛けた映画に出演したハリウッドの一流俳優が、口々にワインスティーン氏を非難している。

ストリープ氏はハフポストに対し、「みっともない」ニュースに「愕然」としたと話した。

ストリープ氏はさらに、「この加害行動を暴露するために声を上げた勇気ある女性たち」を称賛し、女性たちを「英雄」と呼んだ。

英女優のデイム・ジュディ・デンチも発表文で、「おぞましい」行為に「全く気づかなかった」と述べた上で、声を上げた女性たちを称賛した。

デンチ氏は、「被害に遭った方々に心を寄せ、声を上げた方々を心から支援します」と述べた。

それまで英国で舞台やテレビを中心に活躍していたデンチ氏は1990年代に、ワインスティーン氏によって映画に抜擢され、「恋に落ちたシェイクスピア」でアカデミー賞を受賞。一躍、国際的スターとなった。

ストリープ氏は、アカデミー賞主演女優賞を得た「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のほか、「8月の家族たち」 などの作品でワインスティーン氏と仕事をし、2012年の受賞スピーチではワインスティーン氏を冗談で「神様」と呼んでいた。

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Image caption デイム・ジュディ・デンチとワインスティーン氏。2005年撮影

一方で英女優ロモーラ・ガライ氏は18歳の時、映画出演をワインスティーン氏に「承認」してもらうため、ホテルの部屋を訪れるよう指示されたと明らかにした。英紙ガーディアンに対してガライ氏は、「侵された」と感じたと話している。

ガライ氏によると、ワインスティーン氏はガウン姿でドアを開けた。「屈辱的だった。権力の乱用だった」とガライ氏は話した。

アカデミー賞受賞女優のケイト・ウィンスレット氏も米誌バラエティに対し、ガライ氏のように声を上げた女性たちは「信じられないほど勇気がある」と称賛。その内容は「非常に衝撃的だった」と話した。

ほかに、エマ・トンプソン、マーク・ラファロ、セス・ローゲン、ジョージ・クルーニー、ジェニファー・ローレンス各氏など、複数の有名俳優が同様に発言している。

ワインスティーン氏の疑惑を受け、ハリウッドだけでなく社会全般における権力の乱用をめぐって、激しい議論が巻き起こっている。

米紙ニューヨーク・タイムズが6日付記事でワインスティーン氏のセクハラ疑惑について報道したのが、同氏解雇と議論のきっかけになった。

報道を受けて、ハリウッドの大物たちが「耳が聞こえなくなるほどのすさまじい沈黙」を続けていると批判が高まった後、ストリープ氏の発言が報道された。

ストリープ氏は、自分も含め「必ずしもみんなが」疑惑について知っていたわけではないと、明確にしたかったと説明した。

アカデミー賞を3回受賞しているストリープ氏は、「(ワインスティーン氏が)応援した作品を作った私たち、同氏が支援した優れた慈善活動に関わる人たちは、愕然としている」と強調した。

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Image caption ローズ・マガウワン氏はワインスティーン氏を名指しはしないまでも、積極的に声を上げていた

ストリープ氏はワインスティーン氏の疑惑について、「ハービーは作品を猛烈に支えてくれた。仕事をする上で腹の立つこともあったが、私に敬意を持って接してくれた。彼の仕事相手の多くに対しても同様だ」と述べた。

「女優や同僚たちに示談金を払っていたのは知らなかった。ホテルの部屋や浴室で人と会っていたことも、それ以外の不適切で強圧的な行動についても知らなかった」

「もしみんなが知っていたなら、エンターテインメント関連やストレートニュースの調査報道記者たちが、何十年も無視して記事にしないなど、ありえなかったと思う」

ストリープ氏はさらに、「(ワインスティーン氏の)行動に弁解の余地はないが、権力の乱用は、おなじみの現象だ。勇敢な声がひとつ上がるたびに、それが監視を担うメディアの耳に届き、確認するたびに、いずれ社会の仕組みは変わる」と続けた。

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Image caption エマ・トンプソン氏は、ワインスティーン氏が若い女性を追い回すことで知られていたと話した

ワインスティーン氏は2004年、英国映画産業への貢献を認められ、エリザベス女王から名誉「大英帝国勲章司令官(CBE)」に任ぜられた(米国人のため正式な叙勲はできない)。

テリーザ・メイ英首相の報道官は、メイ氏が疑惑について「懸念」を示したが、ワインスティーン氏のCBEの扱いについては、首相ではなく勲章没収委員会の所管事項だと述べた。同委員会が事案ごとに、「その内容に応じて判断する」という。

英女優で脚本家のエマ・トンプソン氏は9日、この話が明るみに出て良かったと話し、ワインスティーン氏を獲物を求める「プレデター(捕食者)」と呼んだ。

トンプソンさんはBBCに対し、「獲物を追い回す男性はどこにでもいる。映画業界だけではない」と語った。「声を上げる自信がない女性たちを支えていこう」。

一部の男性スターも、ワインスティーン氏を非難し、加害行動の被害にあったとされる女性たちを支えていくと表明している。

「アベンジャーズ」 などに出演している米俳優マーク・ラファロ氏は、「ハービー・ワインスティーンのやったことは、不快きわまりない権力の乱用だ」とツイートした

米俳優セス・ローゲン氏は、「ハービー・ワインスティーンのセクハラを公表する全ての女性を信じている」とツイッターで書いた

女優ローズ・マガウワン氏も積極的に声を上げている。ニューヨーク・タイムズによるとマガウワン氏は1997年、ワインスティーン氏と1997年に和解に至っている。

マガウワン氏は7日、「ハリウッドの女性の皆さん、あなたたちの沈黙は耳をつんざくほどです」とツイート。さらに、業界紙ハリウッド・リポーターに対し、「ハリウッドの男性たちは今すぐに変わる必要がある」と話した。

ニューヨーク・タイムズの最初の報道を受けて、ワインスティーン氏は「同僚に対する過去の振る舞いが多くの苦痛を与えたと受け入れ、心から謝罪する」と声明を出した

しかし同氏はその後、記事内容を否定。弁護団の1人は、記事が「でたらめで侮辱的な発言に満ち満ちている」と主張した。

顧問弁護士リサ・ブルーム氏は別の声明で、ワインスティーン氏が疑惑の多くを「まったくのでたらめだ」と否定していると述べていた。

ブルーム氏はその後、ワインスティーン氏の顧問弁護士を降りたとツイッターで発表した。

(英語記事 Meryl Streep and Dame Judi Dench speak out about Harvey Weinstein

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