アインシュタインの「幸福論」、約2億円で落札 帝国ホテルでチップ代わりに

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2枚のメモはそれぞれ156万ドル、24万ドルで落札され、当初の予想を大幅に上回った
ノーベル物理学賞を受賞した物理学者アルバート・アインシュタインが幸福な生活についての考えを書き記したメモ2枚が24日、エルサレムのオークションで合計約180万ドル(約2億500万円)で落札された。
アインシュタインは1922年に滞在していた東京の帝国ホテルで、ベルボーイにチップの代わりにメモを渡した際、運がよければこれは価値のあるものになると語ったという。
ドイツ出身のアインシュタインは科学の研究に一生をささげたが、メモでは、長年夢見た目標を達成することは必ずしも幸せを約束しないと述べている。
ホテルの部屋でベルボーイから届け物を受け取った際、アインシュタインはチップとして払えるお金を持っていなかった。
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1921年ノーベル物理学賞を受賞したばかりのアインシュタインは東京のホテルでメモを書いてチップ代わりにした(写真は1950年撮影)
当時、講演のため日本を訪れていたアインシュタインはノーベル物理学賞の受賞を知ったばかり。チップの代わりにホテルの便せんにドイツ語の一文を書いてボーイに手渡した。メモには、「穏やかでつつましい生活は、成功を追求するせいで常に浮き足立っているよりも、より多くの幸福をもたらす」と書かれてあった。
同時に書かれた2枚目のメモには、「意思があれば道は開ける」と短く書かれている。
1枚目のメモは156万ドルで落札され、2枚目は24万ドルで落札された。
オークション会社によると、落札額は予想を大幅に上回ったという。メモ2枚のうちの1枚の落札者は欧州からだというが、身元は本人の希望で明らかにされていない。
出品したのは、アインシュタインからメモを受け取ったベルボーイのおいだとみられている。
アインシュタインが残した名言
我々の問題は、問題を生み出した時と同じ考え方では解決できない。
本当の知性のしるしは、知識ではなく想像力だ。
我々はいまだに、自然が明らかにしてくれたことの1%の1000分の1さえ分かっていない。
素敵な女の子を口説いているときは1時間が1秒のように感じる。真っ赤な燃えかすに座ったら1秒が1時間のように感じる。それが相対性だ。
(出典: The Yale Book of Quotations/BrainyQuote)