ブレグジット清算金の増額提案で英主要閣僚が合意

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テリーザ・メイ英首相は20日夜、首相官邸で閣内委員会を開き、難航する欧州連合(EU)との離脱交渉を前進させる方策について協議した。出席した主要閣僚らがEUに支払う清算金を増額する方針で合意したことがBBCの取材で明らかになった。

具体的な額については詳しい議論はなかったという。

しかし、将来の貿易協定や離脱後の移行期間についての協議開始が来月予定されるEU首脳会議で承認されることが、清算金増額の条件となっている。

一方、議会は離脱の形を規定する法案の審議を継続する見通し。下院では既存のEU法を英国国内法に変更するためのEU離脱法案に注目が集まっている。

英EU間の交渉が前に進まない主な原因の一つが清算金の問題だ。首相官邸は、200億ポンド(約2兆9800億円)支払うという現在の提案を倍増するとの報道を否定。元閣僚のロバート・ハルフォン氏は、もし400億ドルの支払が提案されれば、英国の有権者は「怒り狂う」だろうと語った。

ドナルド・トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、清算金やアイルランドと英領北アイルランドとの国境について英国が対応する期限を12月初めに設定した。期限が設定された理由は、同月14、15日に予定されるEU首脳会議で、将来の貿易協定に関する交渉を始めるべきかが話し合われるためだ。

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Image caption 会合後に首相官邸を出るデイビッド・デイビス・ブレグジット担当相(写真左)とリアム・フォックス国際貿易相(同右)

首相官邸は、メイ首相が主宰した離脱および貿易(戦略と交渉)閣内小委員会の協議内容について口をつぐんでいる。ある官邸筋は会合後、「EUとの交渉で全てが合意される前は何も合意されていない、というのが我々の立場だ」と語った。

しかし、BBCの取材では、閣僚たちはEUとの交渉が来月、次の段階に進む可能性があると結論付けたが、「我々だけで前に進むわけではない」とした。

英国とEUの間にはこのほか、欧州司法裁判所の将来の役割をめぐる対立がある。EU離脱後の移行期間には、同裁判所が英国とEUとの間の貿易の取り決めを監視する必要があるとの指摘が一部から出ている。

フィリップ・ハモンド財務相は、ノルウェーなどの欧州経済地域(EEA)加盟国との紛争調停のために設置された法廷と同様の仕組みを提案している。しかし、EUは欧州司法裁判所に今後も権限を持たせることにこだわる可能性がある。

なぜ英国は清算金を支払う必要があるのか

EUは全体の離脱合意の一部として英国が約束した分担金を清算する必要があると主張している。英国も責任を果たす必要があると認めており、2014~20年のEU中期予算でほかの加盟国に負担を回さないと約束している。

しかし悪魔は細部に宿る。

さらに、EU職員の年金と今後何年も先にわたって英政府がそのために拠出しなくてはならない金額の算定方法、英国を含む加盟国が資金の拠出で同意した建設計画への対応などの問題もある。

(英語記事 Brexit: Broad agreement to pay more as UK leaves, the BBC understands

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