非武装地帯で撃たれた脱北の北朝鮮兵、意識回復

脱北しようと軍事境界線を越え、5発撃たれて病院に救急搬送された北朝鮮兵(13日、韓国・京畿道水原) Image copyright EPA
Image caption 脱北しようと軍事境界線を越え、5発撃たれて病院に救急搬送された北朝鮮兵(13日、韓国・京畿道水原)

韓国と北朝鮮の間の軍事境界線を越えて脱北を試みて撃たれた北朝鮮の兵士が21日、韓国の病院で意識を回復した。聯合通信が伝えた。

聯合通信は韓国当局者の話として、意識を回復した北朝鮮兵がテレビを見たいと希望したため、韓国映画を見ていると伝えた。「命に危険がある状態は過ぎたと思う」と政府関係者は話しているという。

韓国政府によると、北朝鮮兵士は13日に共同警備区域(JSA)の韓国側に入った。乗っていた車のタイヤが外れ動かなくなり、そこから降りて走って板門店の韓国側に入った。兵士は北朝鮮兵に追跡され、40回以上撃たれ、5発を被弾していた。枯葉に埋もれて横たわっていたところを、韓国軍に発見された。

治療した韓国の医師たちが、兵士の体内に大量の寄生虫を発見したことが17日に明らかになった。担当医は記者団に、「医者を20年やっているが、このような状態は見たことがない」と話した。兵士の腸から取り出した回虫の中には長さ27センチにもなるものもあったという。

兵士のこうした健康状態は、北朝鮮住民の生活ぶりをうかがわせるものだと受け止められた。

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北朝鮮兵が脱北 劇的な瞬間

兵士の身元は公表されていない。兵士は心的外傷を受けている状態だと病院関係者は話している。

聯合通信によると政府関係者は、「心理的に落ち着かせるため、病室には韓国国旗を掲げてある」と説明した。

韓国への脱北者は年間約1000人に上るが、非武装地帯(DMZ)を越えるケースは非常に少ない。特に、JSAはDMZで唯一、韓国と北朝鮮の両軍が直接向かい合っている場所で、観光名所でもあるだけに、これを越えようとする脱北者はきわめて珍しい。

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Image caption 双眼鏡で韓国側を観察する北朝鮮兵士(資料写真)

韓国政府によると、朝鮮戦争が1953年に休戦協定で終結して以来、3万人以上が北朝鮮から韓国へ脱北しているという。

その大半は、厳重に警備されているDMZ経由ではなく、北朝鮮と長距離の国境を接する中国経由で脱出する。中国は脱北者を難民ではなく不法移民とみなし、強制送還することが多い。

(英語記事 North Korea defector wakes after being shot crossing the DMZ

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