米FCC、ネット中立性の原則撤廃を決定

デイブ・リー北米テクノロジー担当記者

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ネット中立性って必要? 米FCC採決が持つ意味

米連邦通信委員会(FCC)は14日、通信会社などインターネット接続会社(ISP)にコンテンツの流通を平等に扱うよう義務付ける「ネット中立性」と呼ばれる原則の撤廃を決定した。

5人の委員による採決で、3対2で規制撤廃が支持された。

これによりISP各社は顧客ごとに通信速度を変えることが可能になる。一方で、ISPに対して情報公開が義務付けられる。

採決に先立ち、ワシントンのFCC建物前には規制撤廃に反対する人々が集まりデモを行った。多くの人は、オバマ前政権時に導入されたネット中立性の原則が取り除かれることで、インターネットの開放性や接続のしやすさが制限されると主張している。

ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は、FCC決定への訴訟を提起すると表明。シュナイダーマン長官は、パブリックコメント制度に不正があった可能性をFCCが調査しなかったと非難した。同長官は、FCCのウェブサイトに寄せられた意見には、すでに死亡しているニューヨーク州住民を含む最大200万人の名前が使われたと指摘した。

FCCのマイケル・オライリー委員は14日の公開会合でシュナイダーマン長官に反論し、職員らは提出意見の不正を特定し排除できたと語った。

時には辛辣な発言が出るなど激しい議論が展開された公開会合は、警報装置が発動したために委員らが約15分間にわたって部屋から避難する一幕もあった。

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Image caption パイ委員長が発言していた際に警報装置が発動した

アジット・パイFCC委員長は規制の撤廃が技術革新を促進し、過疎地の通信速度を上げるための設備投資をISPに促す効果があると主張した。

パイ委員長は、規制撤廃は「インターネットの自由を復活させる」ものだと述べている。

形式的には、今回の決定によってブロードバンドサービスが通信ではなく情報サービスに分類されることになる。

結果としてISP各社はFCCの直接の管轄下でなくなり、代わって連邦取引委員会(FTC)が、データの遮断や通信速度の制限、あるいは特定データの優先的な扱いの提示といった行為がきちんと情報公開されているかを監視する。

これに対し、米国の消費者にとってはISPの選択肢が限られているか選択肢が一つしかない場合が多いとの指摘がある。さらに、不正行為が起きた際の是正に何年もかかる可能性がある懸念もある。

民主党系のFCC委員、ミニョン・クライバーン氏は採決に先立ち、「法的に軽薄で、消費者に不利益をもたらし、企業を利し、インターネットの自由を破壊する指令に反対する」と語った。

一方で、共和党系のオライリー委員はネット中立性撤廃をめぐる懸念は、「通信オタクが子供たちに語る怖ろしいベッドタイムストーリーだ」と述べた。

(英語記事 Net neutrality rules weakened by US regulator

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