脱線の米高速鉄道 自動安全装置を装備せず

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米西部で高速鉄道脱線 現場の空撮映像

米ワシントン州で18日に高速鉄道が脱線し一部が高架下の道路に落下した事故で、列車には制限速度を自動的に守らせる装置の搭載が進められていたものの、作動可能な状態にはまだなっていなかったことが明らかになった。

高速鉄道は制限速度時速30マイル(約48キロ)のカーブに時速80マイル(130キロ)で突入していた。事故で3人が死亡した。

当局によると列車の非常ブレーキは機関士によってではなく自動的に作動したという。事故当時、研修中の車掌が運転士と一緒に運転室にいた。

米運輸安全委員会(NTSB)のベラ・ディン・ザー報道官は、列車が速度を出し過ぎた時に自動的に速度を落としたり停止させたりする安全システム「ポジティブ列車制御」(PTC)は事故を起こした列車では動作していなかったという。

同報道官は、「機関車はPTCを搭載する過程にあったが、まだ機能してしていなかった」と語った。

記者からの質問を受けたディン・ザー氏は、NTSBははるか以前から全米の鉄道各社がPTCを導入するように勧告していたと話した。

しかしディン・ザー氏は、米議会が関連法案の施行期限を2015年末から2018年末に延期していたと話した上で、延期は「残念なこと」だったと述べた。

全ての路線や車両にPTCを設置するにはは、220億ドル(約2.5兆円)以上かかるとされる。

ディン・ザー氏によると、捜査員たちは、列車の乗務員らがけがから回復すればすぐ、事故当時の状況について聞き取りを始める考えだという。

ディン・ザー氏は、機関士が機関室内で注意をそらすものがあったのかも調査対象に含まれると語った。「ほかのことに気を取られていたかどうかが、最優先で知りたいことの一つだ」。

Image caption 写真上にある車両が先頭車両。矢印は列車の進行方向。写真右下は列車の最後尾

事故で死亡した3人のうち2人は友人同士で、鉄道ファンだったという。

亡くなった鉄道愛好家のザック・ウィロイットさん(35)が勤める会社、ピアース・トランジットが身元を確認した。同社は、IT専門家だったウィロイットさんは、「当社で重要な役割を担っていた」と述べた。

鉄道を推進するロビー団体、全米鉄道乗客協会(NARP)は、役員のジム・ハムリー氏が事故で死亡したと確認した。

Image caption 事故が起きた場所(緑の印)

(英語記事 Derailed US train lacked automatic safety system

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