トランプ氏 「自分は人種差別主義ではない」

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ドナルド・トランプ米大統領が中米やアフリカの国々を「shithole」(肥溜め、直訳は「くその穴」の意味の罵倒語)と呼んだとされ、国連やアフリカ連合をはじめ多方面から非難されている問題をめぐり、トランプ氏は14日夜、初めて問題に直接言及し、「僕は人種差別主義じゃない」と記者団に話した。

フロリダ州ウェストパームビーチのトランプ国際ゴルフクラブに滞在中のトランプ氏は、ホワイトハウス記者団に対して、「僕は人種差別主義じゃない。僕ほど人種差別主義じゃない人間を、君たちが取材することなどない」と述べた。

自分の発言のせいで移民政策に関する与野党合意が困難になったのではないかと記者に質問されると、トランプ氏は、「いろいろな上院議員が僕のコメントについて何て言ったか見たか? (自分は報道内容を)言ってない」と答えた。

トランプ氏が問題発言をしたとされるのは11日。米紙ワシントン・ポストは、大統領がホワイトハウスで超党派の移民政策を上院議員たちと協議した際に、ハイチやエルサルバドル、アフリカ諸国からの移民について、「肥溜めみたいな国からなんであんなにやってくるんだ」と発言したという(訳注:「肥溜め」の原文は「shithole」で、直訳すれば「くその穴」。英語圏では公の場での使用はマナー違反とされ、複数の米紙やテレビ局が本件で初めて報道で使用した)。

報道によると、会議で民主党のリチャード・ダービン上院議員(イリノイ州選出)が自然災害や戦争、伝染病の流行に直面する国の市民に一時的な居住資格を与える制度について説明し、その多くはエルサルバドルやハイチ、ホンジュラスの出身者だと話すと、トランプ氏は「ハイチ人? これ以上ハイチ人がいるのか?」と反応した。さらに、自然災害や戦争や伝染病の被害を受けている国々より、ノルウェーのような国から移民を受け入れるべきだと話したという。10日には、ノルウェーのエルナ・ソルベルグ首相がホワイトハウスを訪問している。

大統領は12日朝、会議で自分は「厳しい」言葉を使ったが、非難されている単語は使っていないとツイートした。

さらにトランプ氏は、ハイチが貧しく問題の多い国だとは言ったものの、ハイチ人を侮辱したことはなく、ハイチ人を「追い出せ」などと言ったこともない、いずれも民主党による作り事だとツイートした

しかしダービン上院議員は、確かにトランプ氏が「憎悪に満ちた、下劣で人種差別的な」表現を何度も繰り返したと、複数の報道機関に対して言明した。

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トランプ氏は「人種差別的な発言を確かにした」 民主党議員

他方で、会議に出席していたキルステン・ニールセン国土安全保障長官や複数の共和党議員は、トランプ氏が「shithole」と言った記憶はないと発言している。

しかし同席していた共和党重鎮のリンジー・グレアム上院議員は、問題発言を否定せず、「大統領の発言を受けて、私は自分の意見を本人に直接伝えた。大統領と会議出席者全員は、私が何を言い、どう思ったか承知している」と声明を発表した。

共和党幹部のポール・ライアン下院議長は、トランプ氏の発言は「非常に不幸」で「助けにならない」ものだと述べた。

「人種差別としか言いようがない」

アフリカ連合は12日、トランプ氏による「明らかに人種差別」な発言に対して「ショックと落胆と激怒」を表明し、謝罪を要求した。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のルーパート・コルビル報道官はジュネーブで記者会見し、「人種差別としか言いようがない。国や大陸をひとくくりに『肥溜め』と一蹴するなど、許されない」と強い調子で非難した。

全米黒人地位向上協会(NAACP)は、大統領が「人種差別と外国人嫌悪の穴に、どんどん深く」落ちていっていると批判した。

複数の民主党議員はトランプ氏を人種差別主義と非難し、今月30日に予定される大統領の一般教書演説をボイコットする方針を示している。

(英語記事 Donald Trump denies being a racist after 'shithole' row

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