仏女優ドヌーブ氏、性的暴行の被害者に謝罪

French actress Catherine Deneuve in May 2015 Image copyright AFP
Image caption 仏女優カトリーヌ・ドヌーブ氏

男性が女性を口説く行為まで性的暴行のように扱うべきではないと主張する公開書簡に名を連ねた仏女優カトリーヌ・ドヌーブ氏が14日、 「おぞましい行為」の被害者が自分たちの書簡を不快に思ったなら謝罪すると表明した。新たな書簡を仏紙リベラシオンのサイトに掲載した。

ドヌーブ氏はリベラシオンに寄稿した書簡で、「ル・モンドに掲載された書簡に襲われたかのように感じたかもしれない、おぞましい行為の被害者全員に連帯のエールを送ります。私の謝罪は、その人たちに、その人たちだけに向けたものです」と書いた。

ドヌーブ氏は、9日付の仏紙ル・モンドに掲載された公開書簡は「性的加害行動について何一つ、良いなどと書いていない。でなければ署名などしなかった」と説明している。

ドヌーブ氏を含むフランスの女性100人は9日の書簡で、昨年秋に米ハリウッドの大物プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏による性的暴行疑惑が表面化して以来、性的暴行や嫌がらせの糾弾が相次いでいることについて、「男性が女性を口説いて誘う」ことは犯罪ではないと書き、「清教徒的」な潔癖主義に懸念を示した。

ワインスティーン氏は、自分の振舞いが「大勢に苦痛を与えた」ことは認めながら、同意のない性行為は一切なかったと主張している。

ドヌーブ氏のほかに作家や編集者、記者、女優、学識研究者などを含むフランス人女性100人は、一部の男性による権力の乱用を指摘するのは正当で必要なことだが、ひっきりなしに続く糾弾の波は、収拾がつかなくなっていると指摘。このせいで、まるで女性が無力で、慢性的な被害者であるかのような雰囲気、女性をそのように見る風潮が生まれていると書いた

「私たちは、今のこのフェミニズムの動きに、女性としての自分を見いだせない。権力乱用を非難する以上に、男性や性的なものを憎悪する動きになってしまっているので」と、書簡の女性たちは、ハリウッドを中心とした動きに距離を置いた。

しかし、女性100人の書簡については、性的暴力の深刻さを矮小(わいしょう)化するものだという反論も上がっていた。10日にはフランスのフェミニスト約30人が、ドヌーブ氏をはじめとする100人を非難する声明を発表し、表面化したワインスティーン氏の疑惑に「ふたをしようと」して、性的暴力の被害者を「見下す」ものだと批判した。

ソーシャルメディアでも、ドヌーブ氏らの書簡に怒ったり悲しんだりする投稿が相次いだ。フランス語で投稿した利用者の1人は、女性は「合意できなかった」と指摘し、この問題で女性が一致団結できなかったのは残念だと書いた。

しかし、ドヌーブ氏らの書簡に対する反発は、フランスでは新聞でもツイッターでも大きな話題にはなっていない。性的暴力の常習者を名指しすることの是非について、フランスでは数カ月前から賛否両論が続いている。

フランスでの議論は特に、世代間の不一致につながっている。性暴力被害を「#MeToo(私も)」と名乗りを上げたり、被害者に連帯するなどの運動について、年長者の世代は1960年代にやっと獲得した性の解放の成果を台無しにするものだと懸念している。それに対して若い世代は、性的暴力への戦いは女性の権利を求める戦いの同一線上にある、最新の局面だと位置付けている。

74歳のドヌーブ氏は、活動家として知られているわけではないが、昨年にも、性的加害行動を理由に男性を名指して糾弾するソーシャルメディアでの運動について、当事者の男性を辱めるのが目的になっていると否定的な発言をしていた。

(英語記事 Catherine Deneuve apologises to sex assault victims

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