トランプ米政権、不法移民の市民権獲得を提案 国境壁建設と引き換え

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米ホワイトハウスは25日、不法移民180万人に市民権獲得の道を開く移民制度改革案を提示した。これと引き換えにメキシコとの国境の壁建設に必要な予算措置を求めている。

野党・民主党との折衝に先立ち、スティーブン・ミラー大統領補佐官(政策担当)が共和党議会スタッフとの電話会議で、来週29日に発表予定の改革案概要を説明。国境の壁建設の予算として250億ドル(約2兆7400億円)を求めている。

しかし、民主党の上院トップ、チャック・シューマー院内総務は今週、国境の壁への予算配分に反対すると表明している。

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計画の概要

米メディアによると、ミラー大統領補佐官は議会スタッフとの電話会議で、「大幅な譲歩をした」と語ったという。政権案では、不法移民180万人が10~12年の期間を経て市民権を得る制度が示されている。

これには、「ドリーマー」と呼ばれる幼少時に米国につれてこられた若い不法移民70万人が含まれる。現在は、オバマ前政権時に導入された制度「DACA」によって滞在許可を得ている。

今回の案では、DACA適用を申請していなかったものの、申請資格のある110万人が対象に加えられている。

政府案はさらに、トランプ大統領がしばしば批判してきた2つの仕組みを終わらせようとしている。一つは、いわゆる「芋づる式移民」で、在米市民が家族として滞在ビザ(査証)を申請できるのは配偶者と子供のみとし、そのほかの親族は認めない。二つ目は、世界中から毎年5万人に永住権(グリーンカード)をくじ引きで与える制度だ。

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DACAはなぜ重要なのか

トランプ大統領は昨年9月にDACA制度の廃止を決め、議会に対し今年3月までに新たな制度を決めるよう求めた。これまで超党派の提案がされているいるものの、トランプ氏は受け入れていない。

先週末から週明けにかけ、連邦政府のつなぎ予算への賛成と引き換えに、DACA対象者の保護を確実にする方策を求める民主党と共和党との交渉がまとまらず、一部の政府機関が一時閉鎖される事態も起きた。

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トランプ大統領は24日、DACA対象者保護を含む移民制度改革で合意できるとの見通しを示し、ドリーマーたちが熱心に働き「すばらしいことをする」「インセンティブ(報奨)」になると付け加えた。

トランプ氏は、民主党にとっての優先項目で譲歩する引き換えに、同氏が選挙戦で主要な公約の一つとしてきた国境の壁建設を支持するよう求める考えを明確にしてきた。

しかし、上院民主党のシューマー院内総務は今週、トランプ大統領との協議で提示していた壁建設のための予算措置を撤回すると表明した。

各方面の反応

移民政策で最も保守的な姿勢のトム・コットン上院議員(共和、アーカンソー州選出)は、トランプ政権の制度改革案を歓迎し、文書で「大統領が示した枠組みは、寛容で人道的であると同時に責任ある内容だ」とコメントした。

しかし、DACA維持を訴えてきた若い移民たちの活動グループ「ユナイテッド・ウィー・ドリームは、トランプ政権案への反対を表明し、「この提案がどういうものなのか、そのまま言えば、白人至上主義者による身代金要求の脅迫状だ」とのコメントを発表した。

同グループはさらに、「私たちの親を囚人にし、避難先を求める人々を拒否する口実に、私たちの恐怖や苦痛、そして私たちの生活を利用されてはならない。この国の道徳的な基盤を引き裂くために、私たちが利用されてはならない」と呼びかけた。

(英語記事 Trump plan to offer citizenship to 1.8m undocumented immigrants

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