北朝鮮、韓国大統領を平壌に招待 南北首脳会談呼びかけ

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金正恩氏の実妹、与正氏(手前)と握手する韓国の文在寅大統領(中央)と、北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長(右)
北朝鮮の最高指導者、金正恩・朝鮮労働党委員長が韓国の文在寅大統領を平壌に招き、南北首脳会談の実施を呼びかけた。正恩氏の妹、金与正氏が、正恩氏の手書きの親書を文大統領に渡したという。韓国大統領府が10日、発表した。
韓国大統領府ではこの日、平昌五輪の開会式に合わせて訪韓した北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長や、与正氏ら北朝鮮代表団が文氏と会談した。
文大統領と金正恩氏の会談が実現すれば、2007年10月以来の南北首脳会談となる。
文大統領は、南北首脳会談を「実現させるべき」と述べ、北朝鮮に米国との交渉を再開するよう促した。
党序列第2位の金永南氏や、金与正氏を含む北朝鮮側は、朝鮮戦争以降の訪韓代表団として最も高位。両国の代表たちはキムチやソジュ(焼酎)を共にしながら、約3時間にわたり会談したという。
韓国大統領府によると、与正氏は文大統領に、「できるだけ早い時期」の訪朝を促した。
冬季五輪を機に北朝鮮が融和姿勢を重ねて示していることについて、米トランプ政権は強い警戒感を示している。
前日のレセプションや開会式で、マイク・ペンス米副大統領は北朝鮮代表団と言葉を交わすのを避けた。また、韓国と北朝鮮の選手たちが統一旗を掲げて「コリア」として合同入場した際、ペンス氏は座ったままだった。
文大統領は昨年5月、北朝鮮への融和路線を掲げて当選した。ただし、実際に対話を再開し、首脳会談を実施するようなことになれば、主要同盟国・米国の不興を買うことは必至で、大統領は難しい立場に立たされている。
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開会式ではペンス米副大統領(手前)と金永南氏(奥左)、金与正氏(奥右)は互いの近くに座っていた