トランプ米大統領、銃改造部品「バンプストック」の禁止を指示

トランプ大統領(20日、ホワイトハウス) Image copyright EPA

ドナルド・トランプ米大統領は20日、昨年10月にラスベガスで起きた銃乱射事件で使われた銃の改造部品「バンプストック」の禁止に向けた措置を司法省に指示した。バンプストックは、半自動小銃の連射性能を自動小銃並みに上げるためのもの。

トランプ大統領は、バンプストックを「かなり早期に」違法化するために、新たなガイドラインをまとめるようジェフ・セッションズ司法長官に指示したと明らかにし、学校の安全確保は政権の「最優先事項」だと語った。

今月14日にフロリダ州の高校で起きた銃乱射事件で17人が死亡したのを受け、銃規制をめぐる議論が再燃している。乱射事件が起きた高校の生徒や親たちは21日に、州都タラハシーでデモを行う予定。

ホワイトハウスでは20日、警察官の勇気ある行動を表彰する行事が開かれた。出席したトランプ大統領はそこで、セッションズ長官への指示を明らかにした上で、「銃乱射の翌日に私が言ったように、努力するにあたって大事なのは、変化をもたらしているという気分になるだけでなく、実際に変化もたらすものでないと駄目だということだ」と述べた。

「決まり文句や代わり映えしない議論をやめて、実際に効果があり、警察官たちが我々の子供や我々の安全を守りやすくなるような、証拠に基づいた解決法や安全措置に焦点を当てなくてはならない」

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Image caption バンプストックは半自動式銃の連射性能を上げて自動式銃に変える

「バンプストック」とは?

半自動式の銃にバンプストックを装着することで、複数の弾を一度に連射できる自動式の銃に変えることができる。

犯罪歴の確認は不要で、100ドル(約1万1000円)程度で購入できる。

昨年10月のラスベガス乱射事件で使われた際には、58人が死亡し、500人以上が負傷した。単独犯による銃乱射事件としては、米史上最悪の事件とされる。

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1分1200発連射 米一般市民が使える銃の威力

スティーブン・パドック容疑者がホテルの部屋から、カントリー音楽の音楽祭会場に向けて銃を乱射した当時の音声記録の分析では、10秒の間で90発を発砲できる状態だったことが明らかになった。

連邦議会は禁止しようとしたはずが

ラスベガスでの事件に全米が震撼するなか、民主、共和両党はバンプストック禁止で一致していた。

しかし、バンプストックやトリガークランクなど、半自動式の銃の連射能力を上げる装置を禁止する法案が提出されたものの、審議は進んでいない。

アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF)は昨年12月、バンプストック規制の検討を開始しており、3万5000件以上に上るパブリックコメントが寄せられている。

州レベルでは、サウスカロライナ、イリノイ、ワシントン、コロラドなど各州でバンプストックの禁止が議論されたものの、結果はまちまちだ。

連邦議会でも、銃乱射事件が起きるたびに銃規制に向けた動きがあったが、議論は前に進まなかった。

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米NRAの政治力 乱射事件が相次いでも規制進まず

トランプ氏がバンプストック以外の規制を検討する可能性

トランプ政権は20日、フロリダ州の高校で起きた銃乱射事件で使われた、半自動式のアサルトライフル銃「AR15」に年齢制限を連邦レベルで設ける案を支持する可能性を示唆した。

サラ・サンダース大統領報道官は、AR15の年齢制限について質問され、「確かに議論を待つ状態にあると思う。今後数週間で俎上(そじょう)に乗ってくるだろう」と答えた。多くの州は、18歳以上ならAR15の購入を認めている。

トランプ大統領は19日に、銃購入時の身元確認手続きを改善する超党派の法案への支持を明らかにしている。

法案は、FBIの身元確認システムの抜け穴をふさごうとするもの。同システムは昨年、2500万件以上の申請を処理した。

フロリダの事件ではニコラス・クルーズ容疑者(19)が、精神医療機関での治療歴があるにもかかわらず銃が購入できたと分かり、FBIデータベースが抱える問題が浮き彫りになった。この事件ではバンプストックは使用されていない。

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犠牲者が増える一方の米銃乱射事件 最近の共通点

(英語記事 Trump pushes for ban on gun 'bump stocks'

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