「地上の地獄だ」 国連事務総長、東グータ戦闘中止求める

空爆を受ける東グータ地区(20日) Image copyright AFP
Image caption 空爆を受ける東グータ地区(20日)

国連のアントニオ・グテレス事務総長は21日、シリアの首都ダマスカスに近い東グータで続く戦闘について、状況は「地上の地獄」に等しいとして、戦闘の即時停止を求めた。

同日開かれた国連安全保障理事会でグテレス事務総長は、「東グータには一刻の猶予も許されない」とし、「我々の目前で展開しているのは人類の悲劇だ。このような恐ろしい形で起きていることを、放置できないと思う」と語った。

グテレス事務総長は、戦闘が終われば、手当てが必要な大勢を退去させ、人道支援を届けることができると述べた。

ロシア空軍の支援を背景に、シリア政権軍は最近、東グータ地域に激しい空爆を実施している。東グータは反体制派にとって、ダマスカス近郊に唯一残っている主要な拠点となっている。

シリア軍は、政権がテロリストと呼ぶ勢力から同地域を解放しようとしていると主張しているが、民間人が標的にされているとの指摘も出ている。

Image caption 今月19日時点でのダマスカスおよび近郊の各勢力の支配地域。緑が政権、紫が反体制派、オレンジが「イスラム国」(IHSコンフリクトモニター調べ)

国連のザイド・ラード・アル・フセイン国連人権高等弁務官は文書で、「この途方もない全滅作戦を終わらせるため、国際社会が足並みをそろえて断固とした行動をとるのに(中略)いったいどれだけの残虐行為がいるのか」と述べた。

しかし、シリア政権を後押しするロシアは、21日の和平交渉の試みは失敗したと述べた。ロシア政府は東グータ情勢を協議するために安保理を緊急に開くよう求めていた。

東グータの状況

ロシアの支援を受けた政権軍は、18日から東グータへの攻撃を激化させた。

同地域で活動するバサム医師は21日、状況は「壊滅的」だと語り、国際社会は東グータの住民を見放したと思うとBBCに対して述べた。

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Image caption 空爆下にあるドーマの町に設置された臨時の病院で(20日)

「彼ら(政権軍)はあらゆるものを標的にしている。商店、市場、病院、学校、モスク(イスラム教の礼拝所)、すべてだ」

「毎分くらいで、10回か20回の空爆がある。(中略)誰かを手当てすると、1、2日して、また負傷して戻ってくる」

「国際社会はどこにいったんだ? (中略)彼らは私たちを見捨てた。我々は見殺しにされている」

増える犠牲者数

国連は、主に空爆によって少なくとも346人が死亡し、878人が負傷したと述べたが、正確な数字を確認するのは困難だとしている。

国連は文書で、「これらの数字は、東グータの混乱と破壊のさなかに、国連人権高等弁務官事務所が集計することができたもののみで、包括的な数字とは到底言えない」と述べた。

活動家の団体は、死傷者についてさまざまな推計を出している。

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東グータで医療施設を運営する英慈善団体「シリア医療救援組織連合(UOSSM)」職員の安全確保を担当する幹部はBBCに対し、21日だけで45人が死亡し、250人が負傷したと語った。

英国に拠点を置くシリア人権監視団は、18日以降の死者数を296人とした。同団体によると、政権軍が21日にジスリーンとクファルバトナの2つの町で行った空爆では、爆発物と金属片が詰め込まれた樽(たる)爆弾が使用された。

前日には、東グータ内の少なくとも10の町や村が空爆されている。

人道支援物資は到達しているのか

シリア政権は昨年11月末以来、人道支援の車列が東グータに入るのを1度許しただけで、食糧難は深刻な状況になっている。

(英語記事 Syria war: UN plea to end 'hell on earth' Eastern Ghouta crisis

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