銃規制派は高校乱射事件を「利用」=全米ライフル協会会長

NRAのラピエール会長は、銃を取り上げ個人の自由を制限しようとする「社会主義の波」が米国を襲っていると警告した Image copyright Getty Images
Image caption NRAのラピエール会長は、銃を取り上げ個人の自由を制限しようとする「社会主義の波」が米国を襲っていると警告した

今月14日に米フロリダ州の高校で17人が死亡した銃乱射事件を受けた銃規制の議論をめぐり、規制強化に反対してきた全米ライフル協会(NRA)のウェイン・ラピエール会長は22日、民主党やメディアが乱射事件を自分たちの目的に「利用」していると批判した。

ワシントン近郊で同日開かれた保守政治活動会議(CPAC)で演説したラピエール会長は、銃乱射事件の悲劇という「機会に乗じて」、銃規制の拡大や米国民の銃保有権撤廃を進めようとする者がいると述べた。

ラピエール会長は、「いつものように機会に乗じようとする者たちが、政治利用のために悲劇に飛びついた」と述べ、「彼らはNRAを憎んでいる。憲法修正第2条を憎んでいる。個人の自由を憎んでいる」と語った。米国憲法修正第2条は、国民の「武器を保有し携行する権利」を保障している。

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乱射事件後にNRA会長が非難した7つのこと

一方で14日の事件当時、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校には武器を携帯した学校専従の警官がいたものの、銃乱射が起きている建物の中に入り犯行を阻止しようとしなかったことが明らかになった。

地元ブラワード郡のスコット・イスラエル保安官は、同高校の警備担当警官、スコット・ピーターソン氏が職務停止処分を受けた後に辞職したと発表した。

米紙マイアミ・ヘラルドはイスラエル保安官が、「非常に衝撃を受けている。胸がむかつくほどに。彼(ピーターソン氏)は一度も中に入らなかった」と語ったと報じた。

フロリダ州の事件から1週間以上経過したなかで、ラピエール会長の発言はNRAトップが公の場で初めて示した事件への反応だった。

ラピエール会長は、連邦捜査局(FBI)が元生徒の容疑者が攻撃を実行するかもしれないという情報提供に対応しなかったと、強く非難した。

ラピエール会長はさらに、「欧州的な社会主義者たち」が銃規制を訴えていると批判。会長は、「法律が有効かどうかを彼らは気にしない。法律を増やして、人々をもっと支配したいだけだ。NRAは違う。NRAにとっては重要なことだ」と述べた。

乱射事件を生き延びた生徒たちは銃規制強化を訴えており、ハッシュタグ「#NeverAgain(もう二度と起こさない)」を使った全米規模の活動が始まっている。

民主党の上院トップ、チャック・シューマー院内総務はツイッターで、「NRAは再び、責任を銃以外のすべてに押し付けるという、お粗末で非現実的な考えを主張している。過去には、恐ろしい銃乱射や同情の言葉の後も、トランプ大統領や共和党議員たちはNRAの言うなりになっていた」とコメントした。

ラピエール会長は、民主党がNRAのイメージ失墜を狙っていると非難した。

同会長は、学校の教師を武装させる案をあらためて支持し、米国内の学校の安全確保にNRAが無料で協力すると語った。

「我々の間に悪は紛れ込んでいる。学校の守りを固めず、子供たちを守らないなど、そんなことにならないように」

しかし、組合員170万人を擁する全米教職員組合のランディ・ワインガーテン委員長は、ラピエール会長の意見に反対している。

ワインガーテン委員長は、「学校に銃を持ち込むべきだという人は、校内で何が起きているのかまったく理解していないか、どうでもいいと思っているのだ」と語った。

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米NRAの政治力 乱射事件が相次いでも規制進まず

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トランプ大統領の発言

ドナルド・トランプ大統領は、21日にホワイトハウスでマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の事件の生存者などと面会し、学校を守る方策として教師の武装を提案した。

大統領はさらに、22日に州や地域の当局者たちと学校の安全確保について協議した際も、その主張をいっそう強め、「学校にいる人の20%が銃を持っていれば、銃撃犯は入ってこない」と述べた。

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【フロリダ高校乱射】 なぜ戦争の武器が簡単に買える 生徒が大統領に

トランプ氏はさらに、「銃を携帯する人にはボーナスを出すのがいいだろう。ちょっとしたボーナスを出すんだ」と語った。

トランプ大統領はまた、銃携帯が許される年齢を18歳から21歳に引き上げることを支持すると述べ、NRAも同意するはずだと力説した。

ツイッターにコメントを投稿したトランプ氏は、「多くの人が分かっていない、あるいは分かろうとしないのは、ウェイン(・ラピエール会長)やクリス(・コックス氏)をはじめ、NRAで一生懸命働いている人々は素晴らしい人たちで、偉大な愛国者だということだ。我々の国を愛していて、正しいことをしようとしている。アメリカを再び偉大にしよう!」と述べた。(注:太字部分は原文で大文字を使って強調)

NRAについてトランプ氏は、「彼らに反対しようと思わない。いい人たちだから」と語った。

トランプ氏はツイッターでさらに、精神疾患のある人の身元確認を全米レベルで行う制度を推進する考えを述べ、ラピエール会長もその後、トランプ氏に同調する発言をした。

トランプ氏は、「責任能力がない、あるいは社会への脅威と判断された者は全員、銃を入手できないようにすべきだ」と述べた。

(英語記事 NRA head: Gun control advocates 'exploiting' Florida tragedy

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