英中部レスターで爆発・店舗崩壊 複数の死者

レスター消防署は、建物が平たく押しつぶされる「パンケーキ崩壊」が起きたと述べた
英中部レスターシャー州レスターのヒンクリー・ロードで25日夜、爆発が起き店舗や住宅が入った建物が崩壊した。警察によると4人の死亡が確認された。
爆発は現地時間午後7時前後(日本時間26日午前4時)に起きた。爆発の一報を受け、地元警察は「重大事態」を宣言した。
警察によると、4人が依然として病院で手当てを受けており、うち1人は重傷だという。
シェーン・オニール警視は、行方不明者がまだいる可能性があり、救助活動を続けていると述べた。同警視はまた、爆発とテロとの関連性は現時点で指摘されていないと語った。
爆発が起きた建物は、地階が店舗で、2階と3階が住宅になっていた。
カーライル通りとヒンクリー・ロードの一部が封鎖され、地元住民に対しては、対象地区の通行を避けるよう勧告が出ている。多くの住宅が停電した。
爆発があった店舗の反対側に住むエンジェル・ナマーラさんはBBCに対し、「地震みたいに、大きな『ドスン』という音がした」と話した。
「建物は崩落して、周りの人たちがレンガを取り除いてできる限り助けようとしていた。でも炎がどんどん大きくなったので、現場から離れるように言われていた」
画像提供, Matthew Cane / Leicestershire Fire and Rescue
ヒンクリー・ロードにまき散らされたがれきの中の捜索が行われた
レスターシャー警察は「レスターシャー消防署との合同捜査を行っており、爆発の原因が捜査の焦点となる」と述べた。
現場には消防車6台が出動した。消防署の広報担当者は消防士たちが「捜索救助」作戦に従事したとした。
またこの建物がロフトを加えた2階建てで、「連鎖して」崩落したと加えた。
警察は近隣の建物も爆発の影響で被害を受けたと述べた
BBCのジョン・アレクサンダー記者によると、約60軒の家が建つ現場の周囲が立ち入り禁止になった。
アレクサンダー記者は、「爆発が起きた場所から80ヤード(約70メートル)の場所に住んでいる」と語った。「地震のような揺れを感じて、非常に低音の『ブーン』という音が聞こえた。極めて高速で圧力が放出されたような音だった」。
「家の下敷きになるかと思った。お隣さんたちも皆同じことを言っていた」
画像提供, Matthew Cane / Leicestershire Fire and Rescue
消防隊は「厳しい状況のなか」対応していると語った
リシュ・パットニーさんは爆発が起きた際に6軒先のピザ店にいた。
「こんな経験は今までにない。車載の低音スピーカーから出るような大きな音で、振動もあった。低音の大きさはすさまじく、車の窓が割れてしまった程だ」とパットニーさんはいう。
「上の階のあたりで炎が上がったので、住宅になっている上の階で何かが起こったのだと思った」
「床板や木材が地面に散らばっているのを見て私がすぐさま心配したのは、店舗の中に人が閉じ込められているのではないかということだ」
レスターシャー警察は、「午後7時19分、レスターのヒンクリー・ロードで重大な事態が発生した。すべての救急サービスが対応に当たっている。カーライル通りとヒンクリー・ロードの一部は封鎖中だ。当該地域の通行は避けてほしい」とツイートした。
東ミッドランド救急サービスによると、西ミッドランドとヨークシャーの隊員はレスターでの爆発事故に対応しながら、地域の境界近くの他の緊急通報に対応していたという。
画像提供, PA / Aaron Chown
救急隊は「捜索と救助」が続けられていると述べた
現場から――キャロライン・ローブリッジBBC記者
ヒンクリー・ロードを見渡すと、非常線の先にはかつて店舗が建っていた場所の隙間から煙が上がっている。
爆発の威力はかなりあったので、ガラスやがれきが2車線の道路の両方向、計4車線にわたって散らばっている。
爆発から数時間経っているが、周囲の空気はいまだに濃い煙に包まれている。
少し前まで数十人の見物人が集まっていたが、多くの人は煙を吸い込まないように、マフラーを口に当てたり、上着で口を覆ったりしていた。
目撃者によると、破壊された店舗の上は住宅になっており、負傷者の内の少なくとも1人は入居者だった可能性があるという。