米空母カールビンソン、ベトナム・ダナンに寄港 戦争終結後初

マニラ湾に寄港していたカールビンソンはダナンに向かって出航した(先月17日) Image copyright EPA
Image caption マニラ湾に寄港していたカールビンソンはダナンに向かって出航した(先月17日)

米海軍の原子力空母カールビンソンが5日、ベトナムに寄港した。1975年にベトナム戦争が終結して以来、最大の米艦船による寄港となった。

カールビンソンが寄港したのは、港湾都市のダナン。ベトナム戦争時には、米軍が最初に上陸した場所で、非常に象徴的な場所となっている。

カールビンソンの寄港は、両国の軍事的結びつきの強まりを示す狙いがある。

しかし、専門家らは、ベトナムが中国と南シナ海で領有権をめぐって対立するなか、米空母の寄港が中国に対する何らかのメッセージを送る行為になるのは避けられないと指摘した。

中国ではこの日、全国人民代表大会(全人代)が開幕し、2018年の国防予算が前年比8%増の1.11兆元(約18兆5000億円)となったことが発表されている。

ダナンで取材するBBCのジョナサン・ヘッド記者は、米軍とベトナム軍の協力関係は依然として限定的で、ベトナムは寄港の意味合いがどう受け止められるか、慎重に対応する必要があると語った。

中国は今や、地域の実質的な超大国で、ベトナムにとっても最も重要な貿易相手国。このためベトナム共産党の指導部は、中国との関係を荒立てるようなことを慎重に避けようとしていると、ヘッド記者は指摘した。

中国は南シナ海のほぼ全域の領有権を主張しているが、他国が領有権を主張する岩礁や島も含まれている。ベトナムは、西沙(英語名パラセル)諸島や、南沙(同スプラトリー)諸島への領有権を主張し、中国と対立している。

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Image caption カールビンソンはいわゆる「ニミッツ級」の原子力空母で、何千人もの兵士が勤務する

米国は、南シナ海をめぐる対立で一方を支持しない姿勢を常に示してきたが、米海軍は繰り返し、いわゆる「航行の自由作戦」を同海域で実施しており、中国の領土主張に明確に挑戦する行動をとっている。

カールビンソンは数十年に及ぶ就役で、同海域や周辺を多数回訪れており、最近も通過したことが確認されている。

ダナンはベトナム戦争時、米軍の主要な基地だった。最大90機が搭載可能なカールビンソンは、ベトナム戦争が終結し南北が統一された1975年以降で、米軍として最も大規模なベトナム訪問となる。

長年戦われ多数の犠牲を出したベトナム戦争は、ベトナムでは「米国戦争」と呼ばれている。ベトナム政府は、共産党の兵士と市民の両方で何百万人もの人々が命を落としたと推計しているが、米軍の死者・行方不明者は5万8000人強だった。

(英語記事 US aircraft carrier Carl Vinson in historic Vietnam visit

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