中国、南北首脳会談を慎重ながらも「応援」

鄭義溶氏(写真左)と徐薫氏(同中央)は金正恩氏との会談後、米国に向かっている Image copyright EPA
Image caption 鄭義溶氏(写真左)と徐薫氏(同中央)は金正恩氏との会談後、米国に向かっている

中国外務省の耿爽・副報道局長は7日、朝鮮半島の緊張緩和に向け北朝鮮と韓国が首脳会談の開催で合意したことについて、「応援している」と述べた。

耿爽氏は、北朝鮮経済を支える最大の支援国である中国が、南北がお互いの「正当な安全保障上の懸念」を認めつつ、朝鮮半島を非核化する機会を無駄にしないよう期待していると述べた。

一方で外務省高官らは、最重要課題の核兵器で最終的な解決に至ると考えるには時期尚早だと指摘した。

韓国特使団は今週5日に平壌を訪れ、北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談。特使団は現在、米国に向かっており、会談の内容を伝える予定とみられている。

韓国政府は、米国が体制の安全を保証するなら、北朝鮮が核放棄の意向を示したと説明。核開発は過去数十年にわたり北朝鮮の政策の中心に位置付けられてきた。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の特使として訪朝した鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は記者団に対し、「我々はすべてをメディアに公表できないが、訪米時に米国に伝達する北朝鮮の追加的な見解は確かにある」と語った。

鄭氏と、情報機関の国家情報院の徐薫(ソ・フン)院長は、日本、ロシア、中国を訪問し、最新情報を共有する予定。

米国は、北朝鮮が核放棄に応じるならば、対話する準備があると表明している。米政府6日に、金正恩氏の異母兄、金正男氏が昨年2月にマレーシア・クアラルンプールで殺害された事件について、北朝鮮が猛毒のVXガスによる殺害を命じたものと結論し、追加制裁を導入すると発表している。

米国と北朝鮮は過去1年間、激しい調子でお互いを脅す言葉を繰り返してきた。北朝鮮はミサイルの発射実験を複数回行って攻撃能力の向上を誇示。米領グアム周辺に弾道ミサイルを打ち込む準備を進めているかのように見せたときもあった。

Image copyright EPA
Image caption 韓国特使団と金正恩氏との会談は友好的なものになったとみられている(5日、北朝鮮・平壌)

米国と北朝鮮は過去1年間、激しい調子でお互いを脅す言葉を繰り返してきた。北朝鮮はミサイルの発射実験を複数回行って攻撃能力の向上を誇示。米領グアム周辺に弾道ミサイルを打ち込む準備を進めているかのように見せたときもあった。

しかし、韓国・平昌で先月開かれた冬季五輪で北朝鮮は緊張緩和を進める姿勢を見せ、五輪は予想外の外交チャンスとなった。

韓国の文大統領と北朝鮮の金委員長は、軍事境界線がある板門店での会談を行い、北朝鮮による核・ミサイル実験の停止をめぐって協議することで合意した。

Image copyright EPA
Image caption 軍および核開発は何十年にもわたり、北朝鮮の国内・外交政策の中心にすえられてきた

中国の王毅外相は、南北会談は「正しい方向の第一歩」になるとし、米国と北朝鮮が「できるだけ早期に対話するよう」呼びかけた。

しかし、日本の安倍晋三首相は、北朝鮮の動機に疑念を表明し、北朝鮮は過去の外交努力を、密かに核・ミサイル開発を進める時間稼ぎに使ったと述べた。安倍首相は、「対話のための対話では意味がない」とし、対話に応じたからといって制裁を緩めようなことがあってはならないと語った。

日本政府は、「北朝鮮が完全かつ検証可能、不可逆的な方法で核・ミサイル計画を放棄することにコミットし、非核化に向けた具体的な行動を示すことが極めて重要」(菅義偉官房長官)と指摘している。

北朝鮮に核放棄を促す国際社会の努力で最近の例としては、南北と米国、中国、日本、ロシアが参加した、いわゆる6カ国協議がある。

北朝鮮は経済支援と制裁の緩和を条件に、核・ミサイル開発の中止に同意した。

しかし、開発中止を検証する方法をめぐって合意ができず、2008年に協議は決裂。2009年には北朝鮮が過去2回目となる核実験を行った。

(英語記事 North Korea talks: China cautiously 'cheering on' Koreas

この話題についてさらに読む