習近平氏、「終身」可能に 中国・全人代が憲法改正承認

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中国・北京で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)は11日、国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正を承認した。これにより、習近平氏が長期にわたって国家主席の座にとどまることが可能になる。

全人代での投票は共産党指導部の方針を追認する形式的なものとみられているが、総投票数2964票のうち、反対は2票、棄権は3票だった。

1990年代から国家主席の任期は2期までとなっていたが、2期目が2023年に終了する予定の習氏は、昨年10月の共産党大会で慣例となっていた後継者を示唆する人事を示さなかった。

一方で、習氏の名前と政治理念を党規約に盛り込むことが決められたことで、習氏は党創成期の指導者、毛沢東に肩を並べる権威を手に入れ、権力基盤固めをさらに進めた。

全人代は、形式上は他国の議会と同様、国権の最高機関だが、国外では追認機関だととらえられている。

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Image caption 憲法改正の承認を受けて拍手する習氏

珍しい反対

国家主席の任期撤廃をめぐっては賛否両論が存在する。

政府のインターネット検閲当局は、関連した検索や投稿をブロックしており、「くまのプーさん」の画像も検閲対象になっている。ソーシャルメディアでは、「くまのプーさん」が習氏を隠喩するものとして使われている。

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Image caption ソーシャルメディアのユーザーたちは、体制批判だと分からないよう「くまのプーさん」を習氏の隠喩として使った

共産主義青年団(共青団)の編集者だった李大同氏は、任期制限の撤廃を「茶番」だと批判する公開書簡を発表し、公の場ではあまり見られない体制批判を行った。

李大同氏は、全人代の一部の代表たちにあてた公開書簡で、国家主席と副主席の任期制限を撤廃すれば混乱の原因となると指摘。BBC中国語の取材に対し、「もう我慢できない。一緒に議論していた友人たちと私は憤慨している。我々は反対の声を上げなくてはならない」と語った。

しかし、国営メディアは制限撤廃を、長らく待たれた改革だと伝えている。

ドナルド・トランプ米大統領は先週5日、共和党献金者たちとの会合で、習氏の任期が撤廃されることについて、「終身大統領。(中略)素晴らしいと思うね。我々もいつか試してみなくちゃいけないかもしれない」と語ったと報じられ、一部のコメンテーターたちから批判を受けた。

10日に開かれた政治集会でトランプ氏は、5日の発言は冗談だったと話し、一部のメディアに偏った報道をされたと主張した。

全人代の議題

習氏が3期目を務める可能性以外にも、全人代が承認するとみられている議題は以下の通り。

  • 習氏が2期目に入るにあたっての、政府要職の人事
  • 強い権限を持った新たな反汚職機関の設置に関する法律
  • 「習氏の理念」を憲法に追加

「習氏の理念」は、昨年10月に党大会で承認されたもので、正式には、「習近平氏の新時代の中国の特色ある社会主義」と呼ばれる。

児童や学生、国営工場の従業員は、共産党が現代中国の新たな段階を示すとする政治理念を学ぶよう求められる。

習氏は2013年に国家主席に就任して以来、急速に権力を集中させる一方で、地域の超大国としての中国の立場を固めた。

習氏はさらに、反汚職の取り組みで党員100万人以上を処罰。一部で習氏の人気が高まる要因にもなった。

しかし同時に、市民生活に近年生まれた自由への締め付けも行い、当局による監視や検閲を強めた。習氏が汚職摘発を政敵を追いやる道具にした、との批判も出ている。

(英語記事 China's Xi allowed to remain 'president for life' as term limits removed

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