米朝首脳会談 北朝鮮からの「回答なし」=韓国政府

米朝首脳会談について、金委員長から具体的な発言は出ていない Image copyright KCNA
Image caption 米朝首脳会談について、金委員長から具体的な発言は出ていない

韓国は12日、ドナルド・トランプ米大統領が今月8日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による首脳会談の要請を受諾したことについて、北朝鮮側から回答がないことを明らかにした。トランプ大統領は会談場所や協議内容などの合意がないなかで会談の要請を受け入れており、アナリストの間ではこの会談の意義を疑問視する声も出ている。

韓国統一省の報道官は「北朝鮮政府から、米朝首脳会談に関する公式回答を得ていない」とコメント。「北朝鮮側はこの件について慎重な姿勢を示しており、立場をまとめるのに時間を要しているとみられる」と述べた。

5日に平壌を訪れ、金委員長と会談した韓国特使団は、金氏の親書をトランプ大統領に渡した。韓国側によると、金委員長はトランプ大統領との直接対話とともに、核・ミサイル実験の停止を提示したという。

中国と日本にも報告

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、北朝鮮との対話は「恒久的な平和」を迎えるための「貴重な機会」だと述べた。

トランプ大統領と会談した韓国特使団は現在、中国と日本を訪れており、米朝首脳会談に向けた報告を行っている。

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Image caption 北朝鮮はこれまで、平和外交より核による脅威を前面に押し出してきた

特使団の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は習近平国家主席と、国家情報院の徐薫(ソ・フン)院長は日本の安倍晋三首相とそれぞれ会談している。

中国は北朝鮮に対する経済支援を行っているとみられている一方、米国の同盟国の日本は、韓国と同様、北朝鮮の軍事的脅威に最もさらされている。

前例のない一歩

両国間の攻撃的な言葉のやり取りや軍事衝突へ発展する危険が1年以上続いた後の首脳会談の提案は、驚きをもって迎えられた。

北朝鮮はこれまで核実験を複数回行っており、核弾頭が搭載可能で米国に到達できると同国が主張する、長距離ミサイルも開発している。

現職の米大統領による北朝鮮の最高指導者との会談は過去に例がなく、両国の対話は前例のない一歩となる可能性がある。

しかし、会談の詳細は明らかになっていない。

Image caption 米朝首脳会談の場所は? 平壌やワシントンは双方が合意しないとみられる一方、韓国や中国での開催は、両国が影響力を高める可能性がある。最も公平性が保たれると考えられているのは、国家の管轄権が及ばない国際水域だ。

戦略国際問題研究所太平洋フォーラムのアンドレイ・アブラハミアン研究員は「北朝鮮は会談の提案が米国の政界にどのように受け取られるかを見守っている」と分析する。

「既にホワイトハウスが発しているメッセージには若干の混乱がみられるため、公式見解を発表するまでに基本的な原則を固めたい考えだと思われる」

北朝鮮の思惑は?

米朝首脳会談が実現した場合、トランプ大統領は5月末までに金委員長に会うこととなる。これに先駆け、韓国の文大統領も金委員長と会談を持つ予定。

これらの会談が北朝鮮の核放棄につながるのか、北朝鮮は国際社会による長年の経済制裁を止め、政治主義的な勝利を収めたいだけなのか、専門家の間でも意見が分かれている。

アブラハミアン氏は「短期目標は制裁の一部緩和だろう」と話す。

「多くの識者が、金正恩がこの会談をプロパガンダに使おうしていると懸念しているが、これを大きな問題と考えるべきではない。会談によって米国が北朝鮮の政治体制や人権に対する罪、兵器プログラムを認めるわけではない」

米中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ長官は11日、トランプ大統領は金委員長と会談することのリスクを理解しているとし、米政府に対し、北朝鮮との交渉に向け「大きく目を開くべき」と述べている。

トランプ大統領は10日の集会で支持者に対し、北朝鮮が「和平」を望んでいると信じていると語った一方、非核化で進展がない場合は会談を中止するかもしれないと話した。

米国での報道によると、トランプ大統領は政権内部の人々と相談することなく金委員長との会談を受諾した。ティラーソン国務長官はこれについて、会談の決定は「大統領本人が行ったこと」と認めている。

(英語報道 'No response' yet from N Korea on talks

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