【フロリダ高校乱射】事件から1カ月、高校生らが全米で大規模デモ行進

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「私たちは2020年に投票する」 銃規制求める生徒たち全米で抗議

全米各地の高校生と教職員が14日、2月14日に米フロリダ州の高校で起きた銃乱射事件からちょうど1カ月の節目に、学校の外に出る「ウォークアウト」大規模デモ行進に参加した。

デモ隊は行進中、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で亡くなった17人の犠牲者をしのび、17分のあいだ歩みを止めて黙とうをささげた。

逮捕された元生徒に狙われた高校生たちは、フットボール競技場で互いに抱き合った。

デモの主催者は、米連邦議会が銃による暴力への対策に失敗していることを非難している。

ホワイトハウスは今週、学校での銃乱射を抑止する対策案を公開したが、ドナルド・トランプ米大統領が繰り返し主張する、半自動小銃の購入可能年齢を(現行の18歳から)21歳に引き上げる案は含まれていなかった。

その代わり対策案では、学校の教職員が銃火器を扱えるよう訓練するという、物議を醸しているトランプ氏の提案が押し進められている。

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Image caption 友人の服にピンバッジをつける生徒(ニューヨーク市ブルックリン)
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Image caption 全国的な抗議行動の一環として、ワシントンの生徒たちはホワイトハウスの前に集まった
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Image caption 銃乱射事件の犠牲者に黙とうを捧げる人たち(ワシントン)

抗議行動はどう展開した

デモ行進は米東部時間の午前10時にはじまり、米西部にも広がっていった。

「もうたくさんだ 全国学校ウォークアウト」運動は、トランプ氏の大統領就任に抗議して2017年1月に行われたウィメンズ・マーチ(女性の行進)の主催者「ウィメンズ・ネットワーク」が、まとめたもの。で、今回は「生徒や教師、学校運営者、親、そして連帯する仲間」にデモへの参加を訴えた。

主催者たちはウェブサイトで、学校やその近隣住民を「苦しめる銃による暴力に対して、思いや祈りをツイートする以上のことを何もしない」米連邦議会を非難している。

デモ行進には、1999年に2人の生徒によって13人が撃たれて死亡した、コロラド州のコロンバイン高校の生徒たちも参加した。

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Image caption 「私は本当は遺言じゃなく大学受験レポートを書きてるべきなんだけど」というプラカードを掲げる参加者(ニューヨーク)
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Image caption ワシントン地域の生徒たちは連邦議会とホワイトハウスに向かって行進した
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Image caption マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒は、フットボール競技場に向かって歩いた

フロリダ州パークランドでは、家族や支援者たちが、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校のフットボール競技場に向かってゆっくりと歩く生徒たちを拍手で見送った。

同校のタイ・トンプソン校長は生徒たちに「みんなで大きなハグをしよう」と呼びかけた。

ワシントン地域の生徒たちは、「銃ではなく人を守れ」、「もう二度と」、「もうたくさんだ」などと書かれたプラカードを掲げ、読み上げたり叫んだりしながら、ホワイトハウス周辺を取り囲んだ。

連邦議会議事堂前に集まった生徒たちは、民主党のチャック・シューマー上院院内総務やナンシー・ペロシ下院院内総務に対面した。

「銃暴力防止のための行動を求める、皆さんの雄弁で果敢な要求に、私たち全員、感動しています」とペロシ氏は生徒たちに語った。

「あなたたちがその切迫感を、この戦いに、アメリカの玄関先に、米連邦議会の玄関先に持ち込んでくれたことに感謝します」

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Image caption シカゴ郊外の若者たちは、銃によって殺された地域の仲間をしのんだ

ニュージャージー州チェリーヒルの生徒たちは、パークランドの犠牲者を追悼し、ハートの形を作って並んだ。

ニューヨークでは、フィオレッロ・H・ラガーディア高校の生徒数百人が、ニューヨーク市マンハッタンの道路を行進した。「思いや祈りだけでは不十分だ」と書かれたプラカードもあった。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事も、マンハッタン南部ロウアー・マンハッタンの道路で行われた象徴的な「ダイ・イン」(抗議の意をこめて死者を模して横たわる行動)に加わった。

ニューヨーク市のニュースラジオ局「WCBS 880」のピーター・ハスケル記者はツイッターで「ロウアー・マンハッタンの学校を出てダイ・インをする学生たちに、クオモ知事が加わった。学生たちは銃による暴力や学校での銃乱射について『もうたくさんだ』と声を上げた」と伝えた。

14日は平日のため、授業の中断に反対する学校もあった。特に、テキサス州ニードビル学校区では、デモに参加した生徒が3日間の停学処分を受けた。

「参加生徒が1人だろうと、50人だろうと、500人だろうと関係なく、私たちは懲戒します」と、カーティス・ロード教育委員長は話した。

報道によるとニュージャージー州では、高校生のローザ・ロドリゲスさんが、学校の指示に反して校外に出たため、停学処分を受けたという。

ノースカロライナ州のジャスティン・ブラックマンさんは、学校の外に出た自分の動画を投稿した。この高校で抗議行動に参加したのはブラックマンさんだけだった様子で、「おお、文字通りたった1人だ」というコメント付きの本人のツイートは、日本時間15日正午までに4万回以上リツイートされた。

フロリダの事件を振り返る

バレンタインデーの2月14日に起きた事件は、米国で2012年以来もっとも多くの死者を出した学校銃乱射だった。

裁判資料によると、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の元生徒は学校敷地内に到着し、生徒と教職員に向けて銃を乱射。その後、武器を捨てて逃走したという。

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【フロリダ高校乱射】 「同じクラスの子が5人撃たれた」 2人の話

この事件で、生徒14人と教職員3人が死亡した。

検察は、計画的殺人罪17件と殺人未遂罪17件で死刑を求刑した。

当局の反応は

米下院は14日、賛成407、反対10で、教職員の訓練、匿名通報システム、脅威評価、有事介入チーム、学校と警察の連携などの確立を目的に、5000万ドル(約63億円)の連邦助成金を認める予算措置を可決した。この取り組みに銃規制は含まれない。

上院は銃購入者の身元調査を強化する別法案を検討する見通しだが、下院が可決したこの予算をいつ審議するかは不透明だ。

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Image caption 米下院の民主党トップ、ナンシー・ペロシ氏(中央)が連邦議会の前で生徒たちに語りかけた

下院予算案は、学校の教職員を武装させるという、ホワイトハウスが支持する提案のために連邦助成金を使うことは認めていない。

トランプ大統領は14日昼、下院予算案を支持するとツイートした。

トランプ氏はツイッターで「下院は今日、学校での暴力抑止の予算案を承認し、この国の学校を保護する大きな一歩を踏み出した。我々は高度な訓練や学校や警察にもっと優れた道具を提供することで、アメリカの子供の安全を第一にしなければならない。パークランドのような悲劇は、二度と起こしてはならない!」と書いた(太文字は原文で大文字強調の部分)。

ホワイトハウスが発表している行動計画は次の通り――。

  • 教職員が銃火器を使用するための訓練事業に投資する
  • 退役軍人や退職警官が教師になるよう奨励する
  • (銃購入者の)身元や精神状態の確認を強化する
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Image caption フロリダの学校乱射事件の被害に遭ったパトリック・ペティさん(左)とカイル・カシュブさんは13日、連邦議会を訪れた

これに加えて、新設される学校の安全に関する連邦委員会は、(銃購入の)年齢制限の問題も審議する。

BBCのコリーン・ハガティ記者はツイッターで、「何が欲しい?」「銃規制改革!」「いつ欲しい?」「今だ!」と声を上げるデモの様子を伝えた。

米上院の民主党トップ、チャック・シューマー議員は、ホワイトハウスの提示した行動計画を「よちよち歩きの1歩」と切り捨てた。

フロリダ州はライフル銃を合法的に購入できる年齢を21歳以上とする銃規制法を成立させたが、銃政策ロビー団体の全米ライフル協会(NRA)はこれについて、意見だと州政府を提訴した。

全国的な抗議とは別に、カリフォルニア州では13日、教師が誤って銃を教室内で発射したとされ、生徒が怪我をした。

警察によると、モントレー郡にあるシーサイド高校の教師が、公共安全講習を受けていた最中、誤って天井に発砲したという。

当局によると、生徒1人が弾丸もしくは天井の破片で負傷し、病院に運ばれ手当てを受けた。

教師は休職を命じられた。警察は、事実関係を捜査中だと話している。

(英語記事 Florida shooting: US high school students stage mass walkout

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