東グータから市民1.2万人以上が避難 戦闘激化で

東グータ地区から避難するハムーリアの市民 Image copyright Reuters
Image caption 東グータ地区から避難するハムーリアの市民

シリアの首都ダマスカスに近い東グータ地域で、政府軍と反体制派の戦闘が続いている。15日には政府軍が南部ハムーリア近郊まで進攻し、市民1万2000人以上が避難した。2月に政府軍が同地域奪還のために攻撃を激化させて以来、最も大規模な脱出となった。

政府軍は14日夜、ハムーリアの郊外で反体制派の戦線を破った後、市民が避難するための回廊を設置。英国を拠点とする非政府組織「シリア人権監視団」によると、翌15日には市民1万2000人がアドラにある政府の検問所を通過して脱出したという。女性や子供を含む市民が毛布やかばんを持って町を去る様子が見られた。

ロシア軍の広報官は、少なくとも1万3000人が町から脱出したとみている。ハムーリアの人口は3万1000~3万4000人。

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Image caption ハムーリアの近くで負傷した男性。空爆と砲撃が人々を襲っている

一方、同じく地域内にあるドーマの町には食糧を積んだトラック25台が到着した。

国際赤十字委員会(ICRC)によると、東グータ地域では39万人が食料や医療品を必要としており、今回届けられた支援はそのほんの一部に過ぎない。

同地域での戦闘が続く中、シリア内戦は8年目に突入。これまでに35万人が犠牲となり、身体に障害が残った人も150万人に上る。1100万人がシリア内外で難民となった。ICRCのペーター・マウラー総裁は「計り知れないほどつらい、人的被害を出した」内戦と呼んでいる。

Image caption 今月12日時点でのダマスカスおよび近郊の各勢力の支配地域。緑が政権、紫が反体制派、オレンジが「イスラム国」(IHSコンフリクトモニター調べ)

シリア政府と、ロシアなどシリアの同盟国は2月18日から、東グータ地域への空爆を激化させた。それ以来、これまでに1100人以上が亡くなっている。

政府軍は先週、反体制派を同地域北部のドーマ、南部のハムーリア、西部のハラスタをそれぞれ囲む3カ所に閉じ込めた。うちドーマでは6日と7日、国連主導で結ばれたロシアと反体制派の「人道的休戦」の下、けが人や病人が家族と共に避難した。

だが、ハムーリアを含む南部では政府軍の攻撃が続けられた。

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Image caption 数年にわたる空爆で崩壊した東グータ地区

ハムーリアの郊外にいた市民の1人はロイター通信に対し、「地下室に閉じ込められ、恐ろしくて外に出る気にもならなかった」と語った。「何もできなかった(中略)食べ物がなかった」

一方、反体制派の兵士は「状況はとても複雑で、何が起きているか全くわからない」と話す。

「市民の安全以上に何も望まない。何が起きるにせよ、それは避けられないし、これからどうなるか分からない」

国営シリア・アラブ通信は、政府軍がハムーリアを制圧したと発表。市民が「テロ組織に人間の盾として利用されていた」と主張している。

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Image caption 反政府軍の兵士は「市民の安全以上に望むものはない」と語った

ホワイト・ヘルメットの名で知られるシリア民間防衛隊によると、ハムーリアでは14日だけでも政府軍による空爆が65回あったほか、たる爆弾80発、ロケット砲200発が撃ち込まれた。これにより、子ども4人と女性2人を含む市民13人が犠牲となった。

また、ハムーリア近くの町ヘッザでは空爆が救護隊を狙い、隊員1人が死亡した。

監視団は、14日にもザマルカの町で12人が殺されたと発表している。

一方、シリア政府が統治するダマスカスでは、東グータ地域の反体制派による爆撃で市民18人が死亡したとの警察発表を国営シリア・アラブ通信が報じている。

(英語記事 Thousands flee Syrian rebel enclave

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