ペルー大統領が辞任表明 罷免回避の買収工作が動画に

クチンスキ氏に対しては昨年12月にも罷免決議の採決があったが可決されなかった Image copyright Getty Images
Image caption クチンスキ氏に対しては昨年12月にも罷免決議の採決があったが可決されなかった

ペルーのペドロ・クチンスキ大統領(79)が21日、辞任を表明した。同日予定されていた罷免決議を前に議会に辞表が提出され、各党の議会指導者も辞任を受け入れた。

クチンスキ氏陣営が野党政治家たちに、昨年12月の罷免決議の採決で造反する代わりに公共工事を約束する様子を撮影した動画が公開され、辞任への圧力が高まっていた。不正行為を否定するクチンスキ氏は、国の発展の障害になりたくないと語った。

ブラジルの建設大手オデブレヒトからクチンスキ氏に不正な資金提供があった、との疑惑を受けて昨年12月に行われた罷免決議の採決では、野党議員らの造反でかろうじて可決されなかった。クチンスキ氏は、野党がクーデターを試みたと非難していた。

21日の国民に向けたテレビ演説でクチンスキ氏は、動画は同氏を陥れようとする目的で編集されたものだとし、「野党は私を腐敗した人間に見せようとして、私の周囲の、道理の分かる正直な働き人たちを動かし、政府を破壊する陰謀に不当にかかわらせることに成功した」と述べた。

「私はこれらの根拠のない主張を全面的に否定し、すべての人にとって正直で道徳的かつ公平なペルーへの強い決意をあらためて表明する」

クチンスキ氏は英オックスフォード大学を卒業後、米ウォール街の金融機関で勤務。2016年の大統領選で僅差で当選した。

クチンスキ氏の辞表提出をめぐり、議会は22日に採決を行う予定。ペルー憲法に基づきマルティン・ビスカラ第1副大統領が暫定的に昇格する。


<解説>ラテンアメリカ地域を覆うスキャンダル――ダニエル・ギャラス BBC南米ビジネス担当特派員

ブラジルの建設会社が支払った賄賂をめぐるスキャンダルがまた、大物政治家を飲み込んだ。

今回はペルーの大統領で、潔白を訴えたものの、21日に辞表を出した。

クチンスキ氏は疑惑そのもので辞任を余儀なくされたわけではない。ペルーでは、クチンスキ氏を辞任に追い込んだ野党を含め主要な政治家が皆、同様の疑惑の対象になっている。

クチンスキ氏は疑惑への対処の仕方で、自分に対する支持を失った。

昨年12月、クチンスキ氏はアルベルト・フジモリ元大統領に恩赦を与え、釈放したが、それは自分の罷免を回避するための議員らとの取引だったとみられる。今回も罷免回避のため、公共事業が取引に使われた様子がとらえられた動画が浮上した。

ブラジルで「洗車作戦」の通称で呼ばれた、汚職疑惑の追及が始まってから4年がたつ。10月にブラジルで予定される大統領選を控えるなか、支持率で首位のルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ元大統領は来週、収監される可能性がある。


(英語記事 Pedro Pablo Kuczynski: Under fire Peru president resigns

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