米鉄鋼・アルミ追加関税、EUや韓国など除外へ

A worker at the Tamco steel mini mill in Rancho Cucamonga, California. October 4, 2002 Image copyright Getty Images
Image caption 米国内の製鉄所

米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表は22日、翌23日から導入される鉄鋼とアルミニウムの輸入品に対する追加関税について、欧州連合(EU)加盟国と韓国など6カ国を除外する方針を明らかにした。

上院財政委員会の公聴会でライトハイザー代表は、さらなる交渉が続く間は輸入関税を「棚上げ」するとドナルド・トランプ米大統領が決めた、と述べた。

今回、除外対象とされたのはEU加盟国のほか、韓国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチンの6カ国。

ライトハイザー氏は議会で「トランプ大統領は一定の条件に基づき、いくつかの国が(追加関税から)外されるべきだと考えている」と説明。

「現在もいくつかの国と交渉中で、ビジネスの観点から言えば、『どのように機能するのか』という疑問が当然出てきた。このため、大統領はこれらの国に対して関税の棚上げを決めた」と話した。

トランプ大統領は3月初め、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課す大統領令に署名した。これに対し他国は激しく反発しており、EUは除外を求めていた。

セシリア・マルムストローム欧州委員(貿易担当)は、EUは保護主義の「いじめに立ち向かう」と批判。保護主義が「脅迫の道具として使われている」と述べていた。

英国の鉄鋼産業団体UKスチールのギャレス・ステイス代表は、一時的な関税からの除外は英国の鉄鋼業界にとっては「大きな安心のため息で歓迎されるだろう」とコメント。

「より恒久的な解決策を探すために一息つく間を与えてくれた」

「そうでなければ対米輸出能力が大きく抑えられてしまっただろう。昨年は全貿易量の7%に当たる35万トンの鉄鋼を米国に輸出した。どんな関税でも鉄鋼業に大きな打撃を与えるだろう」

英政府の報道官も、米国がEU全体を関税から一時的に除外する「合図」を示したことを歓迎していると述べた。

「英政府はEUおよび米国政府と緊密に連携して(関税からの)完全除外を目指し、英国企業に直接的・間接的な悪影響が及ばないよう取り組む」

「こうした関税が世界貿易に与える影響についても懸念している。EUと協力して(鉄鋼の)世界的な供給過多をめぐる多国間の解決策を見出すとともに、国内市場への影響も抑えていきたい」

<分析>キム・ギットルソン ニューヨークビジネス担当特派員

鉄鋼などの輸入関税からEUと6カ国を除外したことで、トランプ政権は保護主義貿易政策の標的を実質的に絞った。貿易障壁が米経済に及ぼす可能性のある影響を低減することもできる。

ただ、ここできちんと計算をしておく必要がある。

昨年の米国の鉄鋼輸入額は330億ドル(3兆4600億円)だった。ここから、すでに除外すると明らかにされていたカナダやメキシコを含め除外された国々を差し引くと、関税が適用されるのは全体の3分の1以下になる。

これにより、関税が経済に与えるかもしれない影響だけでなく、米国内の鉄鋼業が得る可能性がある好影響さえも弱まる。

特定国の除外は、トランプ政権のこれまでの政策同様、今回の鉄鋼関税も、実際の措置は言われていたほどにはならないのを示唆している。

(英語記事 US exempts EU from steel tariffs

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