フェイスブックのザッカーバーグ氏、アップルのクック氏に反論

ザッカーバーグ氏は、ケンブリッジ・アナリティカ社のスキャンダルが露呈して以来、フェイスブック社の株価が急落する事態に直面している Image copyright Getty Images
Image caption ザッカーバーグ氏は、ケンブリッジ・アナリティカ社のスキャンダルが露呈して以来、フェイスブック社の株価が急落する事態に直面している

米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は2日に掲載されたインタビューで、米アップルのティム・クックCEOの批判に反論した。

ザッカーバーグ氏の反論は、米ニュースサイトのボックスによるプライバシー関連騒動に関する長編インタビューの中で、クック氏の発言について問われた際の回答。

クック氏は先週、米MSNBCと米リコードのインタビューで、フェイスブック上でのデータ不正収集など一連の騒動は、ユーザー個人の生活を不正売買する「プライバシーの侵害」だと語った。そして、もしクック氏がザッカーバーグ氏だったら何をするかとの問いに「今のような事態には至らないだろう」と答えていた。

ザッカーバーグ氏は、ユーザーがフェイスブックに金を支払わないから、フェイスブックがユーザーを大切にしていないのだという指摘は「極めて軽薄」だと述べた。

フェイスブックは、英ケンブリッジ・アナリティカ社による約5000万ユーザー分ものデータ収集を数年前から認識していたにもかかわらず、情報の消去の確認を、ケンブリッジ・アナリティカの回答をもって十分としていたのが表面化して以降、激しい批判に直面している。

英チャンネル4ニュースは、ケンブリッジ・アナリティカはすでにデータ素材を破壊したとしているにもかかわらず、少なくともいくつかのデータは未だに流通していると報じている

ザッカーバーグ氏はインタビューの中で、フェイスブックは過去にとったいくつかの選択については未だに透明性が不十分だと認め、同社の決定を覆す権限を持つ独立委員会を設置する可能性について触れた。

深刻な事態」

クック氏はフェイスブックのデータ利用に関する騒動が始まってからこれまでに2回、公の場で発言している。

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Image caption アップルのティム・クックCEOは、自身が同じ立場なら、ザッカーバーグ氏が現在直面している状況には陥らなかっただろうと語った

3月23日、クック氏は中国・北京で開かれた中国開発フォーラムに参加した。

「私が考えるに、今回の事態は非常に深刻で大規模になっている。おそらく、巧みに設計された規則が必要だろう」。ソーシャルネットワークが抱える問題についての質問に対し、クック氏がこう語ったと、ブルームバーグは報じている。

「あなたがこの何年間かでどんなウェブサイトを閲覧したか、あなたとつながりのある人は誰で、その人がつながっているのは誰か、あなたが好んだことや嫌ったこと、ほかあなたの人生に関する私的な詳細すべてを誰かが知る能力――私の意見では、そのようなものは存在すべきではない」

その後、3月28日に行われたMSNBCとリコードによるインタビューでクック氏は、「私が考える最高の規則は、規則がないことであり、自主規制だ。しかし、それ以上のことが求められていると思う」と語った。

まだ完全版は放送されていないものの、クック氏は同インタビューでこうも付け加えている。「もし我々の顧客を我々の製品とし、顧客を収益化すれば、巨額の金を生み出すことができた。我々はそれを選ばなかった。我々にとってプライバシーは人権なのだ」。

アップルは利益のほとんどを、スマートフォンやタブレット、その他コンピューターの販売や、オンラインストレージや複数のメディア販売といった関連サービスによって生み出している。

このことは、米グーグルや米ツイッター、フェイスブックなどの、広告から大きな利益を得ている他のテクノロジー企業とは対照的だ。

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Image caption フェイスブックの評判はケンブリッジ・アナリティカの一件で傷ついている

ザッカーバーグ氏は以前CNNに、新しい規則を「受け入れる」と話していた。

しかし同氏は、クック氏の意見について問われた際には、アップルやクック氏の名前は挙げずに、自社のビジネスモデルを擁護した。

「お金を支払わない人のことを大切にすることはできないというあの意見は極めて軽薄で、全く事実に即していない」とザッカーバーグ氏は語った。

「現実には、世界中の全員をつなげる手助けをするサービスを構築しようと思ったら、そこには対価を支払えない人がたくさんいる」

ザッカーバーグ氏はまた、「誰もがストックホルム症候群(誘拐や監禁などの事件被害者が犯人と長時間接することにより、犯人に過度の連帯感や好意を抱く症状)にかかり、値上げに注力する企業の方が利用者をより大切にしていると納得させられないようにすることが重要だ。ばかげていると私は思うから」と付け加えた。

ザッカーバーグ氏はさらに、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOを引き合いに出し、自らの経営者としてのリーダーシップを擁護した。

「私は全ての決定を、自社コミュニティにとって何が問題かを基準に下しており、ビジネスにおける広告面にはごくわずかな注意しか払っていない」と同氏は語った。

「私が思うに、ジェフ・ベゾス氏は素晴らしいことを言っている。『料金を引き上げるために努力する会社もあれば、料金を引き下げるために努力する会社もある』と」

「けだものになってしまった」

ザッカーバーグ氏は49分におよぶインタビューの随所で、審査チームが下した、どんなコンテンツを許しどんなコンテンツを排除するのかという決定に利用者が疑問を投げかける機会を与えることで、フェイスブックをより「民主的」なものにしたいとの希望を話した。

ゆくゆくは、同社で働いていない人が、どのような発言が容認できるのかについて最終的な決定を下す「最高裁」のようなものがほしいとザッカーバーグ氏は語った。

ザッカーバーグ氏はまた、ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの虐殺疑惑に対する国連調査から投げかけられたフェイスブックへの最近の批判にも答えた。

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Image caption 数十万人ものイスラム教少数派ロヒンギャがミャンマーを逃げ出している

人権調査員の一人は先月、フェイスブックは「けだものに変わって」しまい、ロヒンギャに対する憎悪をあおるのに「実質的な役割を果たした」と語った

ザッカーバーグ氏は、フェイスブックメッセンジャーを介したメッセージは「紛争のそれぞれの陣営に」送られており、人々を同じ場所で戦わせようと企てていると主張した。

しかしフェイスブックは現在、そのようなメッセージを検出するシステムを作ったとザッカーバーグ氏は付け加えた。

ザッカーバーグ氏は「我々はこのようなメッセージを流通させるのを止めている」とした。

「ただ、これは確実に、我々が多くの注意を払っているものだ」

(英語記事 Facebook's Zuckerberg fires back at Apple's Tim Cook

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