トランプ米大統領、1000億ドル相当の中国製品への関税検討を指示

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ドナルド・トランプ米大統領は5日、中国の知的財産権侵害への対抗措置として検討されている追加関税で、さらに1000億ドル(約10兆7000億円)相当の品目について検討するよう米通商代表部(USTR)に指示したと明らかにした。米中間では、貿易をめぐる対立が激しくなっている。

トランプ政権はすでに500億ドル相当の中国製品への追加関税案を発表している。

中国はこれに先立つ4日に、米国から輸入する106品目に追加関税を課すと発表している。

米中間の応酬を受けて、世界の株式市場はここ数週間、不安定な動きを見せている。

アナリストらは、米中間で全面的な貿易戦争が起きるのは世界経済や市場にとって望ましくなく、現在行われている舞台裏での交渉が非常に重要だと指摘した。

しかし、6日のアジアの株式市場は米国の発表に大きな動揺は見せず、貿易戦争が過剰に懸念されている可能性があるのを示唆した。

6日午後の取引では、中国の香港ハンセン指数が前日終値比1.3%高で推移していたほか、日本の日経平均株価も前日終値を上回って取引されていた。

現在の事態に至った経緯

米国は先月、鉄鋼とアルミニウムの輸入品にそれぞれ25%と10%の追加関税を発表した。幅広く設定された課税対象国には中国も含まれる。

中国は今月、30億ドル相当の米国からの輸入品に対する関税を導入し報復。対象品目には豚肉やワインなどが含まれている。中国政府は、自国の利益を守り、米国の追加関税による損失を埋めるための措置だと述べた。

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Image caption 中国は米国産豚肉など米国からの輸入品に報復関税を課した

一方で、中国による知的財産権の侵害に対抗し、米国が500億から600億ドル相当の関税を中国製品に課す準備を進めているとの報道が出ていた。米国は、中国が米企業に対し現地企業に技術移転をするよう圧力をかけていると問題視していた。

米通商法301条に基づく追加関税案では、約500億ドル相当の中国製品約1300品目について、25%の追加関税が提案されている。

中国はすぐに対抗措置を発表。大豆や航空機部品、オレンジジュースを含む約500億ドル相当の米国からの主要な輸入品106品目に関税を課すとした。新たな関税は、農業など米国にとって政治的に重要な産業を標的にしている。

5日に新たな対応策を発表したトランプ大統領は、中国政府の報復措置を「不公正」だとし、「中国は自分たちの不正行為を正す代わりに、我々の農家や製造業者を傷つけることを選んだ」と非難した。

「中国の不公正な報復に鑑み、1000億ドルの追加関税が適切かどうか(中略)また、もしそうなら、関税を課す品目を特定するようUSTRに指示した」

トランプ氏はさらに、農務省に対して米国の農家や農業の利益を守る方策を実施するよう指示したと述べた。

どのような影響がありそうなのか

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Image caption Soybeans are one of the key US exports China said it could target with tariffs

脅しの言葉は激しいが、実際の影響は明確あるいは単純とは言えず、製品ごとの状況は大きく異なる。

大豆を例に取れば、自らも大豆の主要な生産国の中国は、米国が輸出する大豆の約6割を買っている。

中国は輸入大豆を豚やニワトリ、魚類などの飼料にしている。巨大な人口を養うために必要な家畜たちだ。

中国の大豆および大豆製品に対する旺盛な需要は、米国の大豆価格を押し上げる効果があった。

しかし、中国による米国産大豆への関税で需要が弱まる可能性が高く、影響は米国の農家に及ぶ。

その場合、多くの米国の農家が作付作物の転換に追い込まれる可能性があるが、大豆と同程度の利潤を確保できる作物は非常に限られている。

米国で大豆が生産される地域は、2016年の大統領選でトランプ氏に投票した農家の有権者が多い。一部の農家の間では、トランプ大統領への不満が出ている。

一方の中国は、自国の消費に対応するため、大豆の輸入先を米国以外に見つけなくてはならない。

インドは世界有数の大豆生産国で、同国のアナリストたちはすでに、米中対立がインド経済を利する可能性を指摘している。

このほかにも、アルゼンチンやブラジルが主要な大豆生産国で、現在提案されている追加関税が実施されれば、中国がこれらの国との貿易を増加させるだろうと一部の調査で指摘されている。

しかし、最終的には大豆の価格上昇につながり、大豆を飼料とする家畜の食肉の価格も引き上げざるを得なくなる可能性がある。このため、例えば中国で最も人気のある肉である豚肉の価格が上昇するかもしれない。食品価格の上昇は、中国政府にとって懸念すべき事態だ。

対立はいつまで続く?

中国は米国の鉄鋼・アルミニウム輸入制限をめぐって世界貿易機関(WTO)に提訴しており、アナリストらは紛争の解決手続きが長期間に及ぶ可能性を指摘している。

WTOは5日、加盟国に協議の要請を公表し、正式な紛争解決手続きに進む前の協議期間が始まった。

一方、米国法は、提案された中国製品1300品目に対する関税が実施される前に、パブリックコメントや公聴会の手続きを経ることを求めている。

公聴会は5月15日に予定されており、その1週間後に公聴会を受けた報告が出る予定。

USTRが最終的な結果を発表し、関税案を実際に実施に移すかどうか決定するまで数カ月かかる可能性がある。

(英語記事 Trump threatens further $100bn in tariffs against China

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