ハンガリー総選挙 反移民のオルバン首相が3期目へ

Hungarian Prime Minister Viktor Orban (C) and members of his FIDESZ party celebrate winning the election Image copyright AFP/Getty Images
Image caption 3期目が確実となったオルバン首相(中央)

ハンガリーで8日、総選挙が行われ、オルバン・ビクトル首相(54)率いる与党の右派フィデス・ハンガリー市民連盟が圧勝する見通しとなった。これにより、オルバン首相は3期目が確実となった。

ハンガリーの国家選挙管理委員会によると、開票率93%の時点で、フィデスは過半数近くの議席を獲得した。最終的には、法案可決に必要な3分の2の議席を占める見通しだ。

オルバン首相は欧州連合(EU)に懐疑的で、かねて反移民政策を敷いてきた。8日夜の演説で同首相は、この勝利がハンガリー国民に「自分自身とハンガリーという国を守る機会を与えた」と話した。

選挙結果

投票は現地時間の午後7時に締め切られたものの、いくつかの投票所では長い行列のため、投票が延長された。投票率は69%と史上最高水準で、これがオルバン首相に不利になるとの見方もあった。

しかし第2党となった極右ヨッビクの得票率は20%、第3党の社会党は12%にとどまった。左派の新しい政治の形は7%だった。

これを受け、ヨッビクのボナ・ガーボル党首は辞任を表明。「選挙での勝利と政府を変えるというヨッビクの目標は達成されなかった。フィデスが勝った。またしても勝ったのだ」とコメントした。

社会党のモルナール・ジュラ党首も「我々には結果への責任があり、有権者の決定を尊重する」と述べ、辞任した。

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Image caption 社会党のモルナール・ジュラ党首

オルバン首相の政策とは

今回の総選挙の焦点は移民だった。オルバン首相は、イスラム教徒の移民流入を食い止めるために国境管理を行うことを約束していた。

同首相は対立候補との公共の場での討論や独立系メディアへの出演を拒み、代わりに支持者を集めた大会でキャンペーンを展開。主張は「移民阻止」に絞られた。

6日のキャンペーンでは「移民はハンガリーをゆっくりと、しかし確実にむしばむ、さびのようなものだ」と話した。

2015年の欧州難民危機の際、オルバン政権はセルビアおよびクロアチアとの国境にフェンスを建設している。

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Image caption オルバン首相は選挙キャンペーンで反移民政策を強調した

同首相はEU懐疑派で、EUのさらなる統合に反対している。EUが策定した難民割当プログラムへの参加も拒否し、ウラジーミル・プーチン露大統領を称賛している。

フランスの極右政党・国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首はオルバン氏の勝利を祝福し、「EUが推進する大量移民がまたしても拒絶された」と述べた。

オルバン首相はこのほか、所得税の減税や、経済成長政策の推進を公約に掲げている。オルバン政権は力強い経済成長の陣頭指揮を執ってきており、同首相はこの成長が野党によって脅かされる可能性があるとしてきた。

<分析>農村部での票は確保、若年層の票は減少――ニック・ソープBBCブダペスト特派員

フィデスはまたしても、ハンガリー中をオレンジ(党の色)に染めた。議会199議席のうち、法案可決に必要な3分の2に当たる133議席を獲得しする見込みだ。フィデスは前回(2014年)と前々回(2010年)にも、議席の3分の2を占めた。

オルバン首相率いる同党は農村部の選挙区や町の大方で勝利した一方、首都ブダペストでは野党がほとんどの議席を得た。

欧州中のナショナリスト政党がオルバン首相の勝利を受け入れており、同首相の欧州レベルでの正当性は強められたといえる。

フィデス反対派にとって安心材料はたった2つだ。1つは、首都ブダペストのほとんどの選挙区で野党側の候補が勝利したこと。もう1つは、フィデスが若年層票の大半を失ったことだ。フィデスはこの問題に対処するため、次期政権により若い閣僚を投入するとみられている。

人権保護や反汚職を訴える市民グループや、政府に批判的なメディアにとって、今回の選挙結果はさらなるやっかいな事態を招くだろう。3月15日のハンガリー革命記念日、オルバン首相は野党側と「倫理的、政治的、そして合法的」に「過去を清算する」ことを約束している。

(英語記事 Hungary's Eurosceptic PM wins third term

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