【元ロシア・スパイ】ユリアさん退院 神経剤使われ一時意識不明も回復

ユリア・スクリパリさんは神経剤を使われてから1カ月以上、ソールズベリーの病院で治療を受けていた Image copyright Yulia Skripal/Facebook
Image caption ユリア・スクリパリさんは神経剤を使われてから1カ月以上、ソールズベリーの病院で治療を受けていた

先月4日に英南部ソールズベリーで起きたロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)に神経剤が使われた殺人未遂事件をめぐり、BBCはユリアさんが9日に病院を退院したことを確認した。

ユリアさんは治療を受けていたソールズベリー地域病院から9日に退院し、安全な場所へと移された。

病院は、「これで治療が終わるわけではないが、大事な節目だ」とコメントした。

父親のスクリパリ氏はまだ同病院に入院中で、ユリアさんよりも「ゆっくりと回復している」。ただし、クリスティーン・ブランシャード医師は、「いずれ退院できるようになると期待している」と話した。

スクリパリ氏とユリアさんは、有毒の神経剤「ノビチョク」に触れたあと3月4日に同病院に運ばれた。

2人はソールズベリー中心部にあるベンチで意識不明となっている状態で発見された。

現場に真っ先に駆けつけたウィルトシャー警察のニック・ベイリー刑事巡査部長も神経剤に触れて病院に入院し治療を受けていたが、既に退院しているという。

ユリアさんは先週、ロンドン警視庁を通じて発表した声明で、自分の体調について「日に日に元気になっている」とした。

英政府は殺人未遂事件にロシアが関与しているとしており、テリーザ・メイ英首相はロシア政府が殺人未遂について「責めを負うべきだ」と語った。

しかし、ロシア政府は関与を全面否定し、英国が「偽の物語」を作り出していると非難している。

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Image caption 専門調査員が防護服を着てソールズベリーの複数個所で試料を採集した

ロシアと西洋諸国の間では外交危機が生じており、20以上の国々が英国に連帯を示してロシア人外交官を追放した。

ロシアは英国との新しい共同調査を提案したが、化学兵器禁止機関(OPCW)の執行理事会は4日、これを反対多数で却下した。

Image caption スクリパリ氏とユリアさんは倒れる前、ソールズベリーのレストランに出かけていた

スクリパリ元大佐は、ロシアの退役情報将校。ロシアのスパイに関する情報を英軍事情報活動第6部(MI6)に渡していたとされている。

2006年にロシアで禁錮13年の実刑判決を受けた。

2010年7月に米連邦捜査局(FBI)が拘束していたロシア側スパイ10人との交換で釈放された4人のうちの1人で、その後、英国に渡っていた。

スクリパリ氏はその後も英国とモスクワを定期的に行き来しており、殺人未遂事件が起きた前日にロシアから帰国していた。

ユリアさんのいとこでロシア在住のビクトリアさんは、英国への入国査証(ビザ)を申請したが、英外務省はこれを却下したと明らかにした。入国規則に合致しないからだと外務省は説明しているが、政府筋はロシアが「ビクトリアさんを駒に塚用としているようだ」とBBCに話した。

ビクトリアさんは後にBBCに対して、ビザ申請資格として必要なだけの預金高が銀行口座にないためだと話した。

(英語記事 Russian spy: Daughter discharged from hospital

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