米スタバ8千店舗を一時閉鎖へ  人種差別防止トレーニングを実施

Protestors demonstrate outside a Starbucks in Philadelphia. Image copyright Getty Images

米コーヒー・チェーン大手スターバックスは、5月に全米で8000店舗以上の直営店舗を一時閉鎖し、「人種的偏見」に関するトレーニングを行うと発表した。フィラデルフィアの店舗で現地時間12日夕、友人を待っていただけの黒人男性2人が逮捕された事件を受けたもので、店舗内での差別を防止するため。

スターバックスはこの事件について謝罪したが、店舗の前には抗議を行う人々が集まったほか、ボイコットを呼びかける声もあがった。

同社のケビン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)は、「我々は間違いを犯し、それを是正する手段をとる必要があると学んだ」と話した。

米国内のスターバックスの全直営店とオフィスが、5月29日の午後に閉鎖される予定。17万5000人近くのスタッフに加え、内定者もトレーニングを受ける。

店舗閉鎖による売り上げへの影響は、2000万ドル(2億1500万円)に上るとみられている。

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「この肌の色のせい?」 スタバの人種差別、別店舗でも

事件による損害を最小限に抑えるため、スターバックスは市民権利団体のリーダーやエリック・ホルダー元米司法長官などに従業員向けの「カリキュラム」を作成するよう要請。このカリキュラムは今後、他社も利用できるようにする。

報道発表資料によると、トレーニングでは「暗黙の偏見を明らかにし、意識的に皆を受け入れることを促し、差別を防ぐと共に、スターバックス店舗内の全員が安心し歓迎されていると感じられるようにする」。

ジョンソンCEOは、「人種的偏見トレーニングのために店を閉めるのは、当社の全部署の真剣な取り組みや地域コミュニティーとのパートナーシップを必要とする旅路の、最初の一歩に過ぎない」と述べた。

事件では、男性2人が注文をしないまま友達を待っていたところ、店長が2人を不法侵入で通報した。客が撮った動画には、2人が手錠をかけられる様子が映っている。この客はツイッターで「私たち白人が同じことをしてもどうしてこんな目に遭ったことがないのか、ほかの白人はみんな考えてる」と書いた。

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Image caption 事件が起きた店舗の前で抗議を行う人々

ジョンソンCEOは、客が撮影した動画は「見るに耐えない」もので、通報は「間違っており」「非難に値するもの」だと述べている。

また16日のインタビューで、警察を呼んだ支店長がスターバックスを退社したことを明らかにした。

ジョンソンCEOは事件以降、フィラデルフィアに滞在し、逮捕された2人に会った。2人の弁護士とスターバックスが発表した共同声明では、両者の話し合いは「建設的」だったとしている。

ジョンソンCEOは男性2人に会社代表として謝罪し、「この痛ましい事件をどのように前向きな社会変革の手段に変えていくか」について話し合ったという。

「Race Together」キャンペーン

スターバックスは2015年、人種問題をめぐる「Race Together(人種共存)」キャンペーンを米国で展開し、批判や冷笑を浴びた。

店員がカップに「Race Together」と書いて渡し、人種問題について客に話しかけるよう求めたこのキャンペーンは、米国の黒人コミュニティーに対する警察暴力について各地で抗議が続くなかで始まった。「Race Together」と書かれたカップやシールは、人種問題について話し合うきっかけ作りとして意図されたものだった。

しかし、「人種問題の議論を商売道具にするのか」、「朝のコーヒーを買いに行った先で人種問題について店員と話すなんて」などと、反発がソーシャルメディアで広がる羽目になった。

(英語記事 Starbucks shuts US cafes for race training

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