トランプ米大統領、7月に訪英へ

ダボス会議で会談するメイ首相とトランプ大統領(今年1月、スイス・ダボス) Image copyright AFP
Image caption ダボス会議で会談するメイ首相とトランプ大統領(今年1月、スイス・ダボス)

ドナルド・トランプ米大統領が7月に訪英することが26日、明らかになった。トランプ大統領は新たにロンドンで建設された米国大使館の落成式のため、今年2月に訪英する計画だったが、大規模な抗議デモが起きるとの見方が出るなか中止していた。

テリーザ・メイ英首相は昨年1月の訪米時に際、国賓としての訪英を提案している。現時点では国賓待遇は予定されていないが、BBCが取材したところ、国賓として受け入れる英政府の提案は現在も有効のもよう。

ジョン・ソープルBBC北米編集長は、トランプ大統領は訪英時にエリザベス女王とも会談するだろうと語った。

英首相官邸は、トランプ大統領がメイ首相と会談を行うと明らかにしたが、詳細は「今後詰める」としている。

メイ首相は、「7月13日に実務訪問のため英国を訪れるトランプ大統領を迎えるのを楽しみにしている」と述べた。

「分断よりも団結」

訪英に先立ち、トランプ大統領はベルギー・ブリュッセルで開かれる北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議に出席する。

英首相官邸と米ホワイトハウスは日程について共同で発表する予定だったが、サラ・サンダース大統領報道官が先に情報を漏らしたもようだ。

英国のキム・ダロック駐米大使はツイッターで、トランプ氏が7月13日に訪英すると認め、訪英を「喜ばしく思う」とコメントした。

トランプ大統領は、ロンドン・ボクソール地区に新たに建設された米国大使館の落成式への出席を中止した際、大使館を「街外れ」のテムズ川の南岸に移転させるのは「ひどい取引」だと批判していた。しかし、訪英を中止したのは抗議デモを恐れたためだと指摘する声も出ていた。

ボリス・ジョンソン英外相はツイッターで、「トランプ大統領がようやく、7月13日に英国にやってくるというのは、素晴らしいニュースだ。史上一番すごい訪問で、我々の最も親密な同盟国かつ友人に会えるのを楽しみにしている」とコメントした。(太字部分は原文で、すべて大文字で強調されている)

ジョンソン氏の退任後、ロンドン市長に選出されたサディク・カーン氏はツイッターで、「もしトランプ大統領がロンドンにくれば、開放的で多様性があり、分断よりも団結、恐れよりも希望を選んできた都市を体験することになる。ロンドン市民が言論の自由というリベラルな価値観を非常に大切に思っているのが分かるだろう」とコメントした。カーン市長は、トランプ氏の移民政策などについてこれまで何度か衝突してきた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナル英国のケイト・アレン事務局長は、「トランプ大統領が英国に到着した際には、我々や何千もの我々の支持者たちが声を上げるのは確かだ」と述べた。

野党・自由民主党のジョー・スウィンソン副党首は、「訪問が縮小されたからといって、抗議デモも縮小されるべきではない」と語った。

野党・労働党のダイアン・アボット影の内閣内相はBBCの番組で、抗議デモには参加しないと語ったが、トランプ大統領の「行動や態度のせいで、この国の多くの人は彼を恐ろしい人物だと考えている」と語り、デモを行う権利を擁護した。

同じ番組に出演したマット・ハンコック文化相は、米英関係は「一人の人物よりもずっと深い」ものだとし、「地球上で最も強い経済大国への影響力を確保するべき」と述べた。

同相は、「(元ロシアのスパイ、セルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさんへの神経剤による殺人未遂が起きた)ソールズベリー攻撃を受けて、米国はどの国より多くのロシア外交官を国外退去させた」と話した。「我々がロシアの敵対行為に直面し、支援が必要だったとき、彼らは強力に支援してくれた」。

フェイスブックでは、左翼ジャーナリストのオーウェン・ジョーンズ氏が呼びかけた抗議デモに、すでに3万3000人以上が参加を表明している。

ボウ・グループやブラッジス・グループなど保守派6団体は、トランプ大統領に書簡を送り、大統領の母親が生まれた「先祖の地」スコットランドを訪英の中心に位置づけるよう求めた。

「恥ずかしい」

ボウ・グループのベン・ハリス=クイニー会長は、「大統領のロンドン訪問は大きなデモや犯罪、混乱を誘発するだろう。我々は英国やトランプ大統領に恥ずかしい思いをしてもらいたくない」と述べた。

「英国には大統領や両国の特別な関係を支持する人々がたくさんいるのを、米国の人々と政府に分かってもらうことが大切で、トランプ大統領が暖かく歓迎されるようにしてほしい。残念なことにロンドンはそういう場所ではない」

メイ首相は昨年1月、トランプ大統領就任後初めてホワイトハウスを訪れた海外の首脳となった。メイ首相は、トランプ氏を国賓として招待するというエリザベス女王の意向を伝達。国賓訪問にはさまざまな儀礼が伴う。

トランプ大統領は招待を受け入れたが、予定は決まらず、無期延期されたとの見方が出ていた。

今年中の実務訪問は、今年1月にスイスで開かれた世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で、トランプ大統領とメイ首相が会談した際に発表されていた。

ソープル北米編集長は、将来の米国との貿易協定やトランプ政権が導入した鉄・アルミニウムへの追加関税など、メイ首相がトランプ大統領と協議したい議題は多いと指摘した。

しかし、今週高い関心を集めたエマニュエル・マクロン仏大統領の訪米や、26日からのアンゲラ・メルケル独首相の訪米を受け、英政府としては、トランプ氏の訪英が「世論の受け止め」に与える影響は重要で、英国が取り残されるような状況は避けたかった、と付け加えた。

(英語記事 US President Donald Trump to visit the UK in July

関連トピックス

この話題についてさらに読む