シリア、イスラエルがダマスカス近郊を空爆と非難

イスラエル軍は先に、ゴラン高原の入植地に対する攻撃に対し迎撃準備ができていると語っていた Image copyright AFP/Getty
Image caption イスラエル軍は先に、ゴラン高原の入植地に対する攻撃に対し迎撃準備ができていると語っていた

シリアの国営シリア・アラブ通信(サナ通信)は8日、シリアの首都ダマスカス南部にある軍事拠点をイスラエルが空爆したと伝えた。

サナ通信によると、シリア軍の防空部隊が8日、ダマスカス南部のキスワ地区でイスラエルのミサイル2機を打ち落としたという。

死傷者はなかったと報じられたが、監視団体は少なくとも政府側の兵士9人が死亡したとしている。死亡者にはイランが支援する戦闘員も含まれるという。

8日にはミサイル報道より前に、キスワ地区の軍事基地で大きな爆発があったとする報道も複数出ていた。

シリアのバシャール・アル・アサド大統領を支持する軍司令官はロイター通信に、空爆はシリアの軍事基地を標的にしたものだったと述べた。

英国拠点のNGO「シリア人権監視団」は、標的は軍の倉庫だったとし、死者にはイラン革命防衛隊や他のシーア派武装組織メンバーが含まれると発表した。

イスラエルは報道に対しコメントしていないが、イランのシリアにおける軍事的「固定化」は食い止めるとも述べている。

イランは7年に及ぶシリア内戦の間、数百人の軍事アドバイザーや数千人の民兵をシリアに派遣し、政府軍を支援してきた。

報道によると、8日に空爆を受けたとされる地区では軍事基地が建設中だったという。

西側諜報筋は昨年BBCに対し、イラン軍がキスワ地区近郊のシリア軍が使用していた敷地に収容所を建設したと話していた。

イランも、最近起きたイスラエルによるものとみられるシリアの軍事攻撃への空爆に報復すると明言している。

厳戒態勢

シリアとイスラエル間の緊張は8日、シリア・ゴラン高原にあるイスラエル入植地で「イランの不規則な動き」を検知したとイスラエルが発表したことで高まっていた。

イスラエルが実効支配するシリア領のこの地域について、イスラエルは厳戒態勢下に置き、防爆シェルターを利用可能にするよう指示した。

イスラエル軍のヨナタン・コンリカス報道官はツイッターに、「イスラエル国防軍(IDF)はシリアでイランの不規則な動きを検知し、ゴラン高原に住む市民と防衛システムに対応を準備させている。イスラエルへのどんな攻撃も、激しい報復に遭うだろう」と投稿した。

イスラエルのメディアによると、イスラエルの占領地域でシェルター使用準備の指示が出るのはシリア内戦が始まって以来、初めてだという。

今回のこの事態は、ドナルド・トランプ米大統領がイラン核合意離脱を発表した直後に起きた。

欧州の同盟各国による助言に反し、トランプ氏は2015年にイラン核合意が締結されてから解除されていた経済制裁を再開する予定だと述べた。

核合意によりイランは、経済制裁の棚上げと引き換えに、原子炉の燃料にも核兵器にもすることのできる高濃縮ウランの貯蔵量を制限することに合意している。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はイラン核合意が「イランの攻撃を拡大させた」として、トランプ氏の合意離脱を「全面的に支持する」と述べた。

Image caption ゴラン高原の地図。肌色がイスラエル入植地、オレンジ色は国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)の監視地域

(英語記事 Syria blames Israel for air strike near Damascus

関連トピックス

この話題についてさらに読む