米朝首脳会談に延期の可能性=トランプ米大統領

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トランプ氏、中国主席の駆け引き上手を評価 北朝鮮の態度硬化で

ドナルド・トランプ米大統領は22日、6月12日にシンガポールで予定されている歴史的な米朝首脳会談が、予定通りに実現しない「相当の可能性」があると述べた。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を迎えて、報道陣を前に明らかにした。

トランプ大統領は、「我々が求める一定の条件がある。向こうはそれに応えてくると思うが、そうでなければ会談はしない」と述べ、首脳会談実現には北朝鮮が一定の条件に応じる必要があると釘を刺した。その一方で、6月に実現しなかった場合は「後日」あらためて会談する可能性もあると含みを残した。

大統領は、どのような条件を北朝鮮に要求しているのか明らかにしなかったが、北朝鮮の保有兵器について記者に聞かれると、「まずは非核化の実現が必要だ」と答えた。

不動産取引の大物から政治家に転身したトランプ氏は、「前に進みながら、どうなるか様子を見ている」、「取引というのは最後まで分からないものだ。100%確実だという取引に入って、合意できないこともある。可能性はゼロだという取引に入って、実現することもある。時には簡単に実現することもある」などと述べた。

大統領はさらに、北朝鮮最高指導者の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は、今月初めに2度目の訪中をしてから態度が変わったと話した。

20日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、首脳会談をこのまま実現すべきかトランプ氏が側近や顧問に相談していると伝えた。

北朝鮮はこれまで、もし米国が一方的な核放棄を強硬に要求し続けるなら、首脳会談を中止する用意があると警告している。

北朝鮮は首脳会談に向けた融和策として、北東部・豊渓里(プンゲリ)の核実験場を廃棄する方針を示している。英米中ロ4カ国の外国メディア取材団が22日、約500キロ離れた元山に入ったが、廃棄は悪天候で延期される可能性もある。英スカイ・ニュースのトム・チェシャー記者は、「天候のせいで今晩は豊渓里に行かない」とツイートした。

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22日には大統領会見の後、マイク・ポンペオ国務長官が、米政府は今でも6月12日の首脳会談実現に向けて準備を重ねていると述べ、前向きな態度を示した。

ポンペオ長官は、北朝鮮に圧力をかけることに中国が「歴史的な支援」を提供してくれたと、中国の協力を評価した。

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非核化とは……米国と北朝鮮では意味が違う

専門家の多くは、両首脳とも首脳会談の重要性をこれまでしきりに強調してきただけに、いまさら中止するわけにはいかないはずだと見ている。

ただし、北朝鮮が表明した「非核化」の内容は、米政府が要求する「包括的で検証可能で不可逆」な核兵器の完全放棄とは異なるはずだというのが、大方の見方だ。

なぜここへきて関係が悪化?

北朝鮮は16日、米韓合同軍事演習が「挑発行為」で侵略の予行演習だという従来の批判をあらためて展開し、予定されていた南北閣僚級会談を中止した

さらに北朝鮮は同日、ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が北朝鮮の非核化に「リビア方式」を適用すべきだと示唆した先月の発言を理由に、ボルトン氏を名指しで批判し、米国との首脳会談実現を「再考せざるを得なくなる」という高官談話を発表した。

ボルトン氏が言及した「リビア方式」とは、リビアのカダフィ政権が2003年に制裁解除と引き換えに大量破壊兵器の開発放棄を約束し、国際機関の査察を受け入れたことを指すと思われる。カダフィ政権はこの8年後の2011年、欧米が支援する反政府勢力によって崩壊し、最高指導者のムアンマル・カダフィ大佐は殺害された。

北朝鮮の反発を受けて、トランプ氏は17日、北朝鮮の非核化について、いわゆる「リビア方式」は適用しないと発言。金委員長と合意したい取引内容は、「(金委員長が)そこにい続けるものだ。(金委員長が)国にいて、自分で統治して、国がとても裕福になるというものだ」、「カダフィのモデルは、国の完全せん滅だった。もし取引が成立しなければ、そのモデルを適用するが、取引ができれば金正恩はとても、とても嬉しいはずだ」と述べた。北朝鮮の懸念緩和が目的とみられるが、ボルトン発言と食い違う形になった。

(英語記事 Trump says summit with North Korea's Kim Jong-un may be delayed

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