ワインスティーン容疑者、強姦容疑などで逮捕・訴追 ニューヨーク市警に出頭

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ニューヨークの警察署に入るワインスティーン容疑者

大物映画プロデューサーだったハービー・ワインスティーン容疑者(66)が25日午前7時半ごろ、ニューヨーク市警の警察署に出頭し、強姦などの容疑で逮捕・訴追された。保釈金を支払い釈放されたが、パスポートを没収され、GPS追跡装置の着用を義務付けられている。

容疑者の出頭から約1時間後、ニューヨーク市警は「ハービー・ワインスティーンは、2人の別々の女性に対する事件について、強姦、犯罪的性行為、性的虐待、性的不法行為の容疑で逮捕され、取り調べを受け、訴追された」と発表した。

ニューヨーク市警はさらに、「名乗りを上げて法の正義を求めた勇敢な生存者たちの勇気」に感謝すると表明した。

ワインスティーン容疑者は逮捕に先立ち、多数の報道陣が待ち構える中、マンハッタン・トライベカ地区の第1管区警察署に入った。映画監督エリア・カザンに関するものなど、3冊の本を抱えていた。

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Image caption 手錠をかけられ警察署から連行されるワインスティーン容疑者(25日、ニューヨーク)

出頭から約1時間半後、後ろ手に手錠をされた姿で、近くのニューヨーク刑事裁判所まで歩いて連行された。そこで保釈金1000万ドルもしくは現金100万ドルを設定され、旅券の提出とGPS追跡装置の着用を条件に釈放された。

これ以前に米紙ニューヨーク・タイムズは、容疑者は俳優ルシア・エバンズ氏による告訴をもとに訴追される見通しと伝えていた。エバンズ氏は、2004年に容疑者に口を使った性行為を強制されたと訴えていた。

さらにニューヨーク市警は昨年11月、強姦の被害届を提出した俳優パズ・デラフエルタ氏の告訴にもとづき捜査に着手していると明らかにしていた。デラフエルタ氏は、2010年にニューヨーク市内の自分のマンションで容疑者に強姦されたと訴えていた。

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Image caption ルシア・エバンズ氏(左)とパズ・デラフエルタ氏

これまでに多数の女性が、ワインスティーン容疑者による強姦や性的暴行の被害を訴え、告訴している。

さらに今月に入り、動画配信大手ネットフリックスのプロデューサー、アレクサンドラ・カノーサ氏が、ワインスティーン容疑者に5年間にわたり強姦され性的に暴行され、言葉で虐待されたとニューヨークの裁判所に提訴した。

ワインスティーン容疑者に対する複数の告訴事件の中には、時効が問題になるものもあるが、エバンズ氏の事件ではそれは問題ないものとみられている。たとえ時効が成立している場合でも、判事が被害者の証言を求めて、常習行動のパターンを確認しようとすることもある。4月末に性的暴行罪3件で有罪となったかつての国民的コメディアン、ビル・コズビー被告の公判でも、そのような対応がとられた。

ワインスティーン容疑者の裁判は、マンハッタンの刑事裁判所で開かれる見通し。

ワインスティーン容疑者についてはロサンゼルスの検察とロンドン警視庁も、複数の訴えについて捜査に着手している。

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Image caption ハービー・ワインスティーン氏(中央)がニューヨーク市警の警察署に出頭し、この後、逮捕された(25日、ニューヨーク・マンハッタン)

昨年9月に同紙や米誌ニューヨーカーの報道で長年の性的加害行動が糾弾されて以来、容疑者に対しては複数の強姦や性的暴行の疑いが浮上していた。アカデミー賞常連だった大物映画プロデューサーに対する糾弾や告訴、告発は、映画界に限らず主に欧米で各界を揺るがした。性的暴力や嫌がらせの被害を糾弾し連帯を表明する「#MeToo(私も)」運動の世界的拡大にまでつながったワインスティーン容疑者の事件は、本人の逮捕によって大きな節目を迎えた。

昨年秋の報道を機に、アンジェリーナ・ジョリー氏やグウィネス・パルトロウ氏といった著名俳優も、ワインスティーン容疑者に対する非難の輪に加わった。

俳優アシュリー・ジャド氏は、ワインスティーン容疑者に口説かれても断ったため、俳優としてのキャリアを妨害されたとして、損害賠償を請求している。

早い段階からワインスティーン容疑者による暴行について声を上げていた俳優のローズ・マガウワン氏は、容疑者訴追の見通しの報道を受け、「私は20年前、この不正を必ず正すと誓った。私たちは今日、正義に向けて一歩近づいた」と書いた。

1990年代に容疑者に性的に暴行されたと発言していたイタリア人俳優アーシア・アルジェント氏は、出頭見通しの報道を受け、「Boom(どーん)」とだけツイートした。

ワインスティーン容疑者は自分と弟が立ち上げた映画制作会社ワインスティーン・カンパニーを解雇され、アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーから除名された。ニューヨーク州は今年2月、容疑者による加害行動から従業員を守らなかったとして、ワインスティーン・カンパニー社を提訴した。同社は今年3月、破産法の適用を申請した。

(編集部注――日本では「ワインスタイン」と表記されることの多いハービー・ワインスティーン容疑者の名前は、本人や複数のハリウッド関係者の発音に沿って表記しています)

(英語記事 Harvey Weinstein surrenders to New York police 'to face sex misconduct charges'

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