プーチン露大統領「ロシアはEUを分断しようとしていない」

Vladimir Putin in Sochi, 3 May 2018 Image copyright Reuters
Image caption プーチン露大統領が西欧地域の国を訪れるのはおよそ1年ぶりとなる

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はオーストリア訪問に先駆け、ロシアは欧州連合(EU)を分断しようとはしていないと発言した。同大統領が西欧地域の国を訪れるのはおよそ1年ぶり。

プーチン大統領は5日にオーストリアのアレクサンダー・ファン・デア・ベレン大統領およびセバスチャン・クルツ首相、企業トップなどと会談する。

会談では、2014年にロシアが一方的に併合したクリミアや、ウクライナ東部の親露派を支援していることを受けた経済制裁について話し合われるもようだ。

プーチン氏はオーストリアの公共放送ORFに対し、EUはロシアにとって最も重要な商業・経済的パートナーであり、「一致と繁栄」を望んでいると話した。

「EUの心臓部に問題があればあるほど、我々にとってのリスクや問題も増える」

「我々はEUと協力関係を気付く必要がある。EU域内の人やモノを分断するような目標は持っていない」

同大統領はまた、たびたび取りざたされているロシアの与党・統一ロシアとオーストリアの極右・自由党とのつながりを否定した。

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ロシアとEUの関係は、ロシアのウクライナへの干渉やシリア内戦への関与、英国でロシアの二重スパイだったセルゲイ・スクリパリ氏とその娘を毒殺しようとしたことなどで、緊張状態が続いている。

英政府はスクリパリ親子殺害未遂にロシアが関与しているとして批判しているが、ロシアは疑惑を否定している。

この疑惑を受けて多くのEU加盟国がロシアから外交官を撤退させたが、オーストリア政府はそれに追随しなかった数少ない国だ。

オーストリアの与党連合には、自由党のハインツ=クリスティアン・シュトラッヘ副首相などプーチン大統領の支持者がいる。シュトラッへ氏はロシアへの制裁の解除を訴えている。

ウィーンでの会談を前にロシアと自由党のつながりについて質問されたクルツ首相は、オーストリアは「実用主義に基づいて、政治的な協力相手を決める」と答えた。

「我々と協力したいと公言している人々と協力するようにしている」

プーチン大統領は先に行われた大統領選で76%の圧倒的な得票率を獲得し、4期目に突入した。

選挙監視団体ゴロスは投票当日、何百もの不正を報告した。また、最有力とみられていた野党勢力の候補、アレクセイ・ナワリヌイ氏は立候補を阻まれていた


<解説>自信満々の訪問―カティヤ・アドラー欧州編集長

小国オーストリアはウラジーミル・プーチン氏に大きなチャンスを与えている。経済的にも、地政学的にも。

プーチン氏は、4年前にクリミアを併合して以降、西側諸国から強いられた孤立や経済制裁から脱却するのに躍起になっている。

彼は、欧州各国とトランプ米政権との間の緊張関係による西側の困難な状況についても承知しており、そこにつけ込もうとしている。

もちろんEUは、シリアとウクライナでのロシアの役割や、英国での元スパイ毒殺未遂疑惑、最近行われた新たな弾道ミサイル実験などに今も憤慨している。しかしプーチン大統領は、エネルギーが欧州をロシアと結び付けていると知っている。

オーストリアは50年前、当時のソビエト連邦からガスの輸入を始めた最初の西欧の国だ。現在、欧州で消費されるガスの3分の1はロシアから来ており、その量は増加している。

ロシアの大統領は、ウィーンに自信満々で降り立つことだろう。


(英語記事 Russia not aiming to divide EU - Putin

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