スペイン新内閣、女性閣僚が男性上回る 17人中11人

Three of the new ministers in the new Spanish government: L-R Nadia Calviño, Carmen Calvo and María Jesús Montero Image copyright EPA
Image caption 左からナディア・カルビーニョ経済相、カルメン・カルボ副首相、マリア・ヘスス・モンテロ財務相

スペイン社会労働党(PSOE)のペドロ・サンチェス新首相は6日、内閣名簿を発表した。17人中11人が女性で、女性閣僚の割合としては欧州で最多となった。

フェミニストを自称するサンチェス首相の人選は、先に不信任決議を受けて辞任したマリアノ・ラホイ前首相の男性ばかりの内閣とは対照的だ。

女性閣僚は、国防相、経済相、財務相、教育相といった要職に就いている。

男性では、元宇宙飛行士のペドロ・デューケ氏が科学相に就任した。

<おすすめ記事>

党内の人材と政界外からの専門家を登用したサンチェス氏の新内閣は、スペイン国内で「フェミニスト内閣」と呼ばれている。テレビでの演説でサンチェス首相は、新政権は「現代化され、かつ親欧州の進歩的な社会というビジョンを共有している」人々で成り立っていると説明した。

同首相は欧州を「我々の新たな母国」と呼び、新内閣は国際女性デーの3月8日に行われたフェミニスト運動による変化を真摯に反映したものと話した。国際女性デーにはスペイン全土で推定500万人もの女性がストライキに参加し、賃金格差や性的暴行に抗議した。

サンチェス首相は、このストライキがスペイン社会の転機となったと話した。

サンチェス内閣の面々は?

副首相にはPSOEのカルメン・カルボ氏が選ばれ、復活した平等相も兼任する。その他の要職は以下のとおり。

  • 財務相:元アンダルシア州議員のマリア・ヘスス・モンテロ氏
  • 経済相:欧州委員会予算総局長のナディア・カルビニョ氏
  • 法相:テロ対策検事のドロレス・デルガド氏
  • 国防相:サンチェス首相の側近、マルガリータ・ロブレス氏
  • 教育相:PSOE党員で長く教育に携わってきたイザベル・セラア氏
  • 外相:元欧州議会議長のジョセップ・ボレル氏
  • 内相:同性愛を公表している唯一の裁判官で、元中央管区裁判長のフェルナンド・グランデ・マルラスカ氏

サンチェス首相を含めた閣僚18人に対する女性の比率は61.1%で、スペイン史上最も高い比率となった。

内閣の女性比率が50%を超えている国は世界にも数えるほどしかない。これにはフランスやスウェーデン、カナダが含まれる。

Image copyright ESA-S. Corvaja 2003
Image caption 元宇宙飛行士のドゥーケ氏は2003年に国際宇宙ステーションで任務に当たった

保守系の国民党(PP)のマリアノ・ラホイ党首は2011年に政権を樹立したものの、先に議会で不信任決議案が可決され、退陣に追い込まれた。

PSOEのサンチェス氏はPP党内の汚職スキャンダルを受け、野党6党からの支持を集めてラホイ氏を辞任に追い込んだ。ただ、PSOEは議会で4分の1議席しか保有していない。

ラホイ氏は6日、政界からの引退を示唆し、「政治に献身するより、人生では他にやることがある」と話した。

その上で、「私は非常に緊迫した政治生活を送ってきたが、これ以上とどまることに意味を感じない」と付け加えた。

新首相は才能を求めて党外に目を向けた ―ジェイムズ・バドコック、ジャーナリストマドリード

ペドロ・サンチェス首相は、「PSOE主導の、ジェンダー平等性のある」政権を作ると約束していた。実際には、政権はPSOE一色にはならなかった。テクノクラート(実務者)が中核を占めているほか、現時点では女性が大多数を占めている。

サンチェス首相は支持率を獲得する公式を求めている。2年以内に総選挙を行うと公約しており、またラホイ前政権の2018年度予算を持ち越しているからだ。

サンチェス氏率いるPSOEは下院350議席中84議席しか持っておらず、改革推進には困難が予想されるが、少なくともスペインの有権者の前に魅力的な計画を提示できると願っている。

同氏は党内外から才能ある人々を集めるよう努力した。新内閣の女性閣僚には、気候変動条約の交渉官や欧州連合(EU)の高官、スペインの対テロ検察当局のトップが名を連ねている。

(英語記事 Women outnumber men in new Spain cabinet

関連トピックス

この話題についてさらに読む