サッカー・ロシアW杯 LGBTや非白人向け「安全地帯」が強制退去 開幕前日に

Gay rights activists march in Russia's second city of St Petersburg on 1 May 2013

サッカーのワールドカップ(W杯)が開催中のロシアで、性的、あるいは民族的マイノリティーのファンのための「安全地帯」を提供していた団体が、開幕前日にサンクトペテルブルクの拠点を強制退去させられていたことが、17日までに分かった。

「ダイバーシティー・ハウス」はW杯開催期間中、同性愛者や非白人のサッカーファンが安全に試合を見られる場所を提供する予定だった。

しかし、直前になってビルのオーナーがこの団体に立ち退きを求め、契約も解除した。

現地のダイバーシティー・ハウス運営者はBBCの取材に対し、「彼らはとても無礼な態度で立ち退くよう言ってきた。電力を切り、何も説明しなかった」と話した。

ダイバーシティー・ハウスを計画したサッカー関連の反人種差別団体FAREは、今回の強制退去について、政治的な動機が背景にある可能性があるとしている。

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FAREのピアラ・ポワール氏は16日に発表した声明で、「ロシアの力強い保守的な政治権力によって、いかに人権をめぐる論争が押さえ込まれているかを示す政治的な攻撃だ」と述べた。

またロシア国内、特にサンクトペテルブルクでは人権団体が長年にわたり、法律を根拠として閉鎖を迫られたり圧力を掛けられていると話した。

FAREはダイバーシティー・ハウスについて、別の拠点を見つけて開業していると付け加えた。

ロシアでは1993年に同性愛が違法でなくなったが、偏見が根強く残っている。ロシア議会は5年前、未成年に対する「伝統的でない性的関係の宣伝」を有罪とする法律を可決した。

国際サッカー連盟(FIFA)は今回の件について、サンクトペテルブルク当局に解決策を見つけるよう通達したほか、こうしたことが起きたのは「残念だ」としている。FIFAはFAREと協業している。

今回のW杯に際しては、モスクワにもダイバーシティー・ハウスが設けられている。これらの施設ではサッカー関連の展示のほか、試合のビューイング、討論、ロシアのサッカーファンや市民との会合などが開かれている。