「どうでもいい」 子供の移民収容所に向かうメラニア夫人のコートに

メラニア・トランプ氏がテキサス州に向かう飛行機に搭乗する際着ていたコートに注目が集まった Image copyright Getty Images
Image caption メラニア・トランプ氏がテキサス州に向かう飛行機に搭乗する際着ていたコートに注目が集まった

メラニア・トランプ米大統領夫人が21日、米テキサス州にある子供の移民の収容施設を訪れた。この時に着ていたジャケットコートの選択について、批判の声が上がっている。

テキサス州に向かう飛行機に搭乗する際、背中に「私には本当にどうでもいい。あなたは?」と描かれたコートを着ていたことで、メラニア氏は注目を浴びた。

メラニア氏の報道官は、元ファッションモデルのメラニア氏がした衣服の選択について「隠れた意味はなかった」と述べた。

トランプ大統領は同日、国防総省に対して、米国に不法入国し拘束された子供の移民を収容するため、古い米軍基地に最大2万人分のベッドを用意するよう指示した。トランプ氏は前日に議論となっていた家族と子供を引き離す移民政策を撤回している。

米軍基地を活用する案は先月、米メディア各社の報道で明らかになった。一人で国境を渡った子供、あるいは不法入国後に家族と引き離された子供の両方が対象となっている。

トランプ政権はまた、裁判所の判断によって定められた、親が不法移民で訴追されている子供たちを保護できる期間の延長を求めている。

ソーシャルメディア上で騒動を引き起こしているメラニア夫人のコートはスペインのブランド、ザラのもので、価格は39ドル(約4300円)。

ドナルド・トランプ米大統領は騒動を受け、「『私には本当にどうでもいい。あなたは?』と背中に書かれたメラニアのジャケットは、フェイクニュースメディアについて言及したものだ。メラニアは連中がどれだけ不誠実かを知り、本当にもうどうでもいいと思ったのだ!」とツイートした。

メラニア氏が着ていたジャケットの無作法と、かなり明白な意味合いに対する、ツイッター利用者の批判は早かった。

デニズカン・グライムズ氏は、「一つはっきりさせておこう。メラニア・トランプはうっかりして30ドルのジャケットを着たのではない。この旅行で着ていた他の服は、デザイナーによるとても高価なものだった。これは故意だ」と投稿した。

ロブ・ロイヤー氏は、「メラニアが『どうでもいい』ジャケットを着たのは、マリー・アントワネット以降、世界で一番空気を読めていない行動だ」とツイートした。

「キランS」さんはツイッターに、「メラニア・トランプは『最高になろう』キャンペーン(編注:いじめから子供を守ろうと訴える運動)を始めた。それから、『私には本当にどうでもいい』と書かれたジャケットを着た。国境沿いにある、移民の子供たちを収容する施設に向かう途中に。すごい。本当にすごい。私の想像では、キャンペーンを始めた時に『Opposite Day』(服や靴を左右や表裏などあべこべに着ていく日について歌った子供向けの曲)でも歌っていたんだろう」と投稿した。

米メディア「アクシオス」でヘルスケア担当編集長を務めるサム・ベイカー氏は、「もしメラニアがあのジャケットを着たのが別の日だったら、写真は『私も同じだ』という言葉と共に8万回ぐらいはリツイート(拡散)されただろう」と述べ、タイミングが違えば、ジャケットがインターネット上で非常に好意的な反応を得られた可能性を指摘した。

出発時の服装に関する写真がインターネット上で拡散してから数時間後、ワシントン郊外にある空軍基地に着陸した飛行機から降りるときにも、メラニア氏は同じジャケットを着ていた。

メラニア氏は大統領用の車列に入る際、記者らからの質問を無視した。

トランプ氏の報道官、ステファニー・グリシャム氏はツイッターに、「今日のテキサス州への子供の移民の訪問は、大統領夫人に大きな影響を与えた。もしメディアがその時間とエネルギーを、メラニア氏の衣装棚への注目でなくメラニア氏の子供を助けようとする行動と努力に使えば、私たちは子供たちにとても大きなことを成し遂げられた」と書き、メラニア氏の服の選択に注目する米メディアを激しく批判した。

メラニア氏はテキサス州に到着した際には問題のコートを着ている姿を見られなかったが、ワシントンに戻る帰路では再び着用していた。

21日のメラニア氏による収容施設訪問は、予告されていないものだった。メラニア氏は訪問時、家族から引き離された移民の子供たちを再び家族と出会わせたいと語っていた。

メラニア氏が訪問したのは、中米から来た数十人の子供たちが収容されている、連邦政府が出資するテキサス州の施設「ニュー・ホープ・チルドレンズ・センター・イン・マカレン」。メラニア氏の夫であるトランプ大統領の政権が、家族と子供を引き離す移民政策に対する非難の嵐を鎮めようとしている最中だった。

施設にいる子供55人の多くは、同伴者なしで国境を越えてきた。しかし、不法移民に対するトランプ政権の断固とした措置の一部によって、両親から引き離された子供も何人かいた。

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Image caption 飛行機がテキサス州に到着し、降りてきたときには、メラニア氏はザラのコートから着替えていた

施設の企画ディレクター、ロジェリオ・デ・ラ・セルダ・ジュニア氏はメラニア氏に対し、施設にいる子供たちの多くはグアテマラ出身で、子供たちは最初に施設を訪れた時には通常「非常に取り乱している」ことが多いと話した。

メラニア氏は子供たちが授業を受けている中に混ざり、施設にどれぐらい長い間いるのか、両親とはどれぐらいの頻度で話せるのかなどを質問した。

「他の人に優しく、態度良くしてください。いいですか?」とスペイン語の通訳を介してメラニア氏は話した。

メラニア氏は他の子供たちのグループには「幸運を」と話した。

メラニア氏が衣服をめぐって批判を浴びたのは今回が初めてではない。

ハリケーン・ハービーで被害を受けた人たちを昨年訪問した際には、スティレット・ヒール(ヒールが細くとがっている靴)を履くなどおしゃれな衣服を着て空港へと向かう写真がソーシャルメディア上で怒りの声を呼び起こした。

当時メラニア氏はテキサス州への到着前にトレーナーへと着替えていたが、衣服の決定に疑問を投げかけ続ける人もいた。

俳優で脚本家のトッド・スタシュウィック氏は当時、着飾ったメラニア氏とドナルド・トランプ氏の写真に「人々の状況をよく理解していると伝えるのに、これ以上のものはない」と皮肉ったコメントを添えてツイートした。


<解説>困った空気の読めなさ――キャティ・ケイ BBCワールドニュース・プレゼンター(ワシントン)

メラニア・トランプ氏の親身なメキシコ国境訪問よりも、同氏のコートの背中に書かれた冷たいメッセージの方が注目されてしまったかもしれない。

テキサスまで飛行機で行き、子供たちを訪問し、施設の職員と話し、痛ましい体験談に心を寄せるというメラニア夫人の労力は、わざわざ無神経な服装選択のために台無しにされてしまい、夫人の真心を疑わせる結果になった。

ホワイトハウスの注意深い手続きの中で、なぜこのコートが見落とされたのかは定かでない。しかし、これは彼女のスタッフによるミスだ。

メラニア氏の思いやりについては、疑わしいが好意的に解釈したい。しかし、もしメラニア氏が考えなしに着るものを選んだのなら、困った空気の読めなさだ。


(英語記事 Melania wears 'I really don't care do u?' coat on migrant visitMigrant children: Pentagon asked to house migrant minors

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