トランプ氏、ハーレーダビッドソンに「辛抱しろ!」 米国外への生産拠点移転めぐり

ハーレーダビッドソンは、EUの関税によるコスト増は「相当な」重荷で、拡大を目指してきた海外市場での売り上げを脅かすと説明した

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ハーレーダビッドソンは、EUの関税によるコスト増は「相当な」重荷で、拡大を目指してきた海外市場での売り上げを脅かすと説明した

ドナルド・トランプ米大統領は25日、欧州連合(EU)による関税を回避するため生産拠点を米国から移転すると表明した米二輪車メーカーのハーレーダビッドソンを批判した。

トランプ大統領は、ツイッターで、ハーレーダビッドソンが「最初に白旗を揚げたのには驚いた」と述べ、「彼らのため懸命に戦った」と付け加えた。

EUは今月、米国が安全保障を理由に鉄鋼・アルミ製品の輸入品に対する追加関税を導入したことを受け、二輪車などの米国製品に25%の追加関税の報復措置を発動した。

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トランプ大統領は、「よりによってハーレーダビッドソンが最初に白旗を揚げたのには驚いた。彼らのために懸命に戦ったし、最終的にはEU内での販売に関税は払わなくて良くなった。EUは貿易で我々に大きな損害を与えている。1510億ドルもだ。税はハーレーの単なる言い訳だ。辛抱しろ!」とツイートした。

サラ・サンダース大統領報道官は25日の記者会見で、EUが「不公正で差別的な貿易政策で米国の労働者を罰しようとしている」と語った。

サンダース氏は、「トランプ大統領は今後も自由で公正で互恵的な貿易を推進し、EUも同調してくれるのを期待している」と述べた。

米西部ウィスコンシン州に本社があるハーレーダビッドソンは、EUの関税によるコスト増は「相当な」重荷で、拡大を目指してきた海外市場での売り上げを脅かすと説明した。

同社の組み立て工場は、米国のほか、オーストラリアやブラジル、インド、タイにある。

EU関税のコストを吸収

ハーレーダビッドソンは、国は特定しなかったものの海外工場での投資を増加させるとし、生産移管には9カ月から1年半かかると述べた。

同社は、EUの関税が現在の6%から31%に引き上げられることで、米国からEUに輸出されたバイク1台あたり平均2200ドル(約24万円)のコスト増になると明らかにした。

欧州で昨年4万台近くを販売したハーレーダビッドソンは、コスト増を顧客に負担させるのは販売に悪影響が及ぶ可能性があるため、自社努力で吸収すると述べた。

トランプ大統領が鉄鋼・アルミ製品への追加関税を決定して以来、今回の動きで最もはっきりした影響が出た。

トランプ大統領は、米国の国家安全保障に不可欠な鉄鋼・アルミニウム産業を保護するために追加関税が必要だとしている。

米国の追加関税に対して、EUやカナダ、メキシコ、インドなどが報復措置を表明した一方、米国内の製造業が原料とする金属の価格上昇も生じている。

米国では、ボートやくぎの製造業者など幅広い企業が貿易上の対立による影響を警告している。

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ハーレーダビッドソンが昨年欧州で販売したバイクの台数は3万9773台。EUは関税を6%から31%まで引き上げる。バイク1台当たりのコストは2200ドル上昇。同社全体で今年、4500万ドルのコスト増を見込んでいる(同社調べ)