豪の地上絵「マリーマン」 発見から20年も作者は不明のまま

フランシス・マオ、BBCニュース、シドニー

A 2016 picture of the Marree Man artwork in South Australia Image copyright PHIL TURNER
Image caption マリーマンは1998年に発見された

オーストラリア中部で人間を描いた巨大な地上絵をヘリコプターのパイロットが見つけてから、今週で20周年となる。

全長4.2キロのこの絵は南オーストラリア州の人里はなれた高原地帯で発見された。オーストラリアの先住民アボリジニの狩人を描いたものだとみられている。

近くの町の名前から「マリーマン」と名付けられたこの絵は、地上絵として世界最大の大きさを誇る。

しかし、誰がなぜ描いたのかといった謎は残っている。

オーストラリアの実業家ディック・スミスさんは今週、この作品の出典を示す情報に5000豪ドル(40万円)を出すと発表した。

スミス氏は出演したテレビ番組で、「なぜ20年も秘密にされていたのか?」と話した。

「プロの仕事」

マリーマンは、アデレードから700キロ離れた砂漠地帯で発見されて以来、人々をひきつけている。

地上から見るには大きすぎるため、観光フライトでの人気スポットとなった。

Image caption マリーマンの場所

地元メディアによると、マリーマンの外周は28キロ、線の深さは35センチだという。

地元の住民は、この絵がアボリジニが狩りで使う投げる武器ウォーメラを左手に持った図だと信じている。

マリーの町でパブを営むフィル・ターナーさんは、この絵はGPS(全地球無線測位システム)を使って「プロ」が描いたものだと疑っている。

「これを描いた人物は、10メートルごとに竹のくしを目印に立てている」とターナーさんはBBCに話した。

「協力者がいなければ、自分がマリーマンの左のつま先にいるのか、ひじのところにいるのか分からないだろう。当時のGPS技術は初期段階だったことを考えると、これは極めて素晴らしい偉業だ」

スミスさんも出演したABC放送の番組内で、「この絵には間違いがない。プロの仕事だ」と同意している。

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Image copyright PHIL TURNER
Image caption マリーマン作成に使われたとみられる木の杭

発見以来、作成者に関するさまざまな説が流れている。

ヘリコプターのパイロット、トレバー・ライトさんは1998年6月26日、全くの偶然でマリーマンを見つけた。しかし同時期、マリーマンの存在を知らせる匿名のファクシミリが地元の企業やメディアに送られた。

このファックスが米国の英語つづりと参考資料を付けていたため、作成者は米国人ではないか疑う声もある。現場からは、米国旗とオリンピックのロゴをあしらったプレートも見つかっている。

他には、こうした証拠は故意に置かれたもので、地元のアーティストやオーストラリア軍の関与を示唆する意見もある。

「さまざまな意見」

マリーマンが描かれた地域は、伝統的にアボリジニのアラバナ人が所有している。

この地域を管理するアラナバ・アボリジナル・コーポレーションのロレイン・メリック理事は、1998年にマリーマンが出現したとき、アボリジニの中には土地を汚されたと怒る人もいたと話す。

また、「今はさまざまな意見がある」と付け加えた。

その上でメリック氏は、管理団体としてはマリーマンをアイコンだと考えていると話した。

「マリーマンは今正にここにあって、時計を戻すことはできない」

「我々にとっては、マリーマンの将来について明確な戦略を作ることが大事だ」

マリーマンは年を追うごとに消えてきている。地元の住民は2016年、アラバナの人々の許可を取って、機械を使って修復を行った。

メリック理事は、「謎が魅力の一部かもしれない。でも私の元に来て誰が作ったのかなどと聞く人はいない」と話した。

(英語記事 Who carved a massive man in the outback?

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