【サッカーW杯】メッシとロナウド、二大選手が決勝T1回戦で敗退

エマ・サンダース、BBCスポーツ

Lionel Messi and Cristiano Ronaldo Image copyright Reuters
Image caption アルゼンチン代表リオネル・メッシ(左)とポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウド

開催中のワールドカップ(W杯)ロシア大会は6月30日、1970年以降の決勝トーナメントで最も多く点数の入った日となった。しかしその日、史上有数の選手に数えられる2人がゴールネットを揺らすことはなかった。

アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(31)とポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(33)は共に1回戦で決定打を放つことができず、(優勝を目指していたかもしれない)両国のW杯は終わった。

アルゼンチンはフランスに3-4で、ポルトガルはウルグアイに1-2でそれぞれ敗れた。メッシもロナウドも年齢的に、自分がW杯の優勝杯を手にする可能性の急減を自覚しているだろう。

「メッシの敗退は悲しい」

メッシは試合後に意気消沈していた。キャプテンの腕章を取り、重い足取りでカザン・スタジアムのピッチを歩き、振り返ることもなく控え室へと入っていった。

メッシは全てを出し切った。情熱的でドラマチックな対戦で、2回のアシストを決めた。しかしそれでは足りなかった。

元ドイツ代表でW杯優勝経験もあるユルゲン・クリンスマン氏は、山あり谷ありの戦いでアルゼンチンの期待を担ったのはメッシだったが、そのメッシをアルゼンチン代表はついぞ「見つけられなかった」と指摘した。

「メッシは前半とことん囲まれ、後半はボールにほとんど触れなかった」

メッシはFCバルセロナでは実力を発揮できる状況を与えられているが、アルゼンチン代表にはそれができなかった。メッシが試合中にペナルティーエリア内でボールを受けたのはわずか4回。フランス相手に、シュートを放ったのは1回だけだった。

2016年にアルゼンチン代表から退きながらも、翌年にはその決断を撤回したメッシだが、今回またしても国際試合で苦い経験を重ねる羽目になった。

スペインのサッカー専門家ギレム・バラゲ氏は、「世界最高峰の選手かもしれないメッシの敗退を見るのは悲しい」と話した。

「メッシは、このチームでは自分の仕事しどころがあまりないのを承知していた。自分1人で何もかもやるのは無理なことも、承知していた。今回のアルゼンチンにあるのは気持ちだけで、チームはバラバラだった。フランスは勢いに乗り、優れたチームが勝った」

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本人が期待したほどの成果は上がらなかったかもしれないが、メッシにとってロシア大会は盛りだくさんな内容だった。

初戦のアイスランド選ではペナルティーキックを外し、敗れたクロアチア戦では、試合前の国歌斉唱の時点で苛立っている様子を見せただ。

グループステージ最終戦のナイジェリア戦では先制点を決めて最優秀選手に選ばれ、アルゼンチンを決勝トーナメントへ導いた。しかしその後、必勝の圧力がかかる試合でのプレッシャーにについて「こんなに苦しんだことは記憶にない」と語った。

メッシが選手選びや戦術の決定にも介入していたという報道さえあった。ホルヘ・サンパオリ監督はこれを否定している。

フランス戦敗退後、サンパオリ監督はアルゼンチン代表がメッシを助けるために「もてるものを全部使おうとした」と話した。

「うちには世界最高の選手がいる。素晴らしい瞬間をたくさん作れるはずの選手を最大限に活用するため、チーム全体で状況を作ろうとした」

その努力は、最終的には失敗した。

メッシW杯での意外な成績

  • 2006年以降のW杯決勝トーナメントで、メッシは計756分プレイしながらゴールを1本も決めていない
  • ナイジェリア戦での得点は、W杯では662分ぶりのゴールだった
  • W杯1次リーグで決めた6点のうち、3点をナイジェリア相手に決めている
  • 決勝トーナメント1回戦で両チームが放った枠内シュート8本のうち、決まらなかったのはメッシが85分で放った1本だけだった
  • メッシは今大会1次リーグで最初の2試合でどの選手よりも多い最多12シュートを放ったが、1本も入らなかった
数字で見るメッシのW杯
試合数 出場時間 ゴール アシスト 戦績 個人受賞
2018 4 360 1 2 ベスト16
2014 7 693 4 1 2位 ゴールデンボール(大会最優秀選手)
2010 5 450 0 3 準々決勝
2006 3 122 1 1 準々決勝

ロナウドは「まだ貢献できる」

ロナウドがグループステージ初戦のスペイン戦でセンセーショナルなフリーキックを決め、ハットトリックを達成したとき、今回のW杯とゴールデンブーツ(得点王)の座はロナウドのものかと思ったのではないか。なんといってもロナウドは、昨季のバロンドール(仏誌「フランス・フットボール」が毎年選出する欧州最優秀選手)受賞者なのだ。

ロナウドは続くモロッコ戦でも強烈な働きを見せて勝利を奪ったが、イラン戦ではペナルティーキックを外したほか、警告されたひじ打ちで危うくレッドカードを出されるところだった。イラン相手に引き分けた結果、決勝トーナメントに進みはしたものの。

そしてメッシと同様、ロナウドも決勝トーナメント1回戦で貢献できず、敗退を防げなかった。ウルグアイ戦ではエディンソン・カバーニが2得点を決め、ポルトガルは1-2で敗退した。

2016年欧州サッカー連盟(UEFA)チャンピオンズリーグを制したロナウドにとって、国際試合での活躍はもうおしまいなのだろうか。

ポルトガル代表のフェルナンド・サントス監督は試合後、主将のロナウドには「まだサッカーに貢献できることがある」と話し、代表からの引退は考えていないだろうと述べた。

「9月にはUEFAチャンピオンズ・リーグがある。クリスティアーノが共に戦い、他の選手の成長を助けてくれることを望んでいる」

「キャプテンがその場にいることが大事だ。ロナウドはいつでも、チームのためにいてくれる」

ロナウド、W杯での意外な成績

  • スペイン戦での3点目は、ロナウドが主要大会でポルトガル代表として決めた初のフリーキックだった。45回目の挑戦だった
  • 主要大会でポルトガル代表としてのロナウドのペナルティーキック成功率は50%。2006年大会のイラン戦と今大会のスペイン戦で2点を挙げているが、2016年にはイラン戦とチャンピオンズ・リーグでのオーストリア戦でそれぞれ1回失敗している。
  • これまでW杯決勝トーナメントで計514分プレイしているが、一度もゴールもアシストも決めていない
数字で見るロナウドの成績
試合数 出場時間 ゴール アシスト 戦績
2018 4 360 4 0 ベスト16
2014 3 270 1 1 グループステージ
2010 4 360 1 1 ベスト16
2006 6 484 1 0 準決勝

(英語記事 Ten goals, no GOATs - farewell Messi & Ronaldo

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