【サッカーW杯】主催国ロシア、PK戦でスペイン下しベスト8へ

クリス・ベバン、BBCスポーツ記者

Igor Akinfeev Image copyright EPA

サッカー・ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦で1日、主催国ロシアがペナルティーキック戦の末、4-3で2010年優勝のスペインを下し、48年ぶりにベスト8に進出した。

試合は1対1のまま今大会初の延長戦に突入し、そのままPK戦に。ロシアのGKイゴール・アキンフェエフはスペインのMFコケとFWイアゴ・アスパスのゴールを食い止め、PK戦の英雄としてルジンスキ・スタジアムを狂喜に沸かせた。

一方スペインのGKダビド・デ・ヘアは、ロシアのFWフョードル・スモロフが放った1本目にこそ手が届いたものの、これがセーブに最も近かったプレーで、ロシアは残りのPKを華麗に決めた。

スタニスラフ・チェルチェソフ監督率いるロシアは、FIFAランクが出場32か国中最下位の70位で、スペインとは60位の差があった。ロシアは7日、ソチでクロアチアと対戦する。

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ロシアの誰も予想しなかった勝利は、120分間のほとんどを断固としてディフェンスに費やした結果であり、その間にも応援の叫びを上げ続けた何千人ものファンにも勝因の一端がある。

実際、ロシアのDFセルゲイ・イグナシェビッチがオウンゴールでスペインに専制をした時、スペイン側に苦難が来る予兆はほとんどなかった。

スペインのMFマルコ・アセンシオがファーサイドに送ったフリーキックを39歳のベテラン、イグナシェビッチがDFセルヒオ・ラモスから守った際、左足に当たったボールが味方のゴールネットを揺らしてしまった。

しかし、フェルナンド・イエロ監督率いるスペインは圧倒的なボール支配率をさらなるチャンスにつなげられず、ハーフタイム直前につけを支払うことになる。

ロシアのFWアルテム・ジューバがコーナーキックに合わせたヘディングが、DFジェラール・ピケの腕に当たり、PKに。ジューバがデ・ヘアが飛んだ反対側にゴールを決め、スタジアムは喝采に包まれたが、それはこれが最後ではなかった。

後半も試合の流れは変わらず、スペインがロシアの鉄壁のディフェンスを抜けようとするが、まともなシュートのチャンスにまでつなげる想像力が足りなかった。

MFアンドレス・イニエスタだけが、スペインがこう着状態を脱するチャンスを作り出した。後半に交代でイニエスタが入ると、チームの行方を心配したロシアサポーターの声がスタジアムを覆った。

しかし延長戦に入ってスペインがゴールへの希望を持った時、アキンフェエフはFWロドリゴ・モレノのシュートを止め、試合を自分が最後の要となるかもしれないPK戦にもつれ込ませた。

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「勝ち目なしから準々決勝へ」

ロシアはW杯が始まった時、ほとんどの観客から勝ち目がないと思われていた。ソビエト連邦崩壊後初の決勝進出が決まった時でさえも、勝利は手に届かないところにあるとみられていた。

試合開始直前でも、スタジアムの外にいたサポーターたちの多くはロシアが敗北するだろうと思っていたが、ふたを開けば、開催国のロシアは1970年のメキシコ大会以来初の準々決勝進出を決めた。

当時は、伝説的な名ゴールキーパー、レフ・ヤシンの時代で、今回の記念すべき勝利に最も貢献したのがゴールキーパーのアキンフェエフだというのも、何か因縁めいたものが感じられる。

キャプテンのアキンフェエフは現在32歳。代表選手としての出場111回目を数えた今回、アキンフェエフは最高の舞台で最高のパフォーマンスをした。

ロシアの強力な守備陣のために、スペインが放った計24シュートにアキンフェエフが脅かされる場面は少なかったが、ジョルディ・アルバの攻撃を止める際に素晴らしい対応を見せ、イニエスタの初のシュートを巧みにかわし、ロドリゴが軽やかな身のこなしで迫ったときも阻止した。

PK戦でも、重要な場面でアキンフェエフはセーブに成功。「コケ」ことホルヘ・レスレクシオンのさえないシュートをはじくため右側に体を投げ出し、イアゴ・アスパスが真正面に押し込もうとする球を、右に倒れながらも足でとらえた。

マン・オブ・ザ・マッチ― GKイゴール・アキンフェエフ(ロシア)

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「自分に責任」――試合後のコメント

スペイン代表監督のフェルナンド・イエロ監督: 「残念だが、これが結果だ。誰かのせいだとは思っていない。しかしながら、自分の責任は認めるし、責任逃れはしない。ベストを尽くそうとしたが、これがサッカーというものだ。チームがばらばらに崩壊しているとは思わない。勝ち負けは紙一重だ」

ロシア代表のゴールキーパー、アキンフェエフ選手: 「PKに期待していた。素晴らしいワールドカップ体験をしている。我々のファンだけでなく、ほかの国のファンたちもこの空気を感じていて、ロシアがサッカーを本当にプレーでき、またプレーしたいと思っていると理解した」

「1006パスでもゴールは1」――記録でみた試合

  • スペインのパスは計1006回で、ロシアがワールドカップの4試合でこれまでにしたパスの合計(1027回)よりも21回少ないだけ
  • ロシアは旧ソ連崩壊以来、初めてベスト8への進出を決めた
  • スペインがワールドカップのPK戦で負けたのは3回(1986年の対ベルギー戦、2002年の対韓国戦、そして今回)
  • 今大会でアルテム・ジュバは、3回のシュートですべてゴールを決めている
  • ロシアのベテラン・ディフェンダー、セルゲイ・イグナシェヴィッチはオウンゴールをしてしまったW杯で史上最年長(38歳352日)の選手になった
  • PK戦含め、スペインのゴールキーパー、ダビド・デ・ヘアは今大会中の4試合でセーブができたのは1回のみ
  • スペインは前半29分52秒間、リードを保った(開始後12~41分)が、45分目までシュートをしなかった
  • セルヒオ・ラモスはW杯での試合出場回数が17回と、スペイン代表選手の中の歴代記録を持つ元代表ゴールキーパー、イケル・カシージャスに並んだ

(英語記事 Russia stun Spain on penalties to reach World Cup quarter-finals

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