ホッキョクグマに襲われカナダ人男性死亡 子供を守り

ギボンズさんを襲ったホッキョクグマは近くにいた大人に射殺された。現地の自然保護官が調査するという
Image caption ギボンズさんを襲ったホッキョクグマは近くにいた大人に射殺された。現地の自然保護官が調査するという

北極圏に近いカナダのヌナブット準州で3日、ホッキョクグマが人間を襲い、男性が子供を守って死亡した。ホッキョクグマが人間を襲うのは珍しいという。

アーロン・ギボンズさん(31)は3日、釣りや狩猟の名所として有名なハドソン湾西岸のセントリー島でホッキョクグマに遭遇した。

親族は、娘に駆け寄り、ホッキョクグマと娘の間に立ちはだかったギボンズさんを「英雄として死んだ」と述べた。

子供にけがはなかった。しかし、攻撃を受けたギボンズさんは死亡した。ホッキョクグマはその後、別の人に射殺された。

「彼は子供と休日を楽しんでいた」とギボンズさんのおじにあたるゴーディ・キドラピクさんはカナダの現地メディアに語った。「子供の1人に忍び寄り、襲ってきたクマに、彼らは驚かされたことだろう」。

ギボンズさんは普段、アウトドアに出かける際にはライフル銃を持っていたが、警察によるとこの時ギボンズさんは武器を身につけていなかった。

現地メディアによると小学生くらいという少女グループの1人は、船の無線を通じて助けを求めた。

「我々は実際、助けを求める声を聞いた」とキドラピクさんは話した。「聞くのは恐ろしかった」。

キドラピクさんはツイッターに、「イルングタク(地元住民の言葉で『小さい子供』を意味する言葉)の声を聞いた。襲われたすぐ後、彼の若い娘がCB無線を使い、彼女の祖母、私のアイク(『年老いた女性』を意味する言葉)に叫んでいた…私たちはとても絶望的な気持ちになった。私のアイクがカンギアク(『若い男性』を意味する言葉。ギボンズさんを指す)に、無事かどうか尋ねた…本当に胸が張り裂けそうだ。彼の遺体は11時15分に収容された」と投稿した。

ギボンズさんの死は、現場から約10キロ離れたギボンズさんが住んでいた町アービアットにも衝撃を与えた。この町では北に移動するシロクマが頻繁に目撃されるようになっている。

「ただすごく悲しい」と地元弁護士のジョン・メーンさんはカナダの公共放送CBCに語った。「小さなコミュニティーなので、このようなことが起きるとコミュニティー全体が影響を受ける」。

アービアットでは昨年、シロクマの目撃情報が380件に上った。先住民族イヌイットが大多数を占める町では、住民の安全確保への懸念が高まっている。

専門家たちによると、西ハドソン湾に生息するシロクマの数は840頭と安定した数を保っている。しかし、シロクマの体格が小さくなったことや状態が良くないことも指摘している。

キドラピク氏はツイッターで、この地方で開かれているシロクマ観察ツアーが人間を恐れなくさせており、それが人間を襲いやすい状況を作っていると主張した。

同氏はツイートに、「『クマたちと歩くツアー』に言いたい。チャーチル(アービアットの南にある町)のすぐ北に我々は住んでいる。ツアー参加者の近くに来させているのと同じクマたちが、南からの移動で我々の町を通るんだ」と書き込んだ。

地元当局によると、カナダ・ヌナブット準州でシロクマの襲撃による犠牲者が出たのは、これまで2000年が最後。アービアットからハドソン湾の海岸を約200キロ北に行った場所で起きていた。

(英語記事 Polar bear killed Canadian man protecting his children

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