「夢は死にかけ」ジョンソン外相辞任 英ブレグジット政局

Boris Johnson, Theresa May, Jeremy Hunt Image copyright PA
Image caption 左から、ジョンソン前外相、メイ首相、ハント新外相

テリーザ・メイ英首相が閣議で了承を得た英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)計画をめぐり、ブレグジット担当相の辞任に続き、離脱推進派のボリス・ジョンソン外相が9日、辞任した。メイ首相はジェレミー・ハント保健相を後任の外相に選んだ。

ブレグジットの是非を問う国民投票に向けて離脱派の動きを推進したジョンソン氏は、メイ首相が実現しようとしているのは「セミ・ブレグジット(ブレグジットもどき)」だと批判して辞意を表明した。前日には英政府のブレグジット交渉を2016年夏から担当してきたデイビッド・デイビス・ブレグジット担当相が辞任。保守党のスティーブ・ベイカー・ブレグジット担当閣外相も、デイビス氏に続いて辞任した。

ハント保健相の後任には、マット・ハンコック・デジタル・文化・メディア・スポーツ相が就いた。

英国は来年3月29日にEUを離脱する予定だが、その後の英国とEUの関係がどうなるのか、特に貿易の仕組みについて合意が得られていない。

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与党・保守党内でも、実現すべきブレグジットの形について異論がある。そのなかでメイ内閣は6日、ロンドン北西にある首相公式別荘「チェッカーズ」に集まり、EU離脱後のEUとの関係について方針を協議、閣内合意をまとめた。チェッカーズでの閣議では、デイビス氏もジョンソン氏もメイ首相のブレグジット計画に同意していたが、48時間後には両氏とも、計画内容を支持しないので推進に協力できないと辞任した。

新外相として最初のコメントでハント氏は、メイ首相を「確固として」支えるつもりだと明言。「内閣が先週、チェッカーズで合意した内容にもとづき、欧州連合との合意をまとめられるよう」、首相を補佐していく意向を示した。

「いま世界がこの国を眺め、ブレグジット後の世界でどういう国になるのか注目している。世界の人たちに申し上げたい。英国は頼りがいのある同盟国になる。この国の国民が大事と思う価値観のために立ち上がる国、強く自信をもって世界で発言する国になる」とハント新外相は強調した。

一方のジョンソン前外相は、メイ首相への辞表で、ブレグジット後の対EU貿易について首相がまとめた計画を実施すれば、英国はEUの「植民地」になってしまうと警告した。

前外相はブレグジットの「夢は死にかけている、無用な自己不信で窒息させられている」、「代わりにこの国はブレグジットもどきに向かっているようだ。経済の大半はまだEUの仕組みの中に組み込まれ、英国はその仕組みを自分で制御できない」と書いた。

メイ首相は、ジョンソン氏が6日の閣議では自分の提案を支持していたように見えたため、辞意表明は「残念で、いささか意外だ」と述べた。

首相は、内閣が「生産的な話し合い」の末に合意した内容は、「国民投票の結果を尊重」するもので、英国が「自分たちの国境と法律とお金のことを再び自分たちで決められるようにする」内容だと説明した。

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メイ英首相、英・EU自由貿易圏で閣内合意と この後に閣僚辞任

ジョンソン氏の辞任に先立ち、保守党の1922年委員会(保守党議員委員会)では一般議員が首相を面と向かって批判した。同委員会は、首相に対する不信任投票を実施するために必要な48人の署名を集めつつあると言われている。

ハント新外相はキャメロン内閣の2012年から保健相に就任し、メイ内閣発足後も留任した。最近では国民健康保険にあたる国民保健サービス(NHS)の予算200億ポンド増額を実現した。2016年のEU国民投票では残留派として活動。ブレグジット決定後は、「改宗」したと話していた。

辞任したデイビス・ブレグジット担当相の後任には、離脱派のドミニク・ラーブ住宅担当閣外相が就任した。

ただし、BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は、政府幹部ポストのほとんどは今や残留派で占められていると指摘する。

クンスバーグ記者は、メイ首相のチェッカーズ合意を阻止したい反主流派は保守党内に大勢いるが、どこまでその気があるのかは不明だと話す。さらに、デイビス氏とジョンソン氏の閣僚辞任によって、メイ氏にとっては前より扱いやすく自分を支えてくれる内閣になったかもしれないという。

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英国の決定権回復は「幻想」=辞任のブレグジット担当相

(英語記事 Jeremy Hunt replaces Boris Johnson amid Brexit turmoil

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