タイ洞窟から少年とコーチ、全員無事救出

A handout photo made available by Thai Navy Seal Facebook page on 10 July 2018 shows the last four of Thai Navy Seals members, who stayed with the boys and their coach inside a cave until they all were rescued, at the Tham Luang cave in Chiang Rai province, Thailand Image copyright EPA
Image caption 救出作戦の間、洞窟内に少年たちと留まったタイ海軍のダイバーと医師も最後に無事脱出した。4人の写真は10日、タイ海軍特殊部隊がフェイスブックに掲載したもの

タイ北部のタムルアン洞窟で10日夜、中に閉じ込められていた少年12人とサッカー・コーチの計13人のうち、最後の少年4人とコーチが水路を潜り無事脱出した。その約3時間後には、洞窟内で少年たちと留まっていた海軍ダイバー3人と医師も生還した。17日間も洞窟内にいた13人の救出に、タイ国内外で多くの人が安心し、喜んでいる。

タイ海軍特殊部隊はフェイスブックで、「これは奇跡なのか科学なのか、一体何なのかよくわからない。『イノシシ』13人は全員、洞窟から出た」と救助作戦の終了を報告した。「イノシシ」(タイ語で「ムーパ」)は少年たちの所属するサッカー・チームの愛称。

遠足に出かけた11歳から17歳の少年たちと25歳のサッカー・コーチは6月23日、大雨で増水した洞窟から出られなくなった。タイ内外から集まったダイバー約90人などが捜索に当たり、英国人ダイバー2人によって7月2日夜に発見された。地元のチェンライ県知事やタイ海軍特殊部隊が中心となった救助本部は当初、水が引くか、あるいは少年たちが潜水技術を習得するまで時間をかけて脱出させるつもりだったが、雨季による水位上昇と洞窟内の酸素低下の進行が懸念され、8日から3日連続の救出作戦が敢行された。

Image caption 少年たちの脱出方法

ダイバーたちに前後を支えられ、水路内に張り巡らされたガイドロープをたどりながら、潜水経験のない少年たちは脱出した。8日に最初の4人、9日に4人、10日に残る5人が脱出し、ただちに近くのチェンライ市内の病院に搬送された。2週間以上洞窟に閉じ込められていたことを思えば、全員驚くほど心身ともに元気だという。

少年たちとコーチはレントゲンや血液検査などを受けた。少なくとも7日間は、経過観察のために入院を続けるという。

洞窟内の水を飲み、鳥やコウモリの排泄物に接触した可能性のある13人は、病原体に感染しているおそれがあるため隔離されている。家族とはガラス越しに再会したという。

食べ物のほとんどない洞窟内で2週間以上を過ごした少年たちは体重を大幅に落とし、空腹を訴えていた。救出後は好物の豚肉のご飯やパン、チョコレートなどを希望したが、しばらくは流動食が続くという。

さらに、外界の光に目が慣れるまでの数日は、サングラスをかける必要がある。

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救出作戦が終わると、洞窟の出口に集まった救助関係者から大きな歓声が上がった。山のふもとには、少年たちが所属する「ムーパ(イノシシ)」サッカーチームの関係者の家があり、そこに集まった人たちも笑顔で叫んだり歓声を挙げたりした。現場にいたBBCのジョナサン・ヘッド記者は、喜ぶ人たちは「とてもタイ人らしくない様子で」さかんに握手をして回っていたと伝えた。

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少年たちへの精神的影響は? タイ洞窟救助

チェンライ市では、全員脱出の知らせに往来の車は次々にクラクションを鳴らして喜んだ。子供たちやコーチが搬送された病院の外に集まっていた人たちは、一斉に拍手した。

ソーシャルメディアではタイ人の多くが、「#Heroes(英雄)」、「 #Thankyou(ありがとう)」などのハッシュタグを使って、それぞれに思いを表現していた。

Image copyright Getty Images
Image caption 13人は2日、洞窟内の岩場に身を寄せているところを発見された。中央の少年は、サッカーのイングランド代表のシャツを着ている。写真はタイ海軍が4日に公表したビデオより

サッカー界も少年たちとコーチの無事を大いに喜び、英マンチェスター・ユナイテッドやポルトガルのベンフィカが全員を試合に招待した。国際サッカー連盟(FIFA)も、少年たちをロシアで開催されているワールドカップの15日にある決勝戦に招いたが、これは回復が間に合わないという理由で見送られた。

ワールドカップの準決勝に備えるイングランド代表のDFカイル・ウォーカーは、イングランドのユニフォームを少年たちに贈りたいとツイートした。少年の1人は洞窟内で、イングランドのジャージーを着ていた。すると英外務省の公式アカウントがこれに応えて、「やあ、カイル。駐タイ英国大使と話をした。イングランドのシャツを勇敢な少年たちに、喜んで、確実に届けてくれるそうだ」とツイートした。

経験豊富なダイバーにとっても、少年たちのいる場所までの往復は重労働だった。元タイ海軍潜水士のサマン・グナンさんは6日、少年たちに空気ボンベを運ぶ任務を果たして戻ろうとしていたところ、酸素不足で命を落とした。

ダイバーたちが出口まで張ったガイドロープをたどりながら、少年たちは場所によって、歩いたり、水の中を歩いたり、登ったり潜ったりして外に出た。

少年たちは、通常のマスクよりも初心者に適した顔部全体を覆うマスクをかぶった。少年1人につき2人のダイバーが付き、ダイバーが少年の空気ボンベを運んだ。

最も困難なのは、洞窟の中ほどにある「Tジャンクション」と呼ばれている場所で、あまりに狭いため、ダイバーは空気ボンベを外して進む必要があった。

Tジャンクションを抜けると、ダイバー達の基地となっている「第3室」があり、少年たちはここで出口へ向かう前に休息がとれた。

Image caption 少年らの救出経路。下方の赤い丸が少年たちの見つかった場所。人の形が実際の人間の身長。青い部分は潜水しないと進めない。高さが1メートルに満たない箇所もある。トンネル内で最も狭い部分は、人1人がやっと通れるぐらいのスペースしかない。上方の白い部分は、ところどころ浅い水があるが、ほとんどが乾いた岩場

(英語記事 Cave rescue: Elation as Thai boys and coach freed by divers

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