ウィンブルドン ジョコビッチ4度目、ケルバー初の優勝

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テニスのウィンブルドン選手権最終日は15日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで行われ、男子シングルス決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)が4度目の優勝を果たした。14日には女子シングルス決勝で、第11シードのアンゲリク・ケルバー(ドイツ)が、セリーナ・ウィリアムズ(米国)を破り、初優勝した。

テニスにとって神聖な場所

第12シードのジョコビッチは、第8シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)を6-2、6-2、7-6で破り、3年ぶりに優勝した。2016年全仏オープン以来、2年以上ぶり13度目のテニス4大大会(グランドスラム)優勝だった。

31歳のジョコビッチは、第1セットを29分で素早く奪うと、第2セットでも2度のブレーク(相手がサーブ権を持つゲームで勝利すること)を上げるなどして制した。

第3セットはアンダーソンにセットポイントを5度握られたものの粘りを見せ、タイブレークの末勝利。ウィンブルドン優勝を決めた。

センターコートに集まった観客が王者に喝采を送るなか、ジョコビッチはベースラインのすぐ内側にしゃがみこんだ。その後はアンダーソンとネット際で肩を抱き合うと、走って自分の選手席に向かい、コーチ団や妻のエレナさんの前で歓声に応えた。

2011年、2014年、2015年にもウィンブルドンを制しているジョコビッチは、「自分を疑った瞬間もたくさんあった。このレベルで戦うまでに戻ってこれるかは自分でもわからなかった」と話した。

「カムバックするのに、ここより良い場所はない。テニスの世界では神聖な場所で、とても特別だ」

これでジョコビッチは、グランドスラムの男子シングルスにおける優勝回数で、ロイ・エマーソン(オーストラリア)を抜いて4位となった。また、1位のロジャー・フェデラー(スイス、20回)、2位のラファエル・ナダル(スペイン、17回)、3位のピート・サンプラス(米国、14回)との差も1つ縮めた。

元世界1位のジョコビッチは、16日に発表される最新の世界ランキングで10位以内に復帰する予定。

テニスツアーでの優勝は、2017年のイーストボーン国際以来となる。

夢がかなった

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女子シングルス決勝ではケルバーが、過去7回ウィンブルドンで優勝している第25シードのウィリアムズを6-3、6-3で破って初制覇。ウィリアムズは出産後初の優勝を逃した。

ドイツの女子選手がウィンブルドンのシングルスで優勝するのは、1996年のシュティ・グラフ以来。

ケルバーは「夢がかなった。セリーナのようなチャンピオン相手には、自分の最高のテニスをしないとならないとわかっていた。セリーナは素晴らしい人で、素晴らしいチャンピオン。私たち全員にとって最高のインスピレーションだ」と話した。

敗れたウィリアムズは、出産後にこれほど早く決勝に戻れただけでも嬉しいと述べた。「もちろん残念だけど、残念とは思わない。文字通り、再開し始めたばかりなので。世間のお母さんたち、今日は皆さんのために試合をして、がんばりました。でもアンゲリクは本当に良い試合をした。私はこれからもツアーを続けて、自分が一番得意なことをやり続けるのが楽しみ」と話した。

このほかダブルス決勝では、男子は第7シードのマイク・ブライアン、ジャック・ソック組(米国)、女子は第3シードのバルボラ・クレチコバ、カテリナ・シニアコバ組(チェコ)が共に初優勝を飾った。

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ジョコビッチ復活

ジョコビッチは2010年代の前半、男子シングルスを支配した。世界ランキング1位を通算223週間保持し、2年前に全仏オープンを制してキャリア・グランドスラム(人生を通じて4大大会の全てで勝利すること)を果たした。

しかしそれから、無敵ぶりにかげりが見え始めた。

2016年のウィンブルドン3回戦でサム・クエリー(米国)に敗れると、ジョコビッチは私的な生活面に問題があることを示唆し、それ以降、徐々に調子を崩していった。

身体面も問題になった。ひじのけがで男子プロテニス協会(ATP)ツアーを2度欠場。これにより、今年初めには2006年以来初めて世界ランキング20位以内から陥落した。

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Image caption 現在世界ランキング21位のジョコビッチは、2001年にウィンブルドンで優勝したゴラン・イバニセビッチ以来、最も低い世界ランクで大会を制した男子選手となった

今大会の素晴らしい活躍で、ジョコビッチは今、世界の上位に戻ってきた。

最初の2セットで2回ずつブレークし、身長203センチのアンダーソンによるサービスゲームを止めると、ラリーでもアンダーソンを苦しめた。

アンダーソンは少なくとも第3セットまで、危険を冒すことは少なく、プレイの種類もごくわずかしかなかった。しかしジョコビッチは、増してくる勝利への脅威を制し、2時間18分で勝利した。

アンダーソンは持久戦でスロースタート

ジョコビッチの問題が多く伝えられる中、アンダーソンはこの1年、再生の道を順調に歩み、今大会は第8シードになった。

32歳のアンダーソンは、2015年の終わりに初めて世界ランキング10位以内に入った。しかし、2016年はけがの問題を多く抱え、結果として世界ランクを100位近くまで落とした。

しかしアンダーソンは、グランドスラムの決勝に2度進出するなど復活を見せ、この1年半で世界ランクを5位まで上昇させた。

決勝まで進出した昨年の全米オープンでは万能型の能力を見せたが、アンダーソンの最大の武器はやはりサーブだ。ただ、ジョコビッチとの決勝第1ゲームでは、ブレークポイントでダブルフォールトを記録してこのゲームを落とした。

直近2試合で11時間を費やしたアンダーソンは試合序盤、調子が上がらず、自分のリズムと動きを取り戻すのに苦しみ、第5ゲームでもブレークを許してしまう。

フェデラーやジョン・イスナー(米国)がそれぞれ準々決勝、準決勝で持久戦の末敗れる、ジョコビッチは常に手ごわい対戦相手となり、勝利してきた。多くの人がジョコビッチをウィンブルドン史上最高のリターナー(返球が上手い選手)とみなした。

もちろん、ジョコビッチもラファエル・ナダルとの準決勝では長期戦を戦った。しかし、センターコートに戻ったジョコビッチは、連日連戦の疲れを見せなかった。

第1ゲームを奪ったジョコビッチはその後もアンダーソンを追い込み続け、アンダーソン自身によるいくつかのアンフォースト・エラーにも助けられ、第2セット第1ゲームでもブレークした。

ジョコビッチが第2セットのスコアを4-1としたところでアンダーソンはついにジョコビッチのサーブに対抗し始め、第2セット最終ゲームで初のブレークポイントを得たが、ものにはできなかった。

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Image caption ケビン・アンダーソンは13日に行われたジョン・イスナーとの準決勝を、6時間35分の激闘の末に制した

<解説>

ボリス・ベッカー(選手としてウィンブルドン優勝3回、ジョコビッチの元コーチ。BBCテレビで)

ジョコビッチは非常に体調が良く、とても集中していた。ジョコビッチは歴史に学んでいる。言いはしないだろうが、ナダルとフェデラーの方が自分よりグランドスラムの優勝回数が多いことも承知している。ジョコビッチはもう2、3年戦えるだろうし、もう何回か4大大会を勝てる。

ティム・ヘンマン(ウィンブルドン準決勝進出4回、BBCテレビで)

アンダーソンの最近3試合を思い出してみよう。アンダーソンはフェデラー相手に一世一代の試合に臨み、2セット先取された状態から勝った。

その次には、別の一世一代の試合を、イスナー相手に戦わなければならなかった。その上で決勝の相手はジョコビッチだ。それを勝ったりしたら、あまりに出来すぎだ。

アンダーソンは根性と意志の強さを見せた。粘り、機会を作った。第3セットを取れていれば、別の風が吹いていたかもしれない。

(英語記事 Novak Djokovic wins fourth Wimbledon by beating Kevin Anderson, Kerber stuns Williams to win Wimbledon

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