ロシアは今も脅威とホワイトハウス トランプ氏発言めぐる混乱続く

Donald Trump Image copyright EPA

米ホワイトハウスは18日、ロシアは依然として脅威だと強調し、ドナルド・トランプ大統領が今週、ウラジーミル・プーチン露大統領との会談後の共同記者会見で、ロシアによる2016年米大統領選挙への介入疑惑を否定して以来続く混乱の収拾を図った。

サラ・サンダース大統領報道官による会見の数時間前、ロシアが今でも米国の選挙を標的にしているのか記者に問われたトランプ大統領は「ノー」と答え、またしても米情報機関との食い違いを見せた。しかし、サンダース報道官は、大統領が「ノー」と言ったのは、もう質問に応じないという意思表示だったと説明した。

サンダース氏は会見で、「大統領とこの政権は、ロシアが前にやったような選挙介入がもうできないよう、懸命に対応している」と述べた。

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なぜ混乱が起きたのか

会見の数時間前、米ABCニュースのセシリア・ベガ記者は大統領に、ロシアは今でも米国の選挙に介入すると思うかと質問した。これについてトランプ大統領は、首を振り、「どうもありがとう、ノー」と答えた。「ノーですか。そうは思わないんですね?」と食い下がるベガ記者にトランプ氏は再び、「ノー」と答えた様子だった。

サンダース報道官は記者団に対し、ロシアの介入が繰り返されないよう政府は対策を取っていると主張。トランプ氏が介入を認めなかったという記者側の解釈を否定した。

「もし(ロシアが)今も機会をうかがっていると、そう思っていないなら、政府は実際にこれだけの時間と努力をつぎ込まない」とサンダース氏は語った。

その後、ベガ記者はツイッター上で、「トランプ氏と私のやり取りについてたくさんの質問が来ている。ええ、トランプ氏は私の顔をまっすぐ見て発言した。ええ、トランプ氏は質問がはっきり聞こえていたと思う。2つの質問にちゃんと答えたので」とツイートし、前出のやり取りを明らかにした。

米NBCテレビのホワイトハウス担当記者、ハリー・ジャクソン記者はツイッターでサンダース報道官の説明に反論し、大統領執務室や閣議の部屋、あるいは他のどこででも、「大統領が我々に質問するのをやめさせるために『ノー』と言ったのは見たことがない」とコメントした。

トランプ大統領が介入を否定したのなら、ロシアが米国の選挙に介入したとする米情報機関の主張をまたしても否定したことになる。

大統領はフィンランドの首都ヘルシンキで行われたプーチン大統領との共同記者会見で、「プーチン大統領がたった今、ロシアじゃないと言った。これははっきり言おう。ロシアである理由が見当たらない」と発言している。

与党・共和党からもこの発言を非難された後、トランプ大統領は17日に、プーチン氏に同調するような発言になったのは、言い間違いだったと釈明した

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16日には、ダン・コーツ国家情報長官がロシアは「継続的かつ広範囲にわたり」米国の民主主義を傷つけようとしていると確信していると言明した。

コーツ長官は今年2月に上院情報特別委員会が開いた公聴会で、ロシアが11月に予定される中間選挙を標的にした工作を進めている証拠があると指摘した。

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トランプ氏の反応

トランプ氏は18日午後、米CBSニュースのアンカー、ジェフ・グロー氏とのインタビューで、ロシアによる介入の責任はプーチン氏自身にあると考えるだろうと語った。

トランプ氏は「この国で起きることには私に責任があると思っているのと同じだ」とし、「だから、国家の指導者として、彼の責任を問わないとならない。そうだ」と述べた。

トランプ氏はさらに、プーチン氏との会談で「介入は認められないと、とてもはっきりさせた」と付け加えた。

トランプ氏は18日朝、プーチン氏との会談を強く非難する人々を「憎しみにあふれたやつら」と呼び、自分を批判する人々は「トランプ錯乱シンドローム」を患っていると主張した。

トランプ氏はツイッターに、「情報機関関係者の上層部にいる大勢が、ヘルシンキでの私はすばらしかったと評価した。プーチン氏と私は先ほどの会談で多くの重要課題について話し合った。私たちは意気投合したので、激しいやりあいを期待していた多くの憎しみにあふれたやつらを、とてもいら立たせた。大きな成果はこれからだ!」と投稿した。

また別の投稿で、「一部の人は、僕がロシアのプーチン大統領と意気投合したのがすごく嫌なんだ。戦争した方がましだと彼らは思っている。これをトランプ錯乱シンドロームと言うんだ!」とコメントした。

混乱が続くなかでも、トランプ氏の支持者たちは応援をやめないようだ。

今週実施されたロイター/イプソスの世論調査では、メディアが激しく批判するヘルシンキ首脳会談の後でも、支持率に大きな影響が出ていないことが示された。

同調査では、有権者登録をしている人々のうち42%がトランプ氏の仕事ぶりを評価している。これは、これまでの平均値と同水準だ。

党派別には、トランプ氏のロシア対応を評価すると答えた共和党支持者は71%だったが、民主党支持者はわずか14%にとどまった。

今後はどうなるのか

米連邦議会の議員たちは、2時間にわたったトランプ氏とプーチン氏の1対1の会談について、通訳のメモ提出を命じるよう裁判所に求めている。

マイク・ポンペオ国務長官は来週、上院で首脳会談について証言する予定。

下院民主党のトップ、ナンシー・ペロシ院内総務は17日、ロシアによる2016年大統領選介入疑惑に関する情報機関の調査結果を支持する象徴的な採決を行おうとしたが、共和党によって阻止された。

上院では、ジェフ・フレーク(アリゾナ州選出・共和党)、クリス・クーンズ(デラウェア州選出・民主党)両議員が、情報機関の調査結果を支持する法的拘束力を持たない決議を行おうとしている。

しかし、共和党のジョン・コーニン上院議員(テキサス州選出)は上院は「ただのメッセージ発信ではなく、追加制裁に力を入れるべきだ」と主張している。

首脳会談でトランプ氏が言ったこと

ホワイトハウスがウェブサイトに掲載した16日の共同記者会見の発言録によると、ロシア介入疑惑に関する質問を受けたトランプ氏は、「私の部下たちが私に(中略)ロシアがやったと思うと言ってきた。ここにいるプーチン大統領はたった今、ロシアじゃないと言った。これははっきり言おう。ロシアである理由が見当たらない」と答えた。

会見での発言に対しては、党派を問わず米議会の議員たちから激しい非難の声が上がった。一部では発言の訂正を求める声もあった。

トランプ氏は17日、発言録を見直した結果、説明する必要が生じたとし、「自分の発言における肝心の文章で、『wouldn't』ではなく『would』と言ってしまった。正しくは、『I don't see any reason why I wouldn't(そう思わない理由が見当たらない)』か『why it wouldn't be Russia(ロシアでない理由がない)』だ。ある種の二重否定だ」と説明した。

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トランプ氏とプーチン氏、多岐にわたり同意見 首脳会談

トランプ氏は、ロシアの介入が大統領選に影響を及ぼさなかったと語った。民主党の対立候補はヒラリー・クリントン元国務長官だった。

一方で、プーチン氏を強く非難するつもりはあるのかとの記者の質問に、トランプ氏は答えなかった。

トランプ氏は18日、「ブリュッセルでのNATO(北大西洋条約機構)首脳会議では、加盟国が何十億ドルものお金をもっと早く出すことになって、我々が勝利したのはみんなが認めるところだが、ロシアとの首脳会談は、長期的には、もっとすごい成功だったと分かるかもしれない。あの会談から多くの前向きな成果が出てくる」とツイートしている。

(英語記事 White House insists Trump believes Russia still a threat

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