トランプ米大統領、貿易障壁の撤廃でEUと合意と 欧州委員長訪米で

25日にホワイトハウス・ローズガーデンで共同記者会見する欧州委員会のユンケル委員長(写真左)とトランプ大統領(同右) Image copyright Getty Images
Image caption 25日にホワイトハウス・ローズガーデンで共同記者会見する欧州委員会のユンケル委員長(写真左)とトランプ大統領(同右)

ドナルド・トランプ米大統領は25日、訪米中のジャンクロード・ユンケル欧州委員長との会談後、関税引き下げに向け欧州連合(EU)と協力することで合意したと述べた。

トランプ大統領は、関税や非関税障壁、自動車・部品を除く製品への補助金をゼロにすることを目指して米国とEUが交渉すると述べた。

米国とEUはさらに、サービスや農業分野での貿易促進で合意した。これには米国産大豆の欧州向け輸出の拡大も含まれる。

これに先立ち、米国が6月に欧州などの鉄鋼やアルミニウム製品への追加関税を導入したのを受けて、EUは報復措置を発動。両者の貿易をめぐる対立が激化していた。

トランプ大統領は、ユンケル委員長とあいさつを交わす写真に「見ての通り、ユンケル委員長が代表する欧州連合と、私めがあなたがた(編注:米国民)を代表する米国は、お互いが大好きだ!」とのコメントを添えて、ツイッターに投稿した。

米政権が鉄鋼・アルミニウム製品への関税に加えて自動車・部品への関税をちらつかせるなかで、両首脳は貿易戦争につながる懸念の沈静化に努めた。

さらに、トランプ氏がロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対して友好的な態度を取る一方で、北大西洋条約機構(NATO)やEUの批判を繰り返しているため、米国と欧州との関係は揺らいでいる。

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ユンケル委員長との会談後にホワイトハウスのローズガーデンで記者会見したトランプ大統領は、両者の「関係は新たな段階に入った」とし、「自由で公正な貿易にとって重要な日」になったと語った。さらに、「今すぐ交渉を開始するが、向かっている方向はとてもはっきりしている」と述べた。

ユンケル委員長はトランプ氏に謝意を表明し、「良い、建設的な会談だった」と称賛した。

トランプ大統領は、EUが米国からの液化天然ガス(LNG)の輸入を増やすとし、EUは「巨大な買い手」になると語った。さらに、サービスや農業分野で貿易が増加するとし、「EUは大豆の購入を大幅に増やす。彼らは巨大な市場で、特に中西部を中心とする農家から大量の大豆を買う」と述べた。

両者は、交渉が続いている間は関税を据え置くほか、世界貿易機関(WTO)改革で協力することで合意した。

ユンケル委員長は、工業製品の関税ゼロに向けた取引が「主要な目的」だったと語った。「本日、私は取引を成立させるという一つの意図を持ってここに来たが、取引は成立した。協力すべき多くの分野がある」。

自動車・部品関税についての発表はなく、首脳会談で問題解決に向けた進展があったのかは不明。トランプ大統領は欧州から輸入される自動車・部品への25%の関税を提案している。

ユンケル委員長は、国家安全保障上の障壁をめぐる再検討を「いずれ」行うことでトランプ大統領と合意したと述べた。

合意発表への反応

欧州各国の政府や高官らは即座にトランプ氏とユンケル氏の合意を歓迎。セシリア・マルムストロム委員(通商担当)は、両者が貿易で「新たなページをめくった」と述べた。ドイツのペーター・アルトマイヤー経済相はツイッターで、「貿易戦争の回避と多くの雇用を守る突破口が開かれた! 世界経済にとって素晴らしいことだ!」とコメントした。

一方で、慎重な見方も出ている。

米シンクタンク、アトランティック・カウンシルのバート・オーステルフェルト氏は、英紙ガーディアンのウェブサイトとのインタビューで、今回の合意は「基本的な対話の再開」だとして、LNGや大豆に関する合意はそれほど重要ではないと指摘した。

「大惨事の回避は成功ではない」と同氏は述べた。

(英語記事 Trump: US and EU agree to work towards lower trade barriers

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