カバにかまれ台湾人観光客が死亡 ケニア

画像提供, AFP
コロンビアの動物園にいるカバ。歯は鋭く、カバ自身も攻撃的な動物だ
ケニアを訪れていた台湾人観光客が11日、写真を撮ろうとカバに近づいたところ、胸部をかまれて死亡した。
チャン・ミンチュンさん(66)は、ケニアの首都ナイロビから北西90キロのナイバシャ湖でカバを追っていた。現地は、野生動物が多くいる観光地として有名。
別の台湾人観光客も攻撃を受けてけがをした。この地域では今年、6人がカバにより死亡している。
周辺地域の水位が上がっていることで、カバは主食の草を求めて陸に上がっている。絶滅危惧種のカバは、地上生物で最大の哺乳類(ほにゅうるい)だ。
ケニア野生動物公社(KWS)は当初、観光客2人を中国人としていたが、台湾外交部(外務省に相当)が後に2人を台湾籍と確認した。
ケニアは台湾と公式な外交関係を持たず、台湾に関する中国の主張を承認している。
目撃者によると観光客2人は、ソパ・ホテルの近くにいたカバに接近しすぎたため、被害にあった。かまれた男性は大量に出血し、病院に救急搬送されたが、後に死亡した。
もう1人の観光客は軽傷で、ナイバシャ地域病院で治療を受けた。
KWSのネルソン・チェルイヨット警備員は「問題発生後、KWSの職員が問題のカバを追跡し、狙撃した」と述べた。
ナイバシャ湖ボート所有者協会のデイビッド・キロ会長はケニア紙スターに対し、水位上昇によりカバのえさ場が減ってしまっているため、カバはえさを求めて農場やホテルの敷地に来るしかなく、人間との接触が増えていると語った。

ナイバシャ湖の位置
カバは攻撃的な習性を持ち、歯は鋭く体重は最大2750キロにも達する。アフリカでは毎年、推定約500人がカバに殺されているという。
ケニアには昨年、世界から140万人の観光客が訪れ、観光業収益は約12億ドル(約1323億円)だった。
当初、死亡した観光客を中国人としていましたが、ケニア当局の発表に伴い、「台湾人観光客」に訂正します。